1.各個人を守護する存在
※多くの場合、特定の神を指すわけではないが、メソポタミアにおける概念として重要のため項目を設ける。
古代メソポタミアの宗教観においては、各人が個人神をもっており、この神は各個人を守護する有難い存在であった。日頃の無病息災をもたらしてくれるだけでなく、人と大神との間を取りなしてくれる存在として認識されていた。
2.具体例
取りなしという役割からもわかるが、個人神は比較的低位な神が充てられていることが多く、多くの場合、個人神は名もなきマイナーな神様が充てられていることが多い。
とはいえ、王様や富商などハイクラスな人における個人神の例が確認されており、ニンギシュジダ神、シュルウトゥル神、メスアンドゥ神、ニンシュブル女神、ニンアズ神、ニサバ女神、ニンスン女神などが認められる。最高神とまではいかなくとも、ニンアズやニサバとなると、そこそこ名の知られた神格のような気もする(なお、個人神には冥界神の名が挙がっていることが多い)。
また、個人神といえるかは微妙だが、人間を守護してくれる神格としてより広く一般的なのは、ラマ女神及びラマッスや、シェードゥである。(※「ラマ」参照のこと)。
(参考文献)
「文明の誕生」、「五〇〇〇年前の日常」
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