1.敵役になってしまった存在…?
サマン、あるいはサマンアンナ。
シュメール神話『ルガル神話』では、敵役アサグの陣営に「一一の勇士ども」が登場する。そのうちの一つとして名があがっているのが、サマンアンナである。すなわち同神話において、サマン(サマンアンナ)は敵役として位置づけられている。
しかしその一方で、サマン神は初期王朝時代末期のラガシュで信仰されていたらしい(サマンは「鼻綱」のことで、サマンアンナは「天の鼻綱」の意味になる)。サマンはグデア王の時代よりも200年ほど前に記録があるため、もともとは善なるもの(神?)として扱われていたようだが、やがて敵役として遇されるようになったようだ。
もともとは信仰されていたのに、後代敵役になってしまった…という位置づけは、アンズー鳥と似たものを感じさせる。
(出典神話等)
『ルガル神話』
(参考文献)
「シュメル神話の世界」(解説)
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