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プロファイル
基礎情報
【コードネーム】スカジ
【性別】女
【戦闘経験】十三年
【出身地】エーギル
【誕生日】3月7日
【種族】非公開
【身長】166cm
【体重】■■kg
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。
能力測定
【物理強度】■■
【戦場機動】標準
【生理的耐性】卓越
【戦術立案】標準
【戦闘技術】優秀
【アーツ適性】欠落
個人履歴
スカジはバウンティハンターであり、現在はロドスに雇用されている。かつての任務では、対大型生物戦、ハードターゲット破壊、堅塁攻撃戦、殲滅戦等多様な作戦において高い実力を発揮した。過去の戦闘経験との関連があると推測する。
バウンティハンターになる以前の履歴は無し。
現在はロドスの某堅塁攻撃小隊に配属され、同時に単独任務予備執行オペレーターの一員でもある。
健康診断
造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。
【源石融合率】0%
鉱石病の兆候は見られない。
【血液中源石密度】0.013u/L
何だ?どういうことだ?どうして!?ま、まるで温室から出てきたばかりで、源石とはどんな接触もしたことがないかのようです!数値が低いどころの話じゃありません。はっきり言ってあり得ません!
私はオペレータースカジを医療部から手放しては絶対にいけないと思います。絶対に。たとえ作戦小隊と戦うことになるとしても、この意見は曲げません!彼女は特例中の特例です!生物学と医療科学を愛しているオペレーターで、スカジの体の神秘を探りたくない者などいません!我々には彼女への更に多くの測定が必要です!それから、彼女の全ての解析と、臨床観察を要求します!それから、それから……
違います、ケルシー先生ッ、今回だけです、お願いします!
――医療オペレーターJ.A.
申請は却下した。
――ケルシー医師
第一資料
オペレータースカジは多くの一般オペレーターからはあまり歓迎されていない。
彼女は人から離れ1人でいることが多く、口数は少なく、いつも他のオペレーターとの交流を避けているようで、彼女と面識のある者は少ない。
また、戦闘中のオペレータースカジは隊員と協力することは少ない。オペレータースカジが単独で任務を解決し、他の隊員に後始末をさせるようなことが多く、このことから多くのオペレーターの彼女への不満が生まれるのだ。
これに加えて、彼女の他人を拒否するときの冷たい言葉と、戦場でのやや残酷な印象とが相まって、オペレーターの間ではスカジの化け物じみた噂が流れている。
アーミヤはこの噂を広げることを禁止したが、人の口に戸は立てられぬもので、かえってどんどんと誇張していってしまった。
その後流れた噂では貶すような部分は排除され、代わりにスカジの実力と秘話が強調されるようになった。
現在、実情を知らない一般オペレーターからのオペレータースカジに対するイメージは、天災に似たものである。
第二資料
特筆すべきは、オペレータースカジの戦闘スタイルは確実に異端かつ危険であるということだ。
エンジニアオペレーターたちは何度もオペレータースカジの佩剣のリバースエンジニアリングを試したが、この試みは基本的にすべて失敗している。差し当たって確実なのは、この剣の材質は特殊なものではなく、製造方法が解析し難い特殊なものだということだ。遠く離れた地区で生活しているとあるエンジニアオペレーターの指摘によると、彼らは貿易で似たような武器を見たことがあるが、出所がどこなのかははっきりしていないという。
一般人には扱い難い巨大な剣を持つスカジを、戦場で阻むことは出来ない。重装甲を装備し自身を守る大多数のオペレーターとは違い、彼女は巨大な剣でのブロックと自身の肉体の強度を頼みにして、十分多くの敵に対抗することが出来る。
もしスカジの体質が人を震え上がらせるというなら、そんな彼女による破壊は更に常軌を逸している。
