串山公園(旧串山防空機銃砲台)

ページ名:串山公園(旧串山防空機銃砲台)

串山公園(旧串山防空機銃砲台)

串山は旧呉海軍工廠本部の後ろにある山

山と言っても標高は63mしかなく簡単に登れる山ですが太平洋戦争中の昭和17年に防空機銃砲台が作られました。

串山防空機銃砲台は当初『坪ノ内機銃砲台』として昭和17年8月に完成し13mm4連装機銃2基が配備されました。

その後、戦局の悪化と呉海軍工廠のすぐ後ろにあるという位置的な重要性もあって、昭和19年6月から9月までに段階的に増強され最終的に13mm4連装機銃2基、13mm連装機銃2基、13mm単機銃1基、25mm連装機銃6基、25mm単機銃8基の合計19基の防空機銃が配備されました。

現在、砲台は公園になっており砲台床等は残っていませんが、山の北・南・西のふもとに太平洋戦争中の遺構が残っています。

また呉海軍工廠電気実験部を挟んでとなりの分析山にも防空機銃砲台と地下工場がありました。

串山防空機銃砲台の遺構と思われる遺構

倉庫と思われるコンクリート製の遺構

串山公園から一段下がった場所にありますが詳細不明です。

地下工場の壕口跡

串山のふもと(西側)にある地下工場の壕口跡

戦時中建築特有の小石混じりのコンクリートで作られています。

空襲が激しくなった戦争末期は目前の呉海軍工廠では兵器製造ができなくなったため、串山の地下に工場を作り製造を継続していました。

このような「山頂は防空砲台、地下は兵器工場」という山は呉市周辺にいくつか存在します。

トーチカ跡

工廠神社へ上る階段の途中にあるトーチカ跡

トーチカとは鉄筋コンクリートで作られた防御陣地のことで機関銃や自動火器を据え付けて敵の進攻を阻止するため築かれる要塞施設です。

トーチカは銃眼(銃を出す窓の部分)が小さければ小さいほど強固になるといわれていますが、串山のトーチカは銃眼が広く作ってあるため視認性重視の監視所も兼ねたトーチカのようです。

トーチカの上に機関銃座の跡があり上からも攻撃を行えるようにしてあります。

地下工場の空気孔

地下工場の空気孔

全部で2つあり工廠神社へ上る階段の途中にあります。

防空壕跡

串山のふもと(南側)の海軍工廠員工員養成所跡にあります。

東側は海軍工廠員工員養成所と接しているため防空壕の数もそれなりに必要だったと考えられます。

昭和20年の呉海軍工廠への空襲の際は入口に鉄製の防爆壁を備えていましたが、至近弾で吹き飛んで中の人が死傷したという記録が残っています。

レンガ造りの遺構

令和2年ののり面工事の際に発見された遺構

串山のふもと(北側)に赤レンガ造りの倉庫が地中から発見されました。

旧海軍に関係するものなのか、どのような用途で使われていたのかなど詳細不明です。

余談ですが、こののり面工事により串山公園の桜はすべて伐採されてしまい桜の名所ではなくなってしまいました。

 

備考

・地下工場壕口、トーチカ、空気孔は山の西側から工廠神社へ登る道の途中にある

・串山公園は東側の国道487号線から行った方が早いが工廠神社側からも行ける

旧呉海軍工廠アレイからすこじま公園(旧潜水艦桟橋)も一緒に見たいのであれば西側から行く方がわかりやすい

・防空壕跡は串山の南にあるアレイからすこじま公園駐車場の近くにある

・串山の中腹に工廠神社がある

・呉海軍工廠防衛のための砲台として他にも鍋山防空機銃砲台跡と鍋山防空砲台跡海軍工廠西海岸応急防空砲台跡がある

・近くにアレイからすこじま公園駐車場(呉海軍工廠員養成所跡)港湾監視所跡アレイからすこじま公園(旧潜水艦桟橋)旧呉海軍工廠がある

住所

広島県呉市船見町4−3

駐車場 近くにアレイからすこじま公園駐車場がある
トイレ

串山公園にあり、アレイからすこじま公園にあり

竣工 昭和17年
公開 常時
登山難易度 かなり易しい
サイト

分類 砲台跡、海軍工廠、遺構
アクセス

・広島電鉄バス「潜水隊前」バス停から徒歩5分

・広島電鉄バス「串山」バス停から徒歩8分


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