ガンダム・センチネル |
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小説 |
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著者 | 高橋昌也 |
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イラスト | かときはじめ |
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出版社 | 大日本絵画 |
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掲載誌 | モデルグラフィックス |
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発売日 | 1989年9月(ムック) 1990年7月(小説) |
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刊行期間 | 1987年 - 1990年 |
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その他 | メカニックデザイン& キャラクターデザイン:かときはじめ 監修:あさのまさひこ |
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■テンプレート使用方法 ■ノート |
『ガンダム・センチネル』(GUNDAM SENTINEL)は、ガンダムの模型(ガンプラ、プラモデル、ジオラマ)に関連した、雑誌の連載企画、小説、フォトストーリー。
大日本絵画社発行の月刊模型雑誌『モデルグラフィックス』誌上に於いて1987年9月号から1990年7月号まで連載(小説パートは元ストリームベースの高橋昌也)され、1989年に総集編+新作模型作例掲載の別冊ムックが発売、1990年には完全版の小説『GUNDAM SENTINEL ALICEの懺悔』が発売された。
企画の進展[]
元々の企画はバンダイから『モデルグラフィックス』(以下MG誌)編集部へ発注されたものだった。『機動戦士ガンダムΖΖ』終了から『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の公開までプラモデルのラインナップに空白が発生してしまうため、かつてのMSVシリーズに準じた形の、いわば「つなぎ」の企画としてスタートした。MG誌編集部は『ΖΖ』でデザインワークに参加しており、その縁からの依頼だったと推測される。企画は『ガンダム・センチネル』と名付けられ、あくまで模型誌との連動を行い、新ガンダム(後のSガンダム)等、数点のキットを発売するというものだった。
1987年7月にガンプラ新シリーズ『ガンダム・センチネル』第一弾としてフルアーマーΖΖガンダムが発売された。フルアーマーΖΖガンダム自体は『ΖΖ』46話に登場した機体だが、キットは番組登場時のものではなく、MG誌に掲載された1/100キット改造の牛久保孝一による作例に準じたもので、テレビ未登場の大型ビームランチャーを装備した白一色のカラーリングとなった。なお、キット化第2弾は1/300クィン・マンサ、第3弾がスプリーム・ガンダム(後のSガンダム)となる予定だった。
ところが、『逆襲のシャア』関連商品の製品化が当初の予定よりも前倒しになったため、「『ガンダム』を冠する2種類の新シリーズ商品が市場に並んでユーザーが混乱する事を避ける」というバンダイ側の理由から、センチネルシリーズのプラキット化はフルアーマーΖΖガンダムのみで一時凍結(事実上の中止)となった。
この事態に、MG誌編集部のスタッフだったあさのまさひこは、再商品化を目指すべく、企画をMG誌編集部に引き揚げ、模型誌の連載として『センチネル』を再始動させる。純粋な模型誌の読み物として再構成し、『月刊ニュータイプ』の協力を得て、1987年8月号のガンダム特集で自ら『センチネル』のプロパガンダを行った。記事中には庵野秀明原画のゼク・アイン、ネロ(準備稿)やかときはじめによるSガンダムの概念図等が掲載された。
そしてMG誌1987年9月号より連載が開始される。高橋昌也によるノベライズ、かときはじめによるマニアのツボをついた精緻なデザイン、あさのまさひこ監修によるレベルの高い作例を軸に、ガンダム世界の「リアル」をとことん突き詰めたセンチネルは高い人気を得て、3年に渡る長期連載となった。また、模型業界の事情や、モデラーやユーザーの意識を問う記事、模型雑誌としては異様とも言える様々なコラム、かときはじめによる実際の航空宇宙技術開発の解説を踏まえたMSのメカニズム解説、最初は冗談企画だったという、明貴美加による「モビルスーツ少女」など、多様な記事が掲載された。また、読者と企画側の間で熱い意見が交わされた読者投稿コーナーの常連からは後に、何人もの模型ライターが誕生しているなど、模型業界を始めに多方面に大きな影響を与えた。
人気の高まりを受けて『逆襲のシャア』シリーズ終了後にキット化が再開。Sガンダムとそのバリエーション2種、Ζプラスの計4種がキット化された。キット発売以降は当時のキットが未消化だった部分のフォローを中心とした展開が行われ、それに併せて商品化未定のMSやパーツ等をMG.O.C.K.(Model Graphix Original Cast Kitの略称)ブランドからガレージキットとして販売した。雑誌作例として製作された高度な立体物をそのまま、あるいは更なる改修を施した形でユーザーが手に出来るキットとして、ゼク・アイン、ガンダムMk-V、ネロ等が発売され、好評を博した。
