国立病院機構賀茂精神医療センター(旧海軍賀茂病院)
賀茂精神医療センターは太平洋戦争後期の昭和19年5月に竣工した海軍病院
呉海軍病院の系列病院として着工当初は『呉海軍第三病院』と命名される予定でしたが海軍賀茂病院として開院します。
その後、太平洋戦争末期の昭和20年4月に賀茂海軍衛生学校が併設されます。
太平洋戦争開戦当初は前線の医療者不足が予想されたため海軍看護士・衛生士の練習生が大量増員されました。しかし、戦争後期になると海軍病院練習部(現在の看護学校)が不足し始めたため、呉鎮守府と佐世保鎮守府の練習生を受け入れて開校しました。
昭和20年8月に広島市に原爆が投下された際は、衛生学校の練習生が賀北部隊と共に救護に派遣されました。その後、課程を修了する前に終戦を迎えたため卒業生が前線に送り出されることはありませんでした。
太平洋戦争終戦とともに海軍賀茂病院は厚生省管轄へと変わり、昭和20年12月に国立賀茂病院となりました。2年後の昭和22年に当時「不治の病」と言われた結核患者のための療養所に転換し国立療養所賀茂病院と改称します。
その後、結核は予防の強化によって患者が減少したため結核診療は終了し精神科を専攻とする精神病院となりました。平成16年には国営終了となり現在の賀茂精神医療センターとなりました。
海軍病院時代を知る人の話によると、木造2階建ての病棟と木造2階建ての衛生学校校舎があったそうです。また、「海軍病院の看護婦は『女の軍隊』といわれるほど厳しく、先輩看護婦も怖かった。衛生学校の廊下や階段は練習生の手によっていつもピカピカに磨きあげられていた」との事です。
残念ながら、木造校舎と木造病棟は精神病院時代に取り壊されており現存しません。
備考 |
・構内は関係者以外立入禁止 ・そもそも遺構も記念碑もないため観光目的で構内に入るメリットはない ・同じく原爆の救護に派遣された賀北部隊がある ・呉市に同じ系列病院である呉医療センター(旧呉海軍病院)がある |
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住所 |
広島県東広島市黒瀬町南方92 |
駐車場 | あり(※面会者以外利用禁止) |
トイレ | なし |
竣工 | 昭和19年 |
公開 | 非公開 |
登山難易度 | - |
サイト | |
分類 | 軍属病院 |
アクセス |
・JRバス「賀茂医療センター口」バス停から徒歩10分 ・JRバス「賀茂医療センター前」バス停から徒歩すぐ ・JRバス「黒瀬高校前」バス停から徒歩2分 |
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