スカジと同じ任務に出撃し帰還したオペレーターで、報告書の中で過度にスカジの身体能力を誇張し、オペレータースカジがおとぎ話や伝統的な民謡に出てくる怪物のように変わってしまっていることはよくある。
スカジはこういった評価は気にしないが、ロドスへ報告する際、自分が得意とする戦術が妨害されやすいことに不平を言っており、現地の財産の破壊を最小限に抑えるという基準順守の実現はやはり難しそうである。
客観的に言えば、オペレータースカジは大量の敵に立ち向かうのは実際に得意とするところだが、彼女に必要な行動のうちの不必要な破壊は、必ず阻止しなければならない。例えば、市街区の建築物の粉砕、保護対象物の金属製防護壁を誤って引き裂いたことによる対象物の漏洩、単独で目標の要塞を攻撃したことによる谷の崩壊等だ。
彼女の一連の動作は近接オペレーターのスペクターと酷似している。
あわせて、スペクターと同様に、スカジはアーツに対しての知識が極度に欠如している。当然、スカジにとって、目標を早めに解決しておくのは最も効果的な戦い方だ。
この考えが、オペレータースカジの不確定要素の高さの一因だろう。彼女は任務規則の遵守や命令を受けるという方面では正しい行動をしているが、猛然と作動する大型機械さながらの彼女の戦闘スタイルは当然制限されるべきだ。
もちろん、任務の中にはロドスが彼女のこういった力を必要とするものもあるが。
第三資料
【オペレータースカジが巨大な剣を振るって装甲を切り裂き、守りを粉砕し、砦を切り崩したときの動作はかなり誇張されている。まるで戦場で異国の踊りを舞っているかの如く、オペレータースカジは目の前の敵を打ち負かしているのではなく、なにか遠く及ばない巨大な存在と戦っていたようだった、と言うように、彼女の姿も身勝手に歪曲されている。】
こういった報告内容は基本的に受理されない。詩的な描写は戦闘報告には全く不要である。
しかし無下に否認できないのは、戦闘時のオペレータースカジは理解しがたい姿であり、多くのオペレーターを困惑させるからだ。他にも似たような原因が多くあり、スカジはロドスのオペレーターの集団からますます距離を置かれているが、単純に任務を遂行する際の習慣なのだ。
あまり表に出さないオペレーターもいるとはいえ、スカジともっと交流したい、もっとロドスに馴染んでほしい、と思っているオペレーターは少数だ。
実際、多くのオペレーターは知らないが……スカジ本人が他人と関わらないようにしている理由はただ一つ、「他の人を危険に巻き込みたくない」からだ。
スカジは、自分と親しくなった人は最後にはみな不測の事故に遭遇しているので、友を守るために二度と友を作らないと決めた、と言っている。
疑わしく感じられるかもしれないが、オペレータースカジがロドスの規則を遵守している状況もあり、ロドスは彼女の選択を尊重する。
無論彼女の出身も行動も、身体も経歴も、オペレータースカジの身の上は依然として謎ばかりである。
ただ、スカジが甲板のふちで歌を歌っている光景を見かけるオペレーターがたまにいる。歌詞は理解できないが、目撃したオペレーターの証言によると、低く、ゆったりとしていて、どこか感傷的な歌だったという。
第四資料
私、スカジさんといっぱいお話ししました。
彼女は完全に私を信じていませんでしたし、協力的な態度でもありませんでした。ですが、私は折よく彼女の要求を見抜いていましたし、ロドスは彼女を満足させられる能力を有しているとも思っています。
私は彼女に情報交換の意義を説明しました。乗り気ではありませんでしたが、スカジさんは答えてくれました。自身に関する部分の情報を提出することに同意したのは、彼女が情報を集めるためのロドスへの報酬だとみなします。ですが、実力も自家保険能力も備わっている団体が彼女を進んで助ける時、彼女は懐疑的になるでしょう。
そんな風に思う理由はとても単純で、実は彼女にとっては自身の問題を解決することが非常に重要だからです。