1989年には、これまでの集大成として別冊(ただしそのボリュームから雑誌コードは無く書籍扱い)『GUNDAM SENTINEL〜THE BATTLE OF "REAL GUNDAM"〜』が刊行された。新MAゾディ・アックの登場など誌上連載のフォトストーリーは大幅に加筆・修正され、最新版の設定資料、リファインEx-Sなど新作を含むセンチネルモデラーのワークス体制による模型作例、スタッフのインタビュー記事が盛り込まれた「模型雑誌の別冊相当の書籍」としてはこれまで類を見ない程の情報量を持つまさに「情熱」の集大成でもあった。小説パートはレイアウトの都合上文字が小さく読みにくいものとなってしまったこともあり、翌年にムックではカットされた部分を加え『ガンダム・センチネル ALICEの懺悔』の題名で書籍として刊行されている。
なお、ムック発行後のMG誌連載分(センチネル0079含む)は「連載を支えてくれた読者へのサービス」と位置づけて、「ムック化は行わない」と宣言されており、掲載誌は高額で取り引きされている。
現在でこそSDガンダムシリーズに登場するなどほぼ公式作品として扱われているが、連載当時はMG誌創刊時のゴタゴタの遺恨やあさの達スタッフの挑発的な制作姿勢もあって業界内でも否定的風潮が強く、競合模型誌はもちろん他メディアでも前述のニュータイプ誌など一部を除いてほとんど採り上げられなかった[1][2]。
概要[]
スクラッチビルドで製作された数々の模型の画像に特殊効果を加えて作られたSFXフォトと、ノベル・ストーリーを軸に、一側面としてプラモデル商品化を目指して展開された。
模型先行であることを生かし、「立体物、あるいはメカ、空間兵器としての、現実性やグラフィックを追求する」といったことが当時の作家陣によって度々謳われている。一方であさのまさひこ、かときはじめ(現カトキハジメ)らによる設定画稿は、模型作品をフィードバックしながら進められたため幾度も改稿されている。また、「機体ごとの最初の模型作例ができるまでは公式設定は存在しない」とも言われた。
特に、そのSFXフォトは、コンピューターによる画像処理やコンピュータグラフィックスが一般的ではなかった当時としては大変に斬新なものだった。「画像をどのようにして作り上げているのか」については連載当時は「同業種に安易に模倣されるのを避けたい」という理由で公開されず、正に「これまで誰も見たことがないし真似もできない」ものとして企画内容共々「ガンダム・センチネル」という“存在”の名を高めることに貢献している。また、SF考証にも力が入れられ、モビルスーツの動力や兵装の仕様について「ガンダムセンチュリー」で提示された各種設定をベースに当時としては最大限踏みこんだ解説がなされ、スペースコロニーなど現実世界に存在する概念については、現実の科学情報を織り交ぜて説明している。
アニメ作品が主体の「ガンダム」シリーズにおいて、模型主導のメディア展開を行ったという点ではいわゆるガンプラブームの中心となったMSVに近い企画と言える。モデラーを中心に根強いファンを生み出すと同時に、この企画終了以降の模型誌の作例を含めガンプラの作例などに多大な影響を与えており、企画・連載開始から20年以上も経過しているにも拘らず本作品に対してトラウマというモデラーが数多い。特にカトキのデザインしたメカは高い人気を誇り、その幾つかはバンダイからプラモデル、完成品トイとして発売されている。
プラモデルの販売促進を目的にしたプロモーションビデオとして、アニメ化する企画も存在した。MSとストーリーを15分程度で紹介するもので、全国の玩具店や模型店に配布される予定だった。しかし、これは諸事情からか実現していない。『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』とは共通する要素が多く、前記のアニメ化企画を発展的解消して制作されたと噂されるほどである。
なお、この作品はTV版『機動戦士Ζガンダム』の世界観の延長にある物語であるが、後年制作されTV版とは異なる結末となった劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』とは繋がらない部分がある。
小説パートを担当した高橋は、別冊のインタビューにおいて「富野監督はΖで幕末をモデルにして幕末の話をしようと見えたから、センチネルは露骨に幕末の話にした」と語っている。ニューディサイズの組織名は新撰組の意訳で、ニューディサイズの主要人物の名前は、新撰組をはじめとする江戸幕府の関係者から、α任務部隊側では維新志士たちを元にしている。さらには物語中の舞台である月面都市「エアーズ市」は会津藩を、低軌道連絡宇宙ステーション「ペンタ」は五稜郭をモデルにするなどしている。
物語[]
本作の舞台は『Ζガンダム』の終盤、グリプス戦役末期の宇宙世紀0088年1月25日から同年4月5日。後にペズンの反乱と呼称される。
小惑星基地ペズンに駐留する地球連邦軍教導団の中で、ティターンズ寄りの地球至上主義(アースノイド主義)の思想を持つ青年将校たちがニューディサイズを標榜して武装決起し、シャア・アズナブルによるダカール宣言以後エゥーゴ寄りの姿勢となった地球連邦政府に反旗を翻した。
