1.霊鳥
アンズーあるいはズー(アッカド語)、イムドゥグドゥ(シュメール語)は、獅子頭を持つ嵐の鳥。
元々は "霊鳥" であり、殊にラガシュ市で重んじられていたとみられる。『グデアの神殿讃歌』注釈によればニンギルス神のお使い番で、エアンナトゥムの戦勝碑でもニンギルスの霊鳥として図像されている。
また、『ルガルバンダ叙事詩』ではルガルバンダに力を授ける鳥として描かされている。
「古代メソポタミアの神々」によれば、ウバイドで前3000年紀前半に作られたとみられる霊鳥と鹿の額があり、ニンフルサグ女神の神殿入口に掲げられていたという。同書の場合、ここでのアンズーは、ニンフルサグでもニンギルスでもなく、大気神エンリルを象徴するものとしている。
2.怪鳥
シュメル初期のアンズーは霊鳥として扱われていたが、やがて怪鳥としての面が強調されるようになる。
神話『ズーの神話』では敵役を演じ、『ギルガメシュとエンキドゥと冥界』ではフルップ木に巣食う邪魔者として描かれている。神話『ルガル神話』においても、アサグ側の「一一の勇士ども」の一つとして登場しており、退治されるものとして描かれる。
新アッシリア時代にニヌルタ神信仰が興るが、ニヌルタ神殿入口には、獅子の胴体に猛禽類の翼とかぎ爪を持つアンズーが、ニヌルタに追われている浮彫がある。この時分におけるアンズーの役割は、霊鳥ではなく、明らかに怪鳥である。
3.参考動画
以下、アンズー(ズー)についての参考動画です。よろしければどうぞ。

ゆかり「霊鳥だって女神様だって変身するんです!」【A.I.VOICE解説・雑談5】
(https://www.nicovideo.jp/watch/sm39614271)
(出典神話)
『シュルギ王讃歌』、『グデアの神殿讃歌』、『エラの神話』、『ズーの神話』、
『ギルガメシュとエンキドゥと冥界』、『ギルガメシュ叙事詩』、『エンメルカルとアラッタの君主』、
『ルガルバンダ叙事詩』、『ルガル神話』、『ニンウルタ神と亀』、『アンギン神話』
(参考)
「古代メソポタミアの神々」、「古代オリエント事典」、「シュメル神話の世界」
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