時報塔
時報塔(じほうとう)は旧志和堀村(現在の東広島市志和町志和堀)にある鐘楼
時報塔は大正11年に志和堀村の在郷軍人会が定時励行を推奨するために建設しました。
当時は、前々年の大正9年に日本初の時報を記念した『時の記念日』が制定され、文部省や財政会からも時間に対する生活改善を求める通達が出される時代でした。
それまでは「日の出と共に起きて日没と共に寝る」という農業に合わせた生活をしていた日本人ですが、国家の近代化を進める上で「時間厳守」「時間割による規律行動」「時間節約による効率化」が求められ始めました。
時報塔は遠目には石造りに見えますが鉄筋コンクリート製で表面に凹凸模様を付けることでアールデコ調の石造り風に見せています。
高さは7.8mで上部に鐘と木造の屋根が作られており、鐘はアメリカ製の黄鐘(こうしょう)で志和堀村出身の在米日本人の寄付によって作られました。
壁面には「定時励行」「時間節約」「時は金」の時代を反映した3つの標語が記されています。また、地元の人からは「覚醒の鐘」「鐘撞堂(かねつきどう)」と呼ばれていました。
太平洋戦争中の昭和17年には鐘の上部にサイレンが取り付けられます。このころは防空体制強化により全国でも空襲警報や火災発生警報のサイレンが整備されたため、その一環として付けられたものと思われます。
平成12年に解体修理が行われ、建設から100年以上経った現在でも時報サイレンとして使用されています。しかし、鐘は昭和17年の改造以降使われなくなったため現在では鐘の音を聞くことはできません。
備考 |
・最寄りのバス停に行くバスは八本松駅から出ている ・かなりの僻地にあるがバス停からは近いのでそこまで歩かなくていい ・ただし、バスの便数が少ない上に周辺にこれといった遺構や観光地はない ・現在でも毎年6月10日は『時の記念日』に制定されている ・同じ戦前に作られた時報サイレンとして広島市に龍神山のサイレンがある |
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住所 |
広島県東広島市志和町志和堀956-3 |
駐車場 | なし |
トイレ | なし |
竣工 | 大正11年 |
公開 | 常時 |
登山難易度 | - |
サイト |
- |
分類 | 遺構、インフラ、有形文化財 |
アクセス |
・八本松駅から徒歩2時間10分 ・芸陽バス「志和堀」バス停から徒歩8分 |
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