1.信仰地、神統譜
シュメール神話における男神で、古来の有力都市キシュの都市神。キシュにおける配偶神はイナンナ/イシュタル。母はバウ女神。
2.軍神、誓約の神
ザババは軍神である。シンボルは「鷲頭」のマーク。イガリマとシュルシャガナという武器を持つ。
『ハンムラビ法典』においては、ハンムラビの言葉に反する者がいた場合、ザババの力によってその者の武勇が振るなくなるというくだりがある。これは、ザババの軍神としての特徴を裏返したも。その神性ゆえ、後代においてはニンギルス、ニヌルタといった武勇優れる神と同一視されるようになる。
またザババは、条約など誓約の神でもある。
3.伝播
アナトリアではハッティの神ウルンカッテと同一視され、アナトリアの各地で広く信仰されたほか、面白いことにヒッタイトの神話『クマルビ神話』のなかに、シュメルの神であるザババの名が出てくる。フルリの軍神アシュタビ神に相当するものと思われるが、興味深い。
(主な参考文献)
「古代オリエント事典」、「古代オリエント カミとヒトのものがたり」、
「古代メソポタミアの神々」、「メソポタミアの神々と空想動物」
(出典神話等)
『ハンムラビ「法典」』『クマルビ神話』
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