1.ギルガメシュの母
ニンスン、ニンスンナ、リマトニンスンは、「雌牛の女主人」と称される女神。
彼女の最も有名な神性は、(物語上において)英雄ギルガメシュの母とされる点である。『ギルガメシュ叙事詩』において、ルガルバンダの配偶女神とされており、ギルガメシュの都ウルクに住まう。
ギルガメシュの夢を解く際には「すべてに通暁するリマト・ニンスン」と呼称されるほか、『ビルガメシュ神と天の雄牛』においては、ギルガメシュへイナンナからの贈り物を拒絶するよう命じるなど、ママっぷりを発揮している。
またギルガメシュ王の母と目されているため、シュルギ王は『シュルギ王讃歌』の中で、自らの母をニンスンとしており、あたかも自分がギルガメシュの兄弟であるかのように権威付けしている。
2.野牛信仰の女神
牧畜や灌漑に関する神聖も備えている。また、伝承神話によって「(クラバの)ドゥムジの母」とも呼ばれている。「雌牛の女主人」という二つ名のとおり、ニンスンは元来野牛信仰に関わる女神とも考察されており、牧畜の神であるドゥムジと関連付けられている。
(主な参考文献)
「シュメル神話の世界」、「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代メソポタミアの神々」
(出典神話等)
『シュルギ王讃歌』、『ギルガメシュ叙事詩』、『ギルガメシュと<生者の国>』、『ビルガメシュ神と天の雄牛』
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