ベーレトイリ

１．「ベーレト」「イリ」の語意について

　ベレト・イリ、ベーレト・イリー。バビロニアの出産の女神。
　ベーレト・イリの名に触れる時、まずはその語意に注意を払う必要がある。「ベーレト」（「ベレト」）は「女主人」を意味しており、「イリ」は「神々」を指す。そのためベーレト・イリは「神々の女主人」という意味の言葉であり、特定の女神を指すのではなく、様々な女神（特に豊穣女神や母神）の代名詞として使える、汎用性の高い名前である。

コラム：神話中のベーレト・イリ 　上記のとおり、ベーレト・イリについては、固有の神を指すのではなく、美称的に使われている例がある。そのため、神話の文中にベーレト・イリの名を見つけた際には、その名を持つ固有の女神ではなく、既に神話中で語られている女神の美称に過ぎない場合がある。参考「古代メソポタミアの神々」では、ベーレット・イリをニンフルサグ女神のアッカド語系として扱っている。

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２．神話におけるベーレトイリ

　『ギルガメシュ叙事詩』（標準版）において、ベーレト・イリーは "体の3分の2が神、3分の1が人間" であるギルガメシュの体づくりに貢献している。
　また、マルトゥ神の配偶女神とされる場合がある。

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（参考文献）
　「古代メソポタミアの神々」、「メソポタミアの神々と空想動物」、「ギルガメシュ叙事詩」（月本）
（出店神話等）
　『アトラ・ハシース物語』、『ギルガメシュ叙事詩』