1.神名、神統譜
ニンイシン、ニンイシンナ、ニンインシナ、ニニシナ。都市イシンの女神(その名前は「イシンの女主人」の意)。父はアヌ、母はウラシュ、配偶神はパピルサグ、息子はダム(参考「メソポタミアの神々と空想動物」)。
2.イシンの都市神
『エンキ神の定めた世界秩序』においては、アン神のお世話係という役割を与えられるが、現存する資料からは、イシンの都市神としての性格が強い。「リピト・イシュタル法典」においては、アンとエンリルが、ニンイシンナにシュメールとアッカドの王権を授け、そしてニンイシンナがリピト・イシュタル王を選ぶという構図になっている。これは、当時のイシン第1王朝の王リピト・イシュタルが、イシンの都市神ニンイシンを通して自らの(そして法典の)正当性を強調しているのである。ニンイシンは、都市、王朝の興隆とともにその地位を高めた女神と言える。
3.癒しの女神
ニンイシン女神は治癒女神としての性質を有するのは、これは息子ダム神と同様である。ただ古代メソポタミア世界には、癒しの女神がたくさんいるため、古バビロニア時代には、セム系の女神グラと同一視されてしまう。参考「古代メソポタミアの神々」では、性愛の領域にかかわり、元来は穀物女神とも。
(主な参考文献)
「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代メソポタミアの神々」
(出典神話等)
『ウルの滅亡哀歌』 / 『エンキ神の定めた世界秩序』
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