対する連邦政府は、グリプス戦役終結時に大多数の戦力を温存していたネオ・ジオンとの衝突を前に早急に連邦軍内部の意思統一を図る必要があり、ニューディサイズはそのための最大の障害であると判断して討伐隊を派遣することを決定する。しかしネオ・ジオンとの戦いを前に大兵力を投入する訳にはいかず、アーガマ級新造巡洋艦ペガサスIIIとSガンダム・FAZZ・ΖプラスといったガンダムタイプのMSを中心とする少数精鋭(実体はニューディサイズの戦意喪失を期待した張子の虎)のα任務部隊が宇宙に送り込まれた。
登場人物[]
テンプレート:節stub声優は『SDガンダム GGENERATION』シリーズによる。
名前について[]
本作の登場人物は幕末の人物をアレンジしており、以下のような命名法則からそのモデルを推察することができる。
α任務部隊[]
リョウ・ルーツ声:藤原啓治22歳、少尉(野戦任官[3])。Sガンダムの専任パイロット。同機に搭載された戦闘AI「ALICE」の開発者を母に持つ。父は一年戦争で戦死、母は「ALICE」開発に全てを捧げる余り謀殺された経緯から、組織の枠組みを嫌うとことん反抗的な性格に育った。その「ALICE」に感情を学習させるためのサンプル(コードネームはチェシャ猫)として、「常識では計れない不条理な男」であることを理由にSガンダムの専任パイロットに選ばれる。入隊した当初は軍を都合の良い職業訓練校としか見ておらず、戦争をヒーローごっこと同列に扱う幼稚な面があったものの、幾度の死の恐怖や、上官であり超えるべき壁でもあったマニングスの死を経験し少しずつ成長する。粗暴な男というイメージがあるものの、いがみ合っていたチュン・ユンの危機を救い、ガンダムMk-Vに対し仲間をやられたことを怒り、ガンダムMk-Vとの戦いの後に死の恐怖に駆られガンダムの搭乗を拒むものの、マニングスに乗らなければ仲間が死ぬと言われ搭乗するなど仲間思いの一面もある。又、本能的にではあるが、「ALICE」の存在に気づいていた節がある。シン・クリプト声:塩屋翼22歳、中尉(野戦任官)。FAZZ隊隊長。α任務部隊へ配属される前はSガンダムパイロット候補の一人として実験MS部隊に所属しており、リョウとはその時からの悪友。ガンダムMk-Vとの戦闘により機体と2人の部下を失い、対ゾディ・アック戦ではGアタッカーのパイロット(Sガンダムの射撃手)を担当。最初の頃は戦果が上げられないことを悔しがっており、「戦闘狂だ」と周りの熟練パイロット達とトラブルになっていたが、対Mk-V戦での惨敗を経て成長し、後にはリョウの無神経な発言をたしなめる場面もあった。テックス・ウェスト声:川津泰彦25歳、少尉。Ζプラスのパイロット。地上組織であるカラバ出身ゆえに最初の頃はバカにされていた[4]。対ゾディ・アック戦ではGボマーのパイロット(Sガンダムの索敵手)を担当。観察力に長け、時には臆病と思われるほど穏やかな性格だが、リョウの無神経な発言に反応したり、投降してきたエイノーの余りにも身勝手な言い分に激怒、その顔面に鉄拳制裁をするという気性の激しい一面も持つ。シグマン・シェイド21歳、少尉。Ζプラスのパイロット。テックスとコンビを組む。寡黙な努力家で、月面で被弾した後は何時間もシミュレーターに篭っていた。ジョン・グリソム少尉。シンの部下としてFAZZのパイロットを務める。イーグル・フォール作戦において、ガンダムMk-Vに撃墜され戦死。ロバート・オルドリン少尉。グリソムと共にシンの部下としてFAZZのパイロットを務める。イーグル・フォール作戦において、ガンダムMk-Vのサーベルの一撃を受け戦死。チュン・ユン30歳、中尉。ペガサスIIIのネロ隊隊長。経験も技量もない新人パイロット達、特にリョウとは事ある毎に反目し合うが、そのリョウ達にエアーズ市降下作戦の際、絶体絶命の窮地を救われた事で打ち解ける。対ゾディ・アック戦ではテックスに代わりΖプラスに搭乗、ゾディ・アックのメガ・カノンから合体するSガンダムの盾となり散った。ストール・マニングス声:大塚明夫36歳、大尉。α任務部隊のMS部隊の指揮官。叩き上げの鬼教官としてリョウ達を鍛える。一年戦争時にはサラミス級巡洋艦「マリアナ」所属の第120ジム中隊の一員としてジム後期生産型に搭乗し、ソロモン攻略戦に参加した。この戦闘中に敵MS部隊に包囲されていた僚友・トッシュを庇い被弾し右足を失うも、以降は義足を付けて軍務に服した。終戦後はトッシュと共にサイド1のコロニー駐留部隊のMSパイロットとして赴任した。宇宙世紀0088年1月、α任務部隊のMS戦隊指令として着任。そのMS戦隊の大半が新兵で構成されていたため、作戦立案だけではなく、パイロットの訓練も併せて実施することになる。隊内でもALICEの存在を知る数少ない1人で、それ故に「チェシャ猫」として選ばれたパイロットであるリョウを特に気にかけ鍛えていた。作戦面でもペズンの発電衛星であるSOL7804撃破作戦や月面降下作戦等を立案し、実戦経験の無いヒースロウを補佐する。月面降下及びエアーズ市制圧作戦「イーグル・フォール」の後、α任務部隊は大きく戦力の疲弊したペガサスIII一隻でニューディサイズ(ND)への追撃を強いられることになり、自らもパイロットとしての出撃を考えていたようである。ネオ・ジオン部隊による妨害工作を退け、ペンタを占拠したND部隊を攻撃中、ペガサスIIIはゾディ・アックの攻撃を受ける。これを受け独断で訓練機ネロ・トレーナーに搭乗して出撃、機動力を生かしゾディ・アックを翻弄するものの、ペガサスIIIを狙ったメガ粒子砲を回避しきれず機体の右足を損傷する。