得蔵寺(駆逐艦楓戦没者慰霊碑)

ページ名:得蔵寺(駆逐艦楓戦没者慰霊碑)

得蔵寺

得蔵寺は倉橋島南部にあるお寺

桂浜のある倉橋漁港が見える上河内の集落にあります。ここには倉橋本浦で空襲を受けた駆逐艦楓の慰霊碑があります。

駆逐艦楓戦没者慰霊碑

駆逐艦楓は横須賀鎮守府所属の松型駆逐艦17番艦として、太平洋戦争後期の昭和19年10月に就役しました。

松型駆逐艦は戦局悪化による戦力不足を補うため性能を落とす代わりに建造期間を短くした戦時急造型の駆逐艦で、楓も起工からわずか7ヵ月で就役した艦艇でした。

就役時すでに戦争末期にさしかかっており、戦局の悪化する南方での戦闘に参加し大損害を受けて呉へ帰投しました。帰投後、呉海軍工廠で修理が完了すると大津島で人間魚雷『回天』の目標艦になる訓練に参加しました。

その後は、人間魚雷『回天』搭載母艦となる改装がされました。しかし、燃料不足が深刻化し訓練や出撃ができないまま姉妹艦の駆逐艦樫と共に倉橋島倉橋本浦でカモフラージュのため松や草木を置いて停泊していました。

昭和20年7月の第二次呉軍港空襲では、倉橋本浦で偽装していた艦艇も標的となりました。駆逐艦楓を狙った爆弾の1つがここ得蔵寺の裏に落ちました。

その縁もあり、太平洋戦争終戦後に得蔵寺の境内には駆逐艦楓の慰霊碑が建立されました。慰霊碑には第二次呉軍港空襲の戦没者と共に昭和20年1月のバシー海峡での戦没者も祀られています。

駆逐艦楓は第二次呉軍港空襲後も健在で、太平洋戦争終戦後も復員船として活躍しその後は台湾へ賠償艦として引き渡されました。

倉橋本浦

太平洋戦争末期に駆逐艦楓が停泊していた倉橋本浦

得蔵寺の南にある湾で現在の正式名称は『倉橋漁港』です。

 

備考

・上河内集落のお寺は5軒あり(得蔵寺を入れて)うち4軒は場所も近いため注意

・ナビアプリで見ると火山登山口バス停が最寄りと表示されるものもあるが、道がわかりにくいので上河内バス停か倉橋本浦バス停から行った方が無難

・バス通りから1通り入ったところにある

・同じ倉橋本浦に姉妹艦の駆逐艦樫の慰霊碑もある

・近くに倉橋本浦(駆逐艦樫終焉の地)桂浜の防空壕跡がある

住所

広島県呉市倉橋町上河内1130

駐車場 なし
トイレ なし
竣工 昭和58年
公開 常時
登山難易度
サイト

分類 艦艇終焉の地、慰霊碑
アクセス

・広島電鉄バス「倉橋本浦」バス停から徒歩5分

・広島電鉄バス「上河内」バス停から徒歩8分


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