呉線の目隠し板の支柱
呉線の車内から呉港が一望できる線路沿いに建てられた目隠し板のコンクリート製支柱で、太平洋戦争中まで車窓の高さに目隠し板が立てられ車内から呉湾が見れないようになっていました。
「景色が良いのになぜ隠す必要があるのか?」という疑問が生じるかもしれませんが、これは昭和12年に勃発した日中戦争を受けて制定された『呉軍港防諜規程』により設置されたものです。
目隠し板の目的は、呉湾に錨泊中の艦艇や呉海軍工廠で建造中の艦艇、呉鎮守府などの軍事施設を見えなくすることです。なお、同じ昭和12年に呉呉海軍工廠で戦艦大和の建造が開始されていたため「戦艦大和の建造を隠すために作った」という説もあります。
なお、目隠し板自体はトタン板でしたが銀色であったため夏に目隠し板の前を通過すると車内が暑くなりました。当時は数kmにわたって設置されていましたが、現在では板を支えるL字型の支柱が数個のみ現存しています。
余談ですが、当時の呉市民は「戦艦大和の存在を戦時中にすでに知っていた」という説と「太平洋戦争終戦まで知らなかった」という説の両方があります。
目隠し板跡からの展望
目隠し板があった地点からの眺め
当時はマンションのような背の高い建物は無かったため呉湾がよく見えたと思われます。
なお、せっかく建てた目隠し板ですが太平洋戦争末期の金属回収令により徴収されてしまい、終戦時には無くなっていました。
備考 |
・春夏は草木が生い茂りよく見えない場合があるので時期的には秋冬がおすすめ ・現在はマンション等が建設されているため目隠し板の地点で車窓からの呉湾を眺めるのは難しい |
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住所 |
広島県呉市海岸4丁目5−7 |
駐車場 | なし |
トイレ | なし |
竣工 | 昭和12年(?) |
公開 | 常時 |
登山難易度 | - |
サイト |
- |
分類 | インフラ |
アクセス |
・川原石駅から徒歩5分 |
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