回天特別攻撃隊隊員和田稔記念碑
山口県熊毛郡上関町の白井田集落にあります。
回天特別攻撃隊員和田稔記念碑は、周防灘を挟んで北に位置する光基地で訓練中に亡くなった和田稔少尉の慰霊碑です。 光基地では、太平洋戦争末期の本土決戦に向けて人間魚雷『回天』の訓練が行われていました。
太平洋戦争終戦直前の昭和20年7月、和田稔少尉が搭乗した回天が訓練中に行方不明になり、太平洋戦争終戦後の9月に発生した枕崎台風によって白井田集落に漂着するという事故がありました。
和田稔少尉は中学校と高等学校を主席で卒業し、東京帝国大学(現在の東京大学)法学部在学中というエリートでありながら、昭和18年の学徒出陣により徴兵され回天の搭乗員となりました。
回天は九三式魚雷を改造したもので、内部は非常に狭く一度乗り込むと操縦以外身動きが取れない上に、水中航行中は真っ暗になるため搭乗員は時計を頼り操縦します。 また、前進しかできない上に潜航するためには手動で注水しなければならないなど非常に操縦が難しく、大津島基地や平生基地でも訓練中に搭乗員が亡くなる事故が起きています。
和田稔少尉の機体も同様に、海底に突き刺さった状態で操縦不能となり酸欠で亡くなりました。享年23歳の若さでした。
後年、和田稔少尉の書いた手記が『わだつみのこえ 消えることなく』として出版され、ドキュメンタリー番組も製作されました。また、平成18年に公開された映画『出口のない海』の主人公のモデルにもなりました。
慰霊碑は平成23年建立されたもので戦争慰霊碑としては新しい部類に入りますが、戦争の無残さと平和の尊さを風化させないために地元上関町や白井田集落の有志により建立されました。
備考 |
・かなり田舎だがトイレと有料駐車場とコミュニティバスのバス停があるのはありがたい ・柳井駅から出るバスは上関までしか行かないので上関から白井田まで上関町営バスを使うか片道約2時間歩く必要あり(往復約4時間かかるため散策時間を含めて帰路のバス電車の時間に注意) ・上関町営バスは便数が非常に少ない上に早めに発車する場合がある ・光基地跡とはかなり離れた場所にあるので同日に回るのはマイカー等が無いとかなり厳しい ・回天の訓練基地としては光基地より平生基地の方が近い ・映画『出口のない海』の撮影に使われた回天のレプリカが徳山港に、運搬用トロッコのレプリカが阿多田交流館にそれぞれ展示されている ・上関大橋周辺に観光地があるので帰路に観光してもいいかも |
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住所 |
山口県熊毛郡上関町長島4016 |
駐車場 | 白井田漁港にあり(有料) |
トイレ | 近くの白井田文化福祉センターにあり |
竣工 | 平成23年 |
公開 | 常時 |
登山難易度 | - |
サイト | |
分類 | 記念碑 |
アクセス |
・上関町営バス「白井田」バス停から徒歩すぐ ・防長バス「上関」バス停より徒歩約2時間 |
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