その後にサイドが放ったゾディ・アックのメガ粒子砲の直撃を受け、撃破され死亡した。 この時、マニングスは敵MAにトッシュが搭乗していることを直感し、トッシュも片足のネロを見て、お互いが対峙していることを悟っていた。ゲーム『SDガンダム GGENERATION-ZERO』『ガンダムネットワークオペレーション2』では、一年戦争時のマニングスが登場する。イートン・F・ヒースロウ声:戸谷公次34歳、少佐。ペガサスIII艦長でα任務部隊の指揮官。高等士官学校[5]を首席卒業した秀才だが、実戦経験は皆無に近い。初陣ではベテラン揃いのニューディサイズに手痛い洗礼を浴び、部下のマニングスに艦長としての威厳を形無しにされる。更に、月面でのエアーズ市降下作戦では士官学校時代の教官でもあったエイノーに殲滅寸前まで追い詰められるが、それが指揮官として、艦長としての成長を促すこととなった[6]。対ゾディ・アック戦ではそのエイノーから「本物の指揮官」になりつつあるとまで言われる程にまでになる。当初こそマニングスとの関係は悪かったが、成長と共に彼に対する不満も無くなり、全面的に信頼するようになったばかりか冗談まで飛ばすようになった。マニングスの方でも、彼に対する軽蔑心も無くなり、艦長として認めていったようである。ALICE声:朴璐美SガンダムのAI(Sガンダムの性能については、当該項目を参照)。Sガンダムは元々このAIで運用する事を前提として作られており、無人兵器として、人間の代わりに戦闘に出ることによってありとあらゆる面での効率化を図ろうとしていた。しかし、機械では政治的影響力を及ぼせないことから、開発者のルーツ博士殺害事件などの軍や政府上層部の意向による妨害工作を受けた結果、開発中止になる。ニューディサイズ討伐作戦において、余剰機材の有効活用という意味合いから実戦に供されることになるが、その際AIの意思は凍結されていなかった。人間のわがままを受け入れた上で自律的に行動する、という矛盾する事を要求されたために、“彼女”を育てるパートナーには理不尽な要素を持つ男が必要となり、その相手としてリョウが選ばれる[7]。常軌を逸したリョウの意識に困惑し、ガンダムMk-Vとの戦いに直面しながら彼女は成長し、人を超えていく。女性キャラがほぼ登場しない本作においてはヒロイン的な存在である。しかし、結局のところは「オカマ」であると小説パート著者である高橋昌也は述べており、最後では「彼女は菩薩になった」という表現でぼかされている[8]。地球連邦軍[]
ルーツ博士主人公・リョウ・ルーツの母。夫は連邦軍人だったが、一年戦争時に戦死している。ALICEの開発者であり、家庭を顧みずにその開発に心血を注いでいた。しかし、その進展を快く思わない勢力によって謀殺された。彼女の死によって、リョウの性格が反抗的に形成されていくことになった。キャロル博士ルーツ博士のかつての同僚で、ALICEの開発に携わっていた人物。リョウを「ヤクザの予備軍」と呼んでいる。ニューディサイズ (ND)[]
ブレイブ・コッド声:玄田哲章39歳、大尉。ニューディサイズ首領。熱心な地球至上主義者であり、エゥーゴへの迎合を拒みトッシュと共にニューディサイズ結成の中核を担う。一年戦争以来の歴戦の武人として知られ、百戦錬磨の経験に基づく「戦争は兵器ではなく技量」の信念を具現化するかの如く、MSパイロットとしても並外れた腕前を有する。所謂ニュータイプではないが、その極限まで鍛え上げられた精神と肉体は常人では耐えられない程の高Gすら克服し、機体の耐久限界を超えた最大推力を用いての高機動戦闘を可能にした。また、軍人としての実力のみならず天性のカリスマ的側面を併せ持ち、トッシュは組織の求心力として彼に多大な期待を寄せていた。しかしブレイブ自身はあくまでパイロットとして自ら前線に立つことを望み、ニューディサイズに合流したエイノーより新型MS、秘匿名称「新器材“G”」ことガンダムMk-Vを受領して以後は、同機の主任パイロットとなる。ガンダムMk-Vに搭乗したブレイブはインコム兵器を駆使し、α任務部隊のMSネロ9機を瞬時に撃墜する。また、同部隊に配備されていたFAZZ隊との交戦時には、ガンダムMk-Vの機体限界を超えた高速機動によって弾幕を突破、近接戦闘に持ち込み3機全てを一掃した。その後も少数の戦力しか保有しないニューディサイズのフラグシップとして、月面都市エアーズの防衛戦で累々たる戦果を挙げていく。エアーズ陥落の際には、脱出経路を確保するべく出撃し、ジョッシュらと共にα任務部隊のEx-Sガンダム及びΖプラス部隊との交戦に突入する。ガンダムMk-Vは過日の戦闘によって操縦系に不調を抱えていたが、ブレイブは巧みな機体操作によって火力面で勝るEx-Sガンダムを翻弄。やがて同機の武装の殆どを破壊し、月面上での白兵戦にて撃墜寸前まで追い詰める。しかし、突如覚醒したALICEにより、乗機をビームサーベルで両断、撃破される。自らの技量に絶対の自信を持っていたブレイブであったが、その最期は彼が否定の対象としていた「機械の性能差」の前に敗れるという皮肉なものだった。死の瞬間、地球回帰のビジョンを脳裏に描き、ガンダムMk-Vとともに宇宙に霧散した。トッシュ・クレイ声:堀内賢雄35歳、大尉。ニューディサイズ参謀。ブレイブ戦死後にニューディサイズ首領となる。彼もまた熱心な地球至上主義者であり、コロニーに生えた草花を「ニセモノ」と蔑み、人類は地球に住むべきとの学説を政治誌に載せたこともある。