お話し中、私はドクターに代わって、とある許可を出しました。(もしドクターがだめだと思っても、少しだけ我慢してください。とても重要な話なんです!)それは、もしロドスが未知の危険にさらされたら、かつロドスが抗いきれないかもしれなかったら、ロドスはスカジさんを手放すというものです。
私なりにこんな結論を出してみました。
まず、かなり厳密な秘密組織がスカジさんと密接な関係を結んでおり、その組織は敵意が強く根深いだけでなく、暴力的な手段を得意としています。
そして、その組織が巻き込んだのはおそらくスカジさんだけではないでしょう。スカジさんの発言からすると、組織はスカジさんを使って実験をしていたんじゃないかと思います。或いは、スカジさんに少しずつ近づき、何かさせようと誘導しているのか、もしくは組織がしばらくの間処理することができなかったか、スカジさんを処理する時間がなかったか、それかスカジさんを精神的に攻撃しようとしているのか、絶好の機会を伺っている、といったところでしょうか。
スカジさんも、自分はとあるものを探していて、こんなものでも悲劇が起こるのを止められるかもしれない、と言っていました。
そんなスカジさんのどこが一匹狼に見えるのでしょう?重い負担を引き摺って、寄る辺のない流浪人ですが……、あっ。スカジさんの昔の流浪は、一種の逃亡ですが、この逃亡はきっとスカジさんのささやかな反抗でしょう。
私の意見ですか……
私は、ドクターがスカジさんに対してきちんと責任を持つのなら良いと思います。オペレーターの要求を独断専行で受け入れるのは、信頼を育むのに必要な流れとは言えないのではないですか?ええ、ケルシー先生はきっとこの点に関しては同意しかねるでしょう。もし私が言っていることが理解されれば、おそらく私は艦橋につるされて晒し者にされるでしょうね。
――■■■
昇進記録
あー、オホン。みな揃ったな。
いま着席しておる医療オペレーター各位がこの秘密の会議に参加した目的、妾とて分かっておる……いや、はっきりと理解しておる。
みな……スカジへの興味が尽きない、そうであろう!
内分泌器系と外皮系は無論のこと、骨格や筋肉、神経系、ほぼ完璧に0%であるアーツ適性に至るまで……
いったいどのような生活環境がこのような体躯を作り上げたのか?彼女はいったいどんな種族の出身なのか?彼女は妾達の理解を超える運動機能と身体機能を有しておるが、いったいどのようなからくりなのか?
そう、そうなのだ……
スカジを覆っている秘密は、実に多い!
ロドスの為に、あらゆる感染者の為に、医療科学の為に……妾達は必ず答えを知らねばならぬ!
妾の作戦はこうだ。スカジの食事中に、睡眠薬を盛って……具体的な投与量は検討してもよいな、大体200人分ほどが妥当かと思うが、どうだ?
そして、前後不覚のスカジに手を貸し、最寄りの医務室に運ぶ……移動はこれで完了だ!
ふむ、解剖するのは大変だろう。だが妾達はケルシー先生が保管しているよりも更に多くの資料を有しておる!これさえあれば……!
たとえ血液だけでも構わぬ!少しの血でも問題ない……わずかな筋線維でもな?そう、何も問題はない!妾はそう思う!
医療オペレーター各位、みなも……
あ。
け、ケルシー先生?い、いつの間に……
――医療オペレーターワルファリンの企てはケルシー医師によって明らかになった。会合は解散、あわせてその月の減給処分が下された。
ボイス
ボイス(デフォルト) | |
---|---|
秘書任命 |
あなたのために言っておくけど、私からは少なくとも2メートル以上離れることね。勿論話しかけてくるのもなし……危険な目に遭わせるわけにはいかないから。 |
会話1 |
私の履歴書は見た?散々だったでしょ。そうね、私をそばに置くと、あなたは面倒事に巻き込まれることになるだろうし、私だって困るのよ。 |
会話2 |
私の髪が長くて綺麗ですって?まぁ、そうね、ありがと……触ってみる?柔らかくてサラサラなはずだから。これにはちょっと自信があるの。 |
会話3 |
