旧呉海軍工廠引き込み線跡
呉海軍工廠引き込み線は呉駅と呉海軍工廠を結ぶ軍用貨物鉄道の線路
引き込み線とは、主要な鉄道路線から分岐して工場や施設内に入るための線路のことです。工場内で製造された物資や機材の輸送や工場への原材料の供給などに使用されます。
また、呉海軍工廠のような軍需工場の場合は、兵站の機能も果たし戦時における物資や兵員の輸送にも活用されました。
呉海軍工廠引き込み線は呉駅から呉海兵団の横を通り下士官兵集会所の前を右に曲がって沿岸部にある呉海軍工廠へ続く線路でした。具体的な建設時期や総延長、使用された車両は不明ですが呉駅開業の明治36年以降と思われます。
しかし、太平洋戦争末期の空襲により呉駅が全壊したため引き込み線の運行は停止され、太平洋戦争の終戦とともに姿を消しました。現在でも呉駅周辺にはその跡地や廃橋梁が残っています。
呉駅貨物ヤード跡
呉駅南側の貨物ヤード跡地
ここに引き込み線の貨物ヤードがあり、貨物の積み下ろしや操車のための13本の線路と貨物用の2つのホームがありました。
戦後もしばらく使用されないまま現存していましたが、近年の再開発事業により廃止され商業施設と道路になっています。
線路跡
貨物ヤード跡地からまっすぐ東南に進み歩道橋をまたぐとあります。
呉線の線路に沿って伸びる歩道がかつての呉海軍工廠引き込み線の線路です。
橋梁
呉海軍工廠引き込み線唯一の遺構
線路は堺川の手前で単線となり、この橋梁を渡って呉海兵団の横を通り下士官兵集会所の前へ続きます。線路はすでに剥がされていますが橋梁とレンガ造りの塀が残っています。
下士官兵集会所前の線路跡
下士官兵集会所前から見た線路跡地
呉海兵団の塀に沿って右へカーブしていた跡が残っています。下士官兵集会所を右に曲がり、現在の国道487号線を通って沿岸部へと続いていきます。
三菱重工業構内への引き込み線跡
こちらは呉駅から見て海軍工廠とは反対側の線路跡
この辺りを含め二河川の手前までが近年まで貨物ヤードであり、現三菱重工業側へ引き込み線の線路がありました。
線路のあった場所は現在道路になっており、シティホール呉中央の駐車場と不自然なカーブになっている辺りに引き込み線の名残が残っています。
備考 |
・橋梁は呉線堺川踏切のすぐそばにあり現在の呉線の橋と並行に架かっている ・となりの広駅にも同じような広海軍工廠引き込み線跡が残っている |
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住所 |
広島県呉市宝町2-37 |
駐車場 | なし |
トイレ | 近くの呉駅にあり |
竣工 | 不明 |
公開 | 常時 |
登山難易度 | - |
サイト | - |
分類 | インフラ、海軍工廠 |
アクセス |
・呉駅から徒歩5分 |
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