一年戦争時にはサラミス級巡洋艦「マリアナ」所属の第120ジム中隊の一員として、ソロモン攻略戦に参加。マニングスとは旧友の間柄。戦闘中に敵MS部隊に包囲され撃墜される寸前にマニングスが庇ったことで生き残るが、その代償としてマニングスは片足を失ってしまう。この事に負い目を感じ続けており、後のニューディサイズの武力蜂起は独善的ながらマニングスに対する自分なりの「借りの返し」が動機になっている。その後、マニングスと共にサイド1のコロニー駐留部隊のMSパイロットとして軍に在籍していたが、宇宙世紀0085年に地球連邦軍MS教導団に移動する。宇宙世紀0088年1月に、ペズンの反乱を起こし「ニューディサイズ(ND)」を結成。この武装蜂起のきっかけであるペズン制圧の際、ジョッシュと共にゼク・アインで出撃している。ニューディサイズの首領をブレイブに任せて裏方となるが、自ら前線に赴く彼に代わり作戦の立案などを一手に行っていたことから、実質的にはトッシュがニューディサイズを指揮していたとも言える。ブレイブの戦死後、正式にニューディサイズの首領に就任。サオトメの手引きでニューディサイズを率いネオ・ジオン艦隊に回収される。艦隊指令のトワニングにネオ・ジオンへの参加を誘われるが、その申し出を拒否。代わりに大型MAゾディ・アックと同機を牽引する為のムサイ級軽巡洋艦1隻を譲り受ける[9]。ネオ・ジオン艦隊と別れた後は、壊滅状態に近い戦力でも実行可能な作戦行動を検討し、ペンタを利用した作戦を立案、エイノー艦隊と共にこれを占拠する。この作戦はペンタ制圧後にシャトルを強奪し、MS隊が連邦議会所在地であるダカールに降下して議会を制圧、その間ゾディ・アックで宇宙艦隊を牽制しつつ、最終的にゾディ・アック自体を落下させ、連邦軍本部のあるラサをピンポイント爆撃するという作戦であった。しかし作戦開始直前、ゾディ・アックの慣熟訓練中にニューディサイズを追撃してきたペガサスIIIと遭遇、そのまま戦闘に突入する。メガ・カノンの一撃でペガサスIIIの左エンジンを消滅させるが、出撃してきたマニングスの駆るネロ・トレーナーに阻まれる。マニングスの必死の呼びかけにも気づかず、戦友であり彼自身が「もう1人の自分」とまで例えていた彼を撃墜してしまう。皮肉にも相手がマニングスと直感したのは、自らの攻撃でネロ・トレーナーの片足を蒸発させた後、同乗するサイドがメガ粒子砲のトリガーを引いた瞬間だった。その後はペガサスIIIの戦闘力を奪ったと判断、シャトルの護衛に回りSガンダムと交戦する。大気機動による巧みな軌道変更とゾディ・アックの分離機構で翻弄するが、メガ・カノンの暴走でサイドが搭乗するゾアンIIが爆砕。自らのゾアンIでSガンダムと白兵戦を展開するが、ジョッシュが操縦するゼク・ツヴァイが乱入したことで混戦となり、時間切れ直前にゾアンIを爆撃コースに乗せた上で脱出、シャトルに帰還する。しかし、完全に覚醒したALICEが掌握したSガンダムにゾアンIとシャトルが狙撃され、他の隊員達と共に大気圏内で散った。シャトルが狙撃される直前、自身が地球の為に信じてとった行動が、結局は自分たちの思い上がりでしかなく、その為にエアーズ市やジョッシュを巻き込んでしまったことを悟り、悔悟の念から発した「地球か…」という言葉が最期の言葉となった。『SDガンダム GGENERATION-ZERO』『ガンダムネットワークオペレーション2』では、一年戦争時のトッシュが登場する。ジョッシュ・オフショー声:山寺宏一22歳、少尉。名家オフショー家の出身で、政界入りの手段として軍に入隊するが、教導団に配属を志願した事が運命を狂わせてしまう。ニューディサイズ決起後、実戦経験がほとんどないにも関わらずMS小隊の隊長に抜擢されている事から見ても、パイロットとしては一流と言っていい実力を備えている。幼い頃からの家の教えの影響で、他人に面と向かって逆らわず、流されるように生きてきた。本人もそれを自覚していたのか、教導団志願の動機を「心境の変化が在るのかもしれない」と発言している。自分よりも遥かに格下のパイロットが操縦しているにも関わらず、機体性能の差からSガンダムに苦汁をなめさせられ続けることにプライドを傷つけられ、更にブレイブの死や自分が思い描いていた戦争と幼年学校の少年兵までもが駆り出される現実の戦争とのギャップにより、次第に不安定な精神状態に陥っていく。月面都市エアーズ陥落後、ネオ・ジオンの援護で辛くも月からの脱出するものの、この際の援護射撃が元で視神経が麻痺する傷を負う。ペンタの制圧後、ゼク・ツヴァイのパイロットであるフランツを昏倒させすり替わる。大気圏突入が迫る中、Sガンダムの接近に対し自ら出撃を志願、SガンダムとゾアンIとの戦闘に乱入する。しかし、まともな視界が得られずに戦闘が続けられる筈もなく、覚醒したALICEにあしらわれるだけでなく、トッシュからも自分を見放したような発言を受けてしまう[10]。トッシュの離脱後もSガンダムに食い下がるが、ALICEにゼク・ツヴァイを地球に向かって放り投げられてしまう。機体が赤熱していく中、「自分は母の影から逃れ、大人になりたかっただけだった」のだということに気づく。だが時すでに遅く、トッシュのシャトルが狙撃され爆散しするのを目撃した直後、大気圏で焼かれる最期を辿った。ファスト・サイド声:関智一28歳、中尉。第4突撃隊隊長を勤める有能なパイロット。最終決戦時にはトッシュと共にゾディ・アック(ゾアンII)に搭乗する。マニングスを撃墜するが、ゾアンIIに分離した後、メガ・カノン発射時にゾアンIIが暴走・爆砕し戦死した。ドレイク・パーシュレイニューディサイズ結成に加わった首脳幹部の1人。事が大きくなるのに怖気づき、トッシュ達を裏切って討伐部隊に投降しようとするが、その意図を見抜かれていたため結局は謀殺された。マイク・サオトメ32歳。ニューディサイズ所属の情報士官で工作活動を担当する。実は旧ジオンの人間で個人情報は闇で買ったものであり本名は不明。エイノーを抱き込んで艦隊ごと造反させたり、月面攻防の最終局面では密かにネオ・ジオンと連絡をとり、援護砲撃をさせて脱出を成功させるなど中々の暗躍ぶりを見せた。モデルグラフィックス連載版には登場せず、サトウというキャラクターが彼に相当する役として登場していた。連邦軍宇宙艦隊[]
