1.恐ろしい鬼神
パズズは、前1000年紀におけるアッシリア、バビロニアの悪魔、鬼神(デーモン)。
パズズの姿を表した像は、蛇の頭or犬のような頭、異様に飛び出た目、うろこ状の胴体、蛇頭のペニス、猛禽の爪、有翼という異様な姿をしており、恐ろしい存在であった。
2.パズズの有益な側面
古代メソポタミアの神話観においては、しばしば正邪が混在している例があり、パズズもこれにあたる。パズズは邪悪な鬼神であると同時に、人間にとって有益な面があり、その恐ろしい形相は、家内安全、安産祈願の魔除けとなっている。
遺跡からは、悪霊を祓うための銅製のお守りが発掘されているが、ロバ頭の邪悪な女鬼神ラマシュトゥを追い返す様子が描かれている。ラマシュトゥは胎児や新生児に害なすとされており、出産の近づいた女性は、パズズ神の頭をペンダントとして首にかけ、母子の安全を祈った。
(主な参考文献)
「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代メソポタミアの神々」
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