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鬼兵隊(きへいたい)は、空知英秋作の少年漫画『銀魂』に登場する架空の武装集団。
高杉晋助を頭として攘夷浪士で結成された過激派の攘夷集団。元々は攘夷戦争中に高杉が率いていた義勇軍。戦争終結後に顔ぶれを新たに復活した。
幕府からは桂一派(攘夷党)以上に危険視されている武装集団で活動そのものは攘夷活動というよりも大規模なテロを行うことが多い。隊士には頭である高杉を始め、河上万斉や岡田似蔵などの人斬りと恐れられる侍などのいずれも戦闘能力に長けている者が多い。
紅桜の一件で桂一派との亀裂は完全なものとなり、更には銀時達万事屋とも因縁を持つことになった。また後ろ盾として春雨とも手を組んでおり、三百十訓で第七師団らと共闘した事により繋がりが明らかになった。
モデルは奇兵隊。
(たかすぎ しんすけ)/声優:子安武人
8月10日生まれ。身長170cm。体重60kg。20代。
鬼兵隊の首領。「攘夷浪士の中で最も過激で最も危険な男」と称される狂気的なテロリスト。女物を思わすような派手な着物を着用し、キセルを咥え、常に不気味な薄笑いを浮かべている。左目には包帯を巻いており、包帯の下がどうなっているのかは不明[1]。祭りが好きで、派手で大規模なテロ行為による破壊を好む。
銀時・桂の2人とは幼馴染で、幼い頃は吉田松陽の寺小屋で共に学問・剣術を学んだ仲。後にこの2人と坂本と共に攘夷戦争に参加した。師であった吉田松陽を奪った世の中に対しての憎しみと、攘夷戦争で仲間を失った怨嗟が行動力の源となっている。
そのニヒルで破滅的な魅力で多くの者を惹き付けるカリスマだが、自身の目的の為なら手段を選ばず、仲間を犠牲にすることも躊躇わない冷酷な覚悟を持っている。現在は穏健派に転向した桂小太郎とは反りが合わず、攘夷すらやめた坂田銀時との再会時の出来事などが重なり2人とは対立している(共に戦った、坂本辰馬との現在の関係は不明)。
現在は鬼兵隊を復活させて大規模なクーデターを画策している。攘夷戦争が終結した後は京に潜伏し、数々の破壊活動や幕府要人の暗殺を働いている。その過激な活動内容から幕府からは特に危険視されており、攘夷派内でも彼ら鬼兵隊に手を焼いている。
紅桜篇では、紅桜を量産しての江戸の壊滅を目論ろんだ。説得を試みる桂の言葉に耳を貸さず、春雨との取引のため、春雨と敵対したことのある銀時と桂を抹殺しようとさえした。真選組動乱篇では、真選組参謀の伊東鴨太郎と裏で組み、真選組の壊滅計画と春雨の江戸への極秘進出を計画した。持ち合わせている洞察力で伊東の心中を看破していた。その後、春雨の阿呆提督によって捕えられた神威を救い、事実上第七師団と手を組んだ形で地球を目指すことになった。
アニメのOPでの描写や『銀魂五年生』での解説から、攘夷戦争を戦い抜いただけあって銀時や桂に匹敵する実力を持っていることが判明しており、原作でも春雨艦内でその剣術を披露している。
主に長編でしか登場しないため出番は少ないが、読者からは人気が非常に高く人気投票では第1回、2回は4位、第3回は5位と高順位を獲得している。人気投票篇でこの結果を見た近藤から「何もやってませんよコイツ」と言われている。銀時も高杉に人気がある事に納得していない模様(銀魂キャラクターズブックvol.1より)。
作者の空知英秋は公式キャラクターブック「銀ちゃんねる!」内にて「高杉はボケないので動かしづらい」と述べており、トレーディングカードの属性説明などにも「ギャグを行わない」とある[2]。
実家は裕福であり、また手下に悪事を働かせて金を得ている[3]ため、銀時や桂とは違い資金面には余裕がある。
DSの「銀玉くえすと銀さんが転職したり世界を救ったり」のかぶき町モード第11話では、土方を同類と見て興味を示しており、彼の腕も認めている。