ブライアン・エイノー声:大林隆ノ介(現:大林隆介)66歳、連邦軍宇宙艦隊提督。対ジオン強硬派であったため一年戦争後は高等士官学校の校長という閑職に回されていた。この時の教え子にヒースロウがおり、彼を自分の子供のように思っていた。なお、実子はヒースロウ同様高等士官候補で自身の教え子でもあったが一年戦争で失っている。ニューディサイズ反乱の際、兵士達に厚い人望がある事から本星艦隊の指揮を任せられるが、腐敗している連邦軍上層部に反感を抱いていたため、サオトメの説得を受けて艦隊ごとニューディサイズ側に寝返り、艦載していたガンダムMk-Vをブレイブに渡す。これにより、ニューディサイズ側へ一気に戦局が傾いたが、結局ニューディサイズはエアーズ市での戦闘で敗走してしまう。その後彼らを脱出させるための囮としてペンタに立て籠もり抵抗、目的を果たした後は討伐部隊に降伏した。エアーズ市[]
カイザー・パインフィールド月面都市エアーズ市長。エアーズ市は観測基地の隊員を祖としている事と、月の裏側にあって地球を見ることができない立地条件から地球を崇拝していた。その事から親アースノイド的であり、グリプス戦役のコロニーレーザー戦では市長自ら先頭に立ってティターンズに参加していたが、身を案じた部下たちによって連れ戻され、結果的には敵前逃亡という形になってしまう。このような経緯からニューディサイズに共感し、市の総力をもってニューディサイズに協力することとなる。しかし敗色が濃くなると、市民を戦争に巻き込んだ責任を取り拳銃自殺した。ネオ・ジオン[]
トワニングネオ・ジオン艦隊司令。エアーズでの戦闘で敗走したニューディサイズを回収、保護した。その目的は、地球連邦軍の内乱傍観とニューディサイズの熟練兵回収、データ収集であった。欠陥品であるゾディ・アックをニューディサイズに譲渡し、彼らと別れたあとにα任務部隊と遭遇、戦闘となったがネオ・ジオンが連邦に対し宣戦布告前であったためにすぐに撤退した。メカデザイン[]
メカニックデザインを、当時の最新作であった『機動戦士ガンダムΖΖ』のゲストメカデザインを行なったカトキハジメと一部を明貴美加が担当している。また、いくつかの設定画はディレクターであるあさのまさひこ自らが起こしている。連載開始前のSガンダムの設定画は、Ζガンダムのメインデザイナーである藤田一己がクリンナップしたもので、後にカトキが新たに設定画を起こしている。
Sガンダムの名称[]
主役機Sガンダムの呼称は、本作の企画と時を同じくして製作が進行していた映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主役メカの仮称がHi-S(ハイエス)ガンダムだった事に由来する。これは映画原作小説のタイトル「ハイ・ストリーマー」から。また、富野由悠季監督がシャアの英語表記を"Shar"と勘違いしたまま「シャアを超える」という意味で名付けたためという説もある。
このHi-Sガンダムの前に存在する(市場でユーザーに認知される)ガンダムなので、Hiを取って「Sガンダム」と命名され、それからスペリオルガンダムという名称が生まれている。なお模型化の際には、登録商標の関係により「スペリオルガンダム」が使用できなかったため、省略形の「Sガンダム」が商品名となっている。
センチネル0079[]
MG誌連載時のオーラス企画として「センチネル0079」という短編がモデルグラフィックス1990年5月号ならびに7月号の2回にわたって掲載された。これはセンチネルの手法でトッシュ・クレイとストール・マニングスのジム後期生産型を主役として 一年戦争のソロモン攻略戦を再現するというもので、一部のデザインワークは、後の『機動戦士ガンダム0083』に登場するジム改・ザクF2型・ボール改や、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する先行量産型ボールに一部修正を加えて転用されている。本編SFXフォトに於いては、後編に僅か1カットしか登場しない「RX-78-2 ガンダム・センチネル0079版[11]」(=後のVer.Ka)はこの作品が初出となる。他にこの企画で発表されたリファインデザイン対象として、ビグ・ザム、ガトル、パブリク、サラミスがあり、全ての画稿と模型作例が掲載されている。特にガトル宇宙戦闘機は他メディアでは未発表であるものの、『0083』及び『ガンダムUC』に登場したドラッツェに流用されたとされるガトルのエンジンの供給元でもあり、そのデザインには注意が必要である。