あれは、もしかして……いや、今はスペクターと名乗ってるんだったわね。シスターの格好なんてして一体どういうつもり?記憶がない?それは厄介ね……ドクター、彼女には気を払っておいてね。自分の本当の役目を忘れるなんてダメに決まってるわ。 |
昇進後会話1 |
まったく、あなたという人は本当に頑固ね……これじゃ私、もう全力であなたを守るしかないじゃない。 |
昇進後会話2 |
遠方へ広がる蒼、優しく砂を撫でる白き煌めき、その下にはかつて私が愛したすべてが眠っている。怖いの、厄災がまた私の大切な人を奪っていくのが。だから逃げることを選んだの。みんなが……私のせいで傷つかないように。 |
信頼上昇後会話1 |
よし、今日もまた平和な一日だったわね!仲間を巻き込む巨大な触角もなければ、影に隠れた両手血まみれの狂ったモンスターもいない……戦場に出るだけなら、そうね、気が楽だわ! |
信頼上昇後会話2 |
伝説によると、私の一族はあの厄災と長きにわたって戦ってきたと言うわ。もしかすると、私たちが街に住むあなた達に迫る厄災を陸の外に食い止めていたのかもしれないわね……。だとしたら、私に一杯ご馳走して、感謝の気持ちを示すべきなんじゃないかしら? |
信頼上昇後会話3 |
長い長い暗闇を抜けて、ようやく水面を割る——目を開くと、滴るように輝く満天の星が眼窩に飛び込み、果てしなく広がる波が頬をなでる。零れた涙は、故郷と同じ潮の味がした。——それに比べて、ロドスのバスタブは狭くて浅い……いつかあなたにも、私の海を知ってもらいたいわ。 |
放置 |
ドクター、眠ってるの?おやすみ。水に追われることのない、いい夢を見られるといいわね。 |
入職会話 |
私はスカジ、バウンティハンターよ。あなた、本気で私を雇うつもり?私がいれば、厄災を招くかもしれないのよ? |
経験値上昇 |
これがあなたたちの戦い方ってわけね……ダーッと行って、ドンッと倒して、パパッと片付ける!なるほど、覚えたわ。 |
昇進Ⅰ |
これがロドスのみんながよく口にしてる「昇進」ね。悪くない感触だわ、まるで本当に強くなったみたい、ええ、多分ね。 |
昇進Ⅱ |
そんなに求められると、結構困るのよ……。でも、もしその覚悟があるのなら、私と一緒にあの果てしない闇と向き合う準備をしなさい。 |
編成 |
チーム戦はわりと得意だけど、ただ……。 |
隊長任命 |
みんなの命を私に預けるということかしら? |
作戦準備 |
相手が人間なら、あまり手応えはないかもね。 |
戦闘開始 |
私が戦ってきた厄災と比べれば、全然大したことないわ。 |
選択時1 |
あなたに従うわ。 |
選択時2 |
単独行動は慣れてるのよ。 |
配置1 |
深海の舞を見せましょう。 |
配置2 |
油断は禁物よ。 |
作戦中1 |
水面に漂う海草の奥に、何が潜んでると思う? |
作戦中2 |
この剣の過去、知れば震え上がるわよ。 |
作戦中3 |
この身に纏う悪夢よ、唄え。 |
作戦中4 |
またたきせずに自分の死に様を見届けることね。 |
高難度作戦クリア |
なんとか生き延びたわね。 |
★3で戦闘終了 |
敵がなんと言おうと、どんな考えがあろうと、私には関係ない。どう倒せばいいかという事にしか興味ないわ。 |
★2以下戦闘終了 |
腕がなまったのかしら?そんなことじゃ報酬が減るわよ。 |
作戦失敗 |
この程度の不幸なんて、まだ始まりに過ぎないのよ。 |
基地配属 |
周りに誰もいない部屋をお願い。 |
タッチ1 |
あっ、帽子が! |
信頼タッチ |
ちょっと近いわ……ちゃ、ちゃんとあなたを守れる自信がないのに! |
タイトルコール |
アークナイツ。 |
挨拶 |
身の安全には気を配って、ドクター。 |
逆理演算
純粋な強さ / カジミエーシュ・洞窟
他人との協力を拒む者のほとんどは、自身の実力を過大評価した者であるが、スカジはその限りではない。どれほど強大な敵であろうと、彼女の大剣を前にすればひとたまりもないのだから。
