1.文明化を促す七精霊
七精霊(アプカル / アプカルル)。古代バビロニアの伝説的宗教観によれば、大洪水以前から7つのアプカルが存在していたことになっていて、エリドゥのアダパなど、大洪水以前の伝説的人物もアプカルと見なされた。彼らは、エンキ(エア)エアによって地上に派遣され、人類に様々なことを教え文明化を促したという。
なおこの七精霊は、七悪霊と対照的な霊的存在とされている。
2.アッシリアのレリーフ
アッシリア(ニムロド)の宮殿に描かれたレリーフのアプカルは、鷲頭、有翼の姿で、聖樹の花に受粉させている。このアプカルのモチーフはクロハゲワシ(学名Aegupis monachus)であり、南部ヨーロッパのほか、中近東にも分布している。
ちなみにこのレリーフの現物が、日本の岡山市立オリエント美術館に展示されている。絶対見に行くべし!
3.悪魔祓いの儀式
アプカルは人間の姿をとることもあり、図像として、魚の皮衣をまとったり、有翼で猛禽の顔をもったりすることもある。悪魔払いの儀式を行した図像で、魚皮を被り病人のそばに立つ者が描かれているがり、これがアプカルそのものなのかアプカルにあやかった祈祷師、呪術師の類なのかは不鮮明。
(参考文献)
「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代メソポタミアの神々」、「古代オリエント事典」、
「アッシリア・レリーフへの招待」
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