イシュハラ

ページ名:イシュハラ

1.起源、信仰地、シンボル

 イシュハラは、豊穣、性愛、生殖の女神。
 セム系あるいはエラムを起源とするが、ウル第3王朝時代には、キズワトナの他、各地で崇拝され、やがてフルリ系神統譜の大女神としてシリア各地でも崇拝されて、フルリ経由でヒッタイトの神統譜にも加わる。アナトリアの伝承では、エンリルとアバンドの母とされる。
 シンボルは古バビロニア時代に蛇で、後にサソリ。イシュハラ女神の星座はサソリ座。


2.性愛、生殖の女神

 『ギルガメシュ叙事詩』において「イシュハラのために、婚姻のしとねがしつらえられた」とあり、その神的属性が垣間見える。また、シリア出土の相続粘土板文書(遺言)において、遺言状を変えんとする者への呪詛として"女神イシュハラにより子孫が絶たれる"との呪い言葉(参考:「メソポタミア文明の光芒」)があり、やはり生殖に関係している。
 なおその性質から、イシュハラをイナンナと類似した女神として解釈する説もある。


3.誓約の女神、癒しと呪詛の女神

 また、誓約の女神、または癒しや呪詛の神ともされ、誓いを破った者には、罰として病を与える。


(主な参考文献)
 「古代メソポタミアの神々」、「メソポタミアの王・神・世界観」、「メソポタミアの神々と空想」、
 「古代オリエント事典」、「メソポタミア文明の光芒」
(出典神話等)
 『ギルガメシュ叙事詩』

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