シャカン

ページ名:シャカン

1.動物神、家畜神

 シャカン、シャッカン、あるいはスムカン。草原や荒野に住むとされる神で、動物神、家畜神。太陽神シャマシュの息子であるともされるが、シャマシュ自身、動物を司る神であり、スムカンもこの属性を引くような神統譜となっている。
 また、リピト・イシュタル法典の一文に、「この碑を傷つけたり、この碑文を消したり、(中略)また、逆にこの碑に(上述のようなことを)する人は、…豊穣のアシュナン神とシャカン神が彼から離れて行ってしまいますように。」という記述がある。不敬者を呪ううえで、植物的(穀物的)豊穣を司るアシュナンと、動物的豊穣を司るシャカンの名を挙げている。
 神話における記述を引くならば、神話『エンキの定めた世界秩序』において、シャカンは緑豊かな土地であるアンエディンナを、エンキ神から任されている。


2.冥界神

 多くの動物神は、冥界神でもある。このことは、家畜が最終的には屠殺されることと結びついていると思われるが、このシャカン(スムカン)もまた冥界神である。
 『ギルガメシュ叙事詩』において、主人公の無二の親友となったエンキドゥは、神々の怒りを買って死ぬこととなる。床に臥せる前、エンキドゥは冥界の夢を見るのだが、そこにはスムカンが登場する。


(主な参考文献)
 「メソポタミアの神々と空想動物」、「古代オリエント カミとヒトのものがたり」、「古代メソポタミアの神々」
(出典神話等)
 『ギルガメシュ叙事詩』、『エラの神話』、『シュルギ王讃歌』、『エンキ神の定めた世界秩序』

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