1.災いをもたらす悪鬼
アサグ、アサックー(Asakkû)は、災いをもたらす悪鬼。『ルガル神話』(『ルガル・エ』)においては山に棲み、天地の交合によって生まれた石の怪物を率いて都市を襲う。物語の敵役だが、最終的に英雄神ニンウルタによって征伐される。なお、神話『イナンナとエベフ』においても制圧される悪役として登場し、同様の役割を担う。
アンソニー・グリーン「メソポタミアの神々と空想動物」によれば、川に住む魚を死に至らしめる力を持ち、人間に熱病をもたらす悪霊でもある。あるいは「古代オリエント事典」では、メソポタミアの7種のデーモン(鬼神)はそれぞれ体の特定の部位の病気を司るとされ、アサックは頭部の病を所掌するという。いずれにしても、アサグは厄介な存在とされる。
(主な参考文献)
「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代オリエント事典」
(出典神話等)
『ギルガメシュ叙事詩』、『ルガル神話』
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