大浦突撃隊大迫支隊(Q基地跡)

ページ名:大浦突撃隊大迫支隊(Q基地跡)

大浦突撃隊大迫支隊(Q基地跡)

倉橋島の東端にある大迫港の北

ここには太平洋戦争中の昭和19年4月に海軍の訓練基地が建設されました。対岸の大浦崎にあるP基地と対をなして「Q基地」と呼ばれていました。

Q基地は海軍陸戦隊が持つ『特四式内火艇』の訓練基地として建設されました。元々は沖にある情島に秘密基地として建設されましたが、訓練生増加のためここ大迫に移転してきました。

特四式内火艇は潜水艦に搭載し浅瀬や岩礁で発進して敵に魚雷攻撃を行ったり物資の運搬をする水陸両用戦闘車両です。しかし実戦で使う兵器としては問題が多々あるとされQ基地での訓練は終了しました。

その後、大浦崎にあるP基地で特殊潜航艇『蛟龍』の訓練が盛んになると、P基地だけでは手狭になりこのQ基地が訓練生の宿舎として転用されました。全盛期にはここからP基地まで毎日船で通った訓練生もいました。

太平洋戦争末期の昭和20年3月には、本土決戦に備え『大浦突撃隊大迫支隊』と改称しここでも訓練が行われていました。

写真2枚目がQ基地からP基地を見たもので、訓練生たちは正面にある情島と小情島の間を通ってP基地へ通っていました。右奥に見えるのは旧広海軍工廠です。

特殊潜航艇基地大浦突撃隊大迫支隊跡碑

海岸Q基地跡の海岸に建立された記念碑

元海軍の軍人によって建てられました。

機動艇発着場跡

Q基地に残る唯一の遺構

P基地へ行く訓練生を乗せた機動艇が発着する突堤です。訓練生を乗せた機動艇がここから情島と小情島の間を通ってP基地へ毎日往復していました。

戦時急造だったためか長方形のコンクリートを積んだだけで作った突堤で3mくらいの高さがありました。昭和50年代前半まではなんとか突堤の形を保っていましたが、急造的な作り方ゆえに今は崩れてしまっています。

近くで見るとコンクリートの質が悪く戦時中の建造物であることが伺えます。

兵舎跡

機動艇発着場跡の反対側に訓練生用と士官用の兵舎が多数ありました。

現在は蜜柑畑やビニールハウス等の農地となっており遺構は残っていません。

 

備考

・県道286号線を大迫港方面に行くと道沿いにある

・バスで行く場合は桂浜温泉館から出るコミュニティバスで終点で降りると近い

・バス停からは近いがコミュニティバスの便数がかなり少ない

・記念碑と機動艇発着場跡は同じ海岸にある

・機動艇発着場跡は満ち潮の時間は完全に水没して見ることができない

・大迫港は漁港といっても漁船が数隻泊まっている程度の小さな港でトイレも商店も自動販売機もないので注意

・近くに亀ヶ首射撃実験場跡倉井(空母阿蘇終焉の地)が近くにある

住所

広島県呉市倉橋町大迫14024

駐車場 なし
トイレ なし
竣工 昭和19年
公開 常時
登山難易度
サイト

分類 基地跡
アクセス

・呉市生活バス「大迫」バス停から徒歩10分


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