一人で尋常ならざる敵たちに立ち向かう彼女を、どうか安心して見送ってほしい。いくらアビサルハンターという言葉に馴染みのない者であっても、彼女の戦う姿を見たならば、それが純粋な強さを示す肩書きであることを思い知らされるだろう。
コーデ
デフォルト(昇進0)
オペレーターの普段着。
実用性は制服に劣る部分もあるが、オペレーターが最も着慣れているコーディネート。
デフォルト(昇進2)
昇進後調整された服装。
オペレーターの経験に基づき細部の改善が図られ、より作戦に特化したものとなっている。戦闘向きでありながら、オペレーターが着慣れている服装を極力再現した。
CoralCoast/III - ウェーブライダーWR04
スカジの海辺での束縛。
MARTHE [CoralCoast]「ウェーブライダー」モデル04。エーギル人のために作られた水着。海の精霊は、ビーチにいてもその輝きで周囲の視線を独り占めできる。
海の中で生まれたハンターは今になってもさっぱり分からない。地上の人間が着るような奇怪な服を、なにゆえ自分も同様に着る必要があるのだろうか。
Marthe/V - 次のおやつは
スカジの普段着。
MARTHEスポーツウェアニューモデル/次のおやつは。タイトなデザインに加え、水中でも軽やかな動きを実現できるよう、疎水性の素材を使用。陸地に住むエーギルのための一着である。
今日の頑張りはここまでにして、街に出ておやつと飲み物を買って、家に帰ってのんびりした午後を満喫しよう。食べるものに変化はあれど、それを楽しむ人は以前と寸分変わらず、ゆったりと構えている。
モジュール
ORIGINAL / スカジの記章
スカジは長剣を用いた戦場への切り込みに秀でている。
外勤部門の決定に基づき
外勤任務においては前衛オペレーターとして区分し、勇士の責務を担う。
特別に本記章を授与し、
その証明とする。
DRE-Y / 湿ったソードバッグ
スカジは水に沈んだ。
肌は再び潤いを取り戻し、慣れ親しんだ塩辛い水が口に流れ込んだ。
彼女は目を開いた。
この深さならば、まだ海面の上にある太陽や周囲を泳ぎ回る海洋生物を見ることができる。
もうしばらくここに留まりたかったが、身体は沈み続ける。水流が彼女を引っ張り、海の奥へと誘おうとしているようだ。
スカジはそれに抵抗しなかった。
次第に海面から差し込む光が消えていき、周囲は暗闇に包まれた。水の圧力も徐々に強まり、水流と音からしか、辺りの状況を判別できなくなった。
しかしスカジは、この状況に安らぎを覚えた。ここは一番慣れ親しんだ環境なのだ。アビサルハンターとして僚友たちと任務に就いていた時は、いつもこのような海域でシーボーンを屠っては、光をたどり海底の街へと帰還していたものだ。
しかし今となっては、スカジの周囲には冷たい海水があるのみだった。
彼女はそれに寂しさを覚え始めた。
……
まもなく海底に到達するだろう。海底都市はいつもそこで見え隠れしていたはずだ。
どれほど昔だろうか、これらのエーギルの奇跡的な技術は、海底全域を明るく照らすほどのものだった。しかし思い出に残っているのは、せいぜい都市群の光だけだ。
それに……
都市はいつの間にか、彼女にとって遠く、得体の知れないものに変わってしまっていた。
スカジは海に属していながら、あの場所には属さないのだ。
彼女は海底に倒れ、動きを止めた。
彼女は孤独を感じた。
……
唐突に、海中に歌声が響いた。
文字にも、感情にも囚われない、自然な歌。
彼女はそれを確かに聴いた。
周囲の「生物」が、声をたどってやってきた――
際限なく、どんどん増えていく。
そして、エーギルの寂れた明かりの中、「それら」が姿を現わした――
恐魚、シーボーン、そして海中の大いなる存在。
条件反射的に、スカジは身を起こした。彼女の手には、いつの間にかエーギルの長剣が握られていた。
スカジは直ちに周囲の水流を掌握し、その勢いを借りて怪物の群れへと突撃した。それに追従するように、いくつかのおぼろげな影も共に海中を駆けた。どの影もスカジと似た服を身にまとい、手にはそれぞれ巨獣を屠るための武器が握られていた。
その瞬間、スカジは感じた――
パチン!