なお、このシリーズからのMG.O.C.K.ブランドによるキット化は行われていないが、本編掲載時に製作された1/144ジムの模型を改修したものが後に『0083』のジム改のキットとしてB-CLUBブランドから発売され、また同じジムをベースとしたRX-78-2 ガンダム、そしてザクIIの作例をガレージキット化したものがモデラー達のアマチュアブランド「GxG」よりイベント限定商品として少数販売されている。
版権に関して[]
MG誌は1996年10月号において模型イベント「JAF-CON V」における『センチネル』を題材とした当日版権ガレージキットの販売停止について触れ、自社のスタンスを表明するとともに、バンダイとの同意のもとに自分達には『センチネル』における一定の権利があるという主張を行っている。このことは元々『センチネル』の版権の線引きが口約束のみで文書化されておらず曖昧だったことと、これに関与したバンダイ側の当事者が異動により不在となったことから発生した「事件」だった。これ自体は、誌面でのやりとりを経てその後バンダイホビー事業部とは和解している。しかし、この記事においてガンダムシリーズの版権元であるサンライズが当時何らかの形で版権移譲を関知、承諾したという記述はない。
また、連載終了後よりワンダーフェスティバル、JAF-CONなどのガレージキット即売会において『センチネル』を立体化するディーラーが現れた際に、MG誌側の許可を得ずにSガンダムの版権を許諾されるというような事態は1996年まで長く続いていた。
バンダイ側においてもキャラクタートイ事業部(現コレクター事業部)より展開された玩具「GUNDAM FIX FIGURATION」シリーズについては前述した「口約束」を全く無視した形で商品が展開されており、 バンダイグループ内においてもモデルグラフィックス誌の主張が実効性を持っていなかったことが伺える。
その後、同誌1997年3月号において前述の記事内容について「訂正とお詫び」とした訂正記事が掲載され、この中で「『ガンダム・センチネル』を含む『ガンダムシリーズ』の版権はMG誌が持っているのではなく、創通エージェンシー・サンライズであり、バンダイがアートボックス(MG誌の企画、編集)に商品化料を支払うという事実はあり得ない」と記述されている。
現在も、ガンダム関連の当日版権が唯一許諾される模型イベント「キャラホビ C3×HOBBY」において、『センチネル』関係の版権は許諾されていない。2005年の同イベントにおいて、『SDガンダム』として版権申請するという裏技を用いて発売に漕ぎ着けた出来事もあり、同イベントでのセンチネル版権許諾の実現を絶望視するガレージキット関係者は少なくない。一方で、2006年のキャラホビにおいて、センチネルの版権申請し許諾されなかったガレージキットディーラー「studioRECKLESS」が、『センチネル』に登場したヌーベル・ジムIIIの販売、ΖガンダムにオマケとしてΖプラス頭部パーツを、2010年のキャラホビではボークスがガンダムMk-Vを正式に許諾を受けた上で販売を実現しており愛好家からの注目も高い[12]。
センチネルその後[]
連載当時のMG誌上では、「合体・変形可能なSガンダム及びEx-Sガンダムも差換え変形でなら技術的には可能だが、1/100スケールで5000円くらいになるだろう。1/144 Sガンダムが1000円という価格を考えると現実的ではない」と予想され、ユーザの間では実現が困難と言われていた。しかし、2001年にはバンダイからHGUCでSガンダムとゼク・アインが発売され、MG(マスターグレード)ではΖプラス、FAZZと続き、合体・変形可能なSガンダム及びEx-Sガンダムが発売されるまでに至った。
また、「RX-78-2 ガンダム・センチネル0079版」はモデラーに多大な影響を与え、「RX-78のリファイン版」の1つの形としてアマチュア・メーカーを問わず幾度も立体化され続けてきた。後に「RX-78-2 ガンダムVer.Ka」の名称で商品化されバンダイからプラモデル(マスターグレード)と完成品(GUNDAM FIX FIGURATION)が発売されているが、商品化の際にオリジナルのデザイナーであるカトキハジメがリファインを行った為に、センチネル0079版の画稿、作例とは若干違ったデザインで発売されている。
その後、雑誌の作例では「君にもできるキット攻略シリーズ」を下敷きにしたものが増えた。また、『電撃ホビーマガジン』誌上で連載された『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』は雑誌企画物としての『センチネル』の影響を色濃く受けている。
他のガンダムシリーズ作品にもセンチネルの影響は見られ、特に「公式設定を離れたカラーアレンジ重視」といった作例では、センチネルで示されたロービジ・ピクセルパターン迷彩・「スプリッター」迷彩[13]や独特のレタリングを伴う大胆なパステル調の配色といったアレンジが好まれることが多い。これはグラフィックデザインの方法論に基づいたものであり、その知識と経験がない者が模倣することは困難であることから、連載終了から20年以上が経ったMG誌2011年4月号と2011年7月号の2号にわたる特集で基本的な考え方が初めて解説された。
カトキハジメのデザインはその後も高い人気を博し、カトキのリファインしたモビルスーツを完成品として提供する『GUNDAM FIX FIGURATION』(ガンダム・フィックス・フィギュレーション)シリーズが立ち上げられ、ディープストライカー、リファイン版バーザム、Ζ-plus強化型ハミングバード等、メーカーによる商品化は困難と考えられていたアイテムが多数発売されている。
