石内浄水場跡

ページ名:石内浄水場跡

石内浄水場跡

「呉市で一番高い山」こと野呂山のふもとにある浄水場で『呉鎮守府水道』の1つ

太平洋戦争末期になっても広海軍工廠と第11海軍航空廠の工業用水は不足しており、二級ダムから広海軍工廠と第11海軍航空廠への送水量増強のためここ石内に浄水場が造られました。

石内浄水場は鬼坂調整池と共に昭和19年に着工しましたが、建設中に終戦を迎え工事は中断されました。

太平洋戦争終戦後、広に進駐軍の住宅が建設され水道供給を要請されますが水道施設は壊滅状態であったため、急遽未完成だった石内浄水場を昭和23年に完成させ送水を開始しました。

結果として「呉鎮守府水道最後の水道施設として着工したが完成した時にはすでに呉鎮守府は無く、占領してきた進駐軍のために送水した」という何とも言えぬ皮肉な話となりました。

昭和47年には住宅増加の水道需要に対応するため拡張工事を行い、管理棟や高速凝集沈殿池などを新設し送水量を増やします。

しかし、二級水源地と同じく二級ダムを水源としているため、黒瀬川上流地域の人口増加による生活排水の増加・下水道の整備不足により水質が悪化し上水道の水源として使えなくなり平成9年に閉鎖されました。

現在は、特に表記はありませんが太陽光発電所として転用されているものと思われます。また、当時のものと思われるコンクリート製の給水タンクと木製の電柱が残っています。

入口門

完成の際に進駐軍から竣工検査を受けた影響か、銘板に『Kure IshiuChi FiLtration PLant』という水道施設にしてはめずらしい英語表記が見られます。

また、塀に戦前建築と戦後建築の境目のようなデザインのレンガ飾りの意匠が見て取れます。

鬼坂調整池

呉鎮守府水道』の1つ

広海軍工廠の工業用水不足を受けて、二級ダムからの送水を増やすために石内浄水場と共に着工した水道施設です。

こちらは完成しましたが石内浄水場が工事中のまま終戦を迎えたので呉鎮守府水道最期の水道施設ということになります。 石造りの階段やコンクリートの色に太平洋戦争中建築の面影が残っています。

なお、石内浄水場は閉鎖されましたが鬼坂調整池は現在も呉市水道局の施設として使用されています。

 

備考

・2つとも水道局の施設のため場内に入ることはできない

・2つともそこそこの僻地にあるがバス停からはそれほど遠くない

・石内浄水場跡は上の農道から場内の一部が見える

・呉鎮守府水道については二河峡取水口(呉鎮守府水道)のページへ

住所

石内浄水場跡:広島県呉市広石内1丁目1

鬼坂調整池:広島県呉市広町4922-3

駐車場 なし
トイレ なし
竣工 昭和23年/太平洋戦争中(?)
公開 非公開
登山難易度
サイト

分類 軍用水道
アクセス

石内浄水場:

・広島電鉄バス「下石内」バス停から徒歩13分

・JRバス「石内橋」バス停から徒歩13分

鬼坂調整池:

・JRバス「大津江橋」バス停から徒歩8分


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鬼坂調整池

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