スカジは目を覚ました。身体はベッドに横たえられており、そばには忙しそうに稼働する医療機器が設置されていた。
ロドスのメンタル医療オペレーターが真剣に医療機器に表示される数値を見つめている。鳴らしたばかりの指はまだ宙ぶらりんで、もう片方の手で何かを書き連ねている。
「スカジさん、ご気分はいかがですか?」
「そうね――
最高よ。」
DRE-X / 在りし日の夢の名残
スカジはある夢を見た。その夢の中の景色は、この上なく美しかった。
果てしなく広がる星空は、海をそのまま映したかのようで、点々と空に並んだ星々は、深海に揺らめく灯火のよう。
空気はあまりに湿っていて、強い浮力すら感じさせた。
手を伸ばし、優しく空気をかいてみれば、ふわりと身体が浮き上がったかもしれない。
周りを見れば、たくさんの人が両手を広げて夜空を泳いでいる。誰もが自由で、平和な光景だった。
しかしスカジは空を泳ごうとせず、海岸に腰を下ろしたまま、柔らかな波に時折靴を撫でられながら、静かにその光景を眺めた。
肌身離さず持ち歩いている大剣は彼女のそばに横たえられて、その反対側には、赤い舞台衣装を着た少女が座っていた。
少女の被った大きな帽子のせいで顔を確かめることはできなかったが、自分と同じで柔らかく長い、白い髪をした彼女に、スカジは親近感を覚えた。
夢というものが得てしてそうであるように、この夢には確かな起点は存在せず……
これは夢だとスカジが気付いた時には、すでに少女はそこにいた。
「あなたは、ハンターなのかしら?」
赤を纏う少女がそう尋ねた。その声はどこか遠くから響いているようで、とても美しかった。
「ええ。」
「それなら、狩りが好きなの?」
「いいえ、そんなに。だけど、恐ろしい生き物がいつも同胞たちの命を狙っているから、誰かが戦わないと。」
「同胞を守るために、ほかの種族を狩っているということ?」
「そういうことになるかもしれないわね。」
それを聞いた少女は、真剣な声で問いかけた。
「だったら……どうして、全員『同胞』同士にならないの?」
スカジはその問いに、別の問いを返した。
「あなたのいるところでは、みんなが同胞同士なの?」
少女は長い沈黙のあと、ようやく頷いた。
「私のところでは、互いに狩り合うようなことはないもの。」
「じゃあ、普段は何をしているの?」
「歌う以外は、何もしていないわ。」
「あなたの故郷のほうが平和そうね。」
「ええ。あなたが今見ているようにね。」
少女は細い指を伸ばし、遠くを指した。
視界の果てに、海面と夜空を分かつ線は見当たらなかった。すべてが一つに融け合い、一切の隔たりが消えていたのだ。
「そろそろ行くわ。さようなら。」
スカジは剣を手に立ち上がった。
「狩りに行くの?」
「目を覚ますのよ。まあ、目が覚めたら――そうね、狩りを続けるわ。」
「……あなたがいつか、そんな命運から逃れられますように。」
「そんなことが叶うなら、ね。」
……
それは、まだエーギルにいた頃見た夢だ。
ほかの夢と同じように、記憶の欠片となって奥底に埋もれたその夢は、サルヴィエントで赤い舞台衣装に袖を通した時ですら、沈黙を保つばかりだった。
「こうして見ると、なんだか少しもハンターには見えないわね。」
スカジは鏡の中の自分を見て、そう独りごちた。
「今のあなたは、誰なのかしら?」
印
スカジの潜在能力強化に用いられる。
故郷の言葉を使って記された楽譜。こういった文字は全く理解できないが、彼女は本気でこの歌を教えてくれるつもりなのだろう。
指名券採用
じめっとしたところから、からっとしたあなたのそばに。
バウンティハンター・スカジ、潮汐を辿ってあなたの敵を飲み込む。
紹介文
省略
登場ストーリー
メイン | |
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