甲山防空監視哨跡
世羅郡世羅町の今高野山にあります。
ここには太平洋戦争に今高野山城跡の石垣を使って作られた防空監視哨がありました。甲山(こうざん)とは現在の広島県世羅郡世羅町の旧地名で太平洋戦争中はこの辺りは甲山町と呼ばれていました。
昭和17年4月に日本本土に初めて空襲があったことを受け、今後予想される大都市へを空襲に対し本土の防空態勢を強化する一環として昭和17年夏に作られました。
また、正式名称は『尾道防空監視隊第十三番甲山防空監視哨』といい毎日8名が詰め2名ずつ2時間交代で昼夜通して監視ていました。
広島市に原子爆弾を投下したB-29爆撃機エノラゲイ号を発見した防空監視哨の一つで、原子爆弾投下時の爆音と閃光も目撃しています。
発見後、ただちに呉鎮守府及び陸軍中国軍管区に報告しましたが2機(実際は観測機を含め3機)との報告だったため、偵察と誤認され空襲警報の発令が遅れてしまい大きな被害が出てしまいました。
奥にある城のような建物は戦後に建てられた展望台です。
復元された防空監視哨上部
復元された監視哨上部
広島県内で防空監視哨の建物が残っているのは復元されたものを含めてもここだけです。
展望台から望む世羅町
古城山は標高491mの山で周りの山に比べるとそこまで高くはないですが、防空監視哨が作られたのはやはり石垣を再利用できたためと思われます。
満州開拓碑
龍華寺の境内にあります。
満州への開拓・移民は世界恐慌で深刻な不況受けた昭和11年から国策として進められました。
世羅からは昭和15年から昭和20年にかけて約750人が入植し『第一世羅村』と名付けられましたが、敗戦によるソ連軍の侵攻と元々の土地を奪われた中国人の暴徒に襲われる等で約200人が傷病死しました。
記念碑は昭和41年に建立され毎年慰霊祭が行われていましたが、近年は参加者の減少により開催は不定期となっています。
備考 |
・龍華寺の参道を上がり境内から山頂への遊歩道を行くとある ・ふもとから徒歩1時間程度かかる ・参道に大田庄歴史館と世羅温泉があるので興味があれば観光するといいかも ・同じ尾道防空監視隊の監視哨として三津防空監視哨跡がある ・同じB-29爆撃機エノラゲイ号を発見した防空監視哨として中野村聴音照射所跡と板城村聴音照射所跡がある ・広島県安芸高田市吉田町にも同じ満洲開拓碑として満州高田開拓団殉難之碑がある |
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住所 |
広島県世羅郡世羅町甲山13-9 |
駐車場 | 龍華寺にあり |
トイレ | 甲山営業所バス停にあり、龍華寺にあり |
竣工 | 昭和17年 |
公開 | 常時(展望台は土日祝のみ入れる) |
登山難易度 | やや易しい |
サイト | |
分類 | 砲台跡、記念碑 |
アクセス | ・広島交通バス、中国バス「甲山営業所」バス停から徒歩60分 |
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