呉中央桟橋ターミナル(海軍第一上陸場跡)
現在は「呉の海の玄関口」として多くの観光客が訪れる呉中央桟橋ターミナルですが、太平洋戦争終戦までは第一上陸場と呼ばれる海軍専用の港で一般人の立ち入りは禁止されていました。
元々この場所には呉水雷団の水雷艇囲場がありましたが、呉水雷団が廃止されると海軍の上陸場として利用されるようになりました。
上陸場とは陸地に直接接岸できない大型艦艇の乗組員が小さな船に乗り換えて上陸するための場所です。
艦隊が入港した際は1日何万人という水兵が余暇で上陸するため、汽艇や上陸用カッターが何度も往復し上陸場はたくさんの水兵で大混雑しました。また、出港の際も戦場のような混雑だったそうです。
昭和20年4月の沖縄特攻作戦の前夜には、戦艦大和の最後の上陸地となり、灯火管制中の暗闇の中で乗組員と家族が最後の別れを行った場所でもあります。当時も海軍用地のため一般人は立入禁止のはずでしたが、事情が事情ゆえ衛兵が厚意で家族を入れたのではないかという話が残っています。
なお、明治20年から太平洋戦争終戦まで民間船は西の川原石港か東の阿賀港でないと入港できませんでした。つまり、民間人や民間貨物が海路で呉市街地に行く場合は、どちらかの港で降りて陸路で行く方法しかありませんでした。
余談ですが、呉中央桟橋ターミナルのウッドデッキは映画『海猿』のロケ地としても有名です。
海軍第二上陸場跡
こちらは海上自衛隊呉総監部の敷地内にある上陸場跡です。
第一上陸場から堺川を挟んで東にあります。
海軍第一上陸場
戦前の海軍第一上陸場の写真(絵はがき)
備考 |
・第二上陸場跡は海上自衛隊の基地内にあるため特別公開時のみ入れる ・広島港、江田島、四国から旅客船で来る場合は呉中央桟橋ターミナルに到着する ・呉駅からは改札(2F)を出て地上に降りずそのまま陸橋を南へ行く方が早い ・近くに大和ミュージアムと海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)と大和波止場と海上自衛隊呉警備隊(旧呉水雷団)がある ・大麗女島を近くで見るにはここから小用港行きフェリーに乗ると見える 3項目の写真は広島県立文書館蔵の広島県立文書館資料デジタル画像より引用 |
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住所 |
呉中央桟橋ターミナル:広島県呉市宝町4-44 第二上陸場跡:広島県呉市幸町7-1 |
駐車場 | あり(有料) |
トイレ | あり |
竣工 | 平成12年 |
公開 |
呉中央桟橋ターミナル:常時 第二上陸場跡:限定(特別公開のみ) |
登山難易度 | - |
サイト | |
分類 | 基地跡 |
アクセス |
・呉駅から徒歩10分 ・広島電鉄バス、呉探訪ループバス「中央桟橋(大和ミュージアム前)」バス停から徒歩すぐ |
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