また、低年齢向けのSDガンダムでは幾度となくSガンダムとΖプラスをモチーフにしたキャラクターが創作されており、2010年時点での最新シリーズであるBB戦士三国伝でも関平ガンダム、陸遜ゼータプラスとしてプラモデル化され、同年4月より放送されているTVアニメ『SDガンダム三国伝Brave Battle Warriors』にも登場した。
注釈[]
- ↑ なおキットの発売後、ホビージャパンでもSガンダム及びBst型、Ζプラスの作例が掲載されている。いずれも本家たるMG誌ほどの大幅な改造などは行われず最低限の加工のみを施したものだったが、Sガンダムについては足(腿部分)の延長を行って全体的な見た目を良くするなど、キットの魅力を最大限に伝える試みもなされていた。このSガンダム及びBst型の作例を担当したプロモデラーの波佐本英夫は、記事中で「HJでこのキットを紹介できるのは嬉しい」と語っている。
- ↑ 企画当事者の一人でもあったはずのバンダイが発行していた模型誌『B-CLUB』でも、当時連載していたガンダム漫画『Gの伝説』でEx-SガンダムやΖプラスを登場させた小林誠が単行本にて「編集者に『Sガンダムは描かないでくれ』と言われたが、無視して1ファンとして描き続けた」と記している。
- ↑ 正確には少尉扱いの曹長で、MSパイロットに抜擢されるにあたって搭乗資格を得るために一時的に尉官の階級を得た。
- ↑ カラバは地球上を活動範囲にしているため、作中では連邦正規兵からは地に足がつかないと行動できない奴とバカにされる傾向にあるという設定になっていた。
- ↑ 幹部将校を育成するための教育機関で、入校者には士官として3年以上の軍務経験がなければならない。ヒースロウが新米少尉として最初に赴任した戦艦がブル・ランで、この時の艦長がエイノーであった。
- ↑ しかし、その後も敵の繰り出す罠には最後まで引っ掛かってしまっていた。
- ↑ 最初からマニングスやトッシュのような熟練パイロットがテストパイロットに選ばれなかったのは、彼らの場合ではALICEを目覚めさせずに機体の性能を生かして勝ててしまうので、目覚めないか、あるいはパイロットに依存しっぱなしで教育にならないからである。
- ↑ 小説『ガンダム・センチネル ALICEの懺悔』巻末対談より。なおオカマ云々については「男性である自分(=高橋)が描く以上、どうやってもオカマ(すなわち男が女を装い演じている様なもの)にならざるを得ない」という意味であり、それを性別を越えた存在に昇華させる意味でラストの菩薩的な描写へと繋がっている旨を、この対談で高橋は語っている。
- ↑ 元々ゾディ・アックは欠陥MAであり、だからこそ本来連邦兵である彼らに見返りなしで贈与されている。
- ↑ この発言は本来、自身の悔悟とジョッシュを無用な争いに引き込んだことへの謝罪の意味をこめたものだったのだが、彼にそれが伝わることはなかった。
- ↑ 同年にバンダイから発売された1/144HGガンダムの解説書の画稿とは細部が異なっている。模型作例製作用の資料として数多くのラフ画稿が書き起されており、その中には「ラストシューティングをカッコ良く見せる」為に描かれた肩部の開閉ギミックの他にジム後期生産型と同型のランドセルを装着し腰部後部のパーツを交換する事によってビームサーベルが4本装着した画稿が掲載されていた。また、あさのまさひこのコメントではフルアーマーガンダムのラフ画稿も存在している事が明らかになっている(但しこちらは誌面未発表)。
- ↑ 当初は前年に販売したΖガンダムをベースとしてΖプラスを製作したようであるが許諾されず(この件については、公式サイトにおいてぼかした表現で書かれていたが、その文章はΖプラスであるという事が容易に想像できる文章であった)、頭部のみをオマケという形で許諾をもらっているようである。ヌーベル・ジムIIIに関してもジムIIIにヌーベル用のパーツをおまけとして付属させる形が取られている。
- ↑ なお、センチネル関連で「スプリッター迷彩」と呼ばれている配色だが、元はアメリカのイラストレーター「キース・フェリス」風の“分割”迷彩のことを指しており連載当時はその名を冠して呼ばれていた。現在ではスプリッターという呼び名のほうが流通しており、実際キースフェリスパターンではなくなっている。一部で、「スプリンター(迷彩)」の呼び方の方が正しいのではないか、という意見が増加しているが、ワイバーンやリファイン版Ex-Sガンダムのカラーリングはキースフェリスパターンがモチーフとなっていて、これはいわゆるsplinterには含まれない。一方「スプリッター」というのも和製英語的で、ネイティブにはむしろsplit schemeなどといった方が通じる可能性がある。最近の作例はプロアマ問わず、キースフェリスパターンとは異なる単なる折線迷彩が殆どで、これは、英語圏で一般にsplinterに含まれるようだが、そのルーツにドイツの「splitter」迷彩があるため特に軍事関係者の内には半ば外来語的にsplitterと呼ぶ人もいるようである。
参考文献[]
- 大日本絵画『ガンダムウォーズIII ガンダム・センチネル』(1989年発行) ISBN 4-499-20530-1
関連項目[]
- ガンダムセンチュリー
- モビルスーツバリエーション
- Ζ-MSV
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