モデルは、奇兵隊を創設した長州藩士、高杉晋作。
金魂[]アニメガイドブックの登場人物欄では便利屋「万事屋晋ちゃん」を経営しており、危険な依頼しか受けない。ショートアニメ版では額縁に「狂気」と書かれており、壁には似蔵の写真が飾られている。服装は銀時の物。
3年Z組銀八先生 []3巻挿絵とリターンズに登場。銀魂高校の不良グループのリーダーで、制服の下に黒味が掛かった赤いシャツを着ている。リターンズまで停学処分を受けていた。左目には包帯の代わりに眼帯を付けている。万斉から鬼兵隊という名のバンドに誘われているが、“そろばん塾に通っている”という理由で断っている。似蔵からは「晋ちゃん」と呼ばれている。リターンズで小説初登場し、かなりボケを連発しているが、本編同様、頭はキレるらしい。小説版のみボケキャラが故に、土方から「ボケ主体の銀八シリーズじゃ動かしづらいと大崎からクレームがきている」と言われてしまう。ゲーム[](かわかみ ばんさい)/声優:山崎たくみ
5月20日生まれ。身長179cm。体重67kg。
人斬り万斉の異名をとる剣豪。鬼兵隊の事実上のNo.2で、隊中で彼のみ高杉を「晋助」と呼び捨てにしている。サングラスにヘッドホン、革ジャンという現代風のいでたちに似合わず、一人称は「拙者」で喋り方は「~ござる」口調。背中に三味線を背負っており、刀もその裏に入れている。三味線の弦はトラップとしても使用可能で、弦は鉄の硬度を誇り、下手に動こうものなら人体が切り裂ける。真選組動乱編で銀時と対戦した際、銀時の動きを封じるのに使用された事がある。
その一方で、音楽プロデューサー・つんぽとしての顔も持ち、お通に楽曲を提供している。音楽プロデューサーとしての時、或いは感情が高ぶった時などは現代風口調に変わっている。常にヘッドホンを着けて音楽を聴いているため(ほとんど寺門通の曲を聴いている)、人の話を聞いていないような素振りを見せる。音楽用語で人の「魂の響き」を形容する。
鬼兵隊の中では最も穏健派に近い人物であり、力量や心意気を認めた人物を生かすなど義理堅い面を持ち、攘夷活動でも与えられた役目とその手段が気に入らなければ、たとえ高杉の命令であっても自らの判断でその役目を遂行するなど、己の手段に独特のこだわりを持つ。しかし敵には容赦せず、伊東と自分達が企てる計画にいち早く気付いた山崎を襲撃したり(山崎の心意気が気に入ったため、命は奪わなかった)、一時は手を組んだ伊東すらも真選組壊滅のための手駒として利用するという高杉の意に従い暗殺するなど、冷酷な面も持ち合わせている。最初は真選組に加担していた銀時の事を「過去に縛られた生きた亡霊」と蔑んでいたが、戦いを通じて銀時の信念を知った事で、山崎と同様に彼の事を認めたようである。
アニメでは、動乱篇で負ったケガが原因[4]でお通の新曲の制作を延期するハメになってしまい、そのせいでお通自身が新曲を制作する事になった。なお、裏の仕事が鬼兵隊ということもあり、沖田や山崎にも面が割れていたため、表の仕事のつんぽとしてはマスコミ関係などで顔出しはしないようである。また同様の理由から、万斉とつんぽが同一人物であること自体も、ごく限られた人物以外には知られていないと考えられる。
『3年Z組銀八先生』では、3巻挿絵とリターンズに登場。高杉率いる不良グループの一員で、制服の代わりに青色のシャツを着ており、ズボンにはチェーンを付けている。三味線ではなくギターを所持している。「鬼兵隊」と名付けたバンドで活動するために高杉を誘っている。
ショートアニメ『金魂』ではスナイパーとして登場。松平片栗虎を暗殺していた。
名前のモデルは、肥後藩出身で佐久間象山暗殺の下手人、河上彦斎。表の顔である「つんぽ」の名前の由来はシャ乱Qのメンバーで音楽プロデューサーのつんく♂。
(きじま またこ)/声優:早水リサ
1月8日生まれ[5]。身長165cm。体重48kg。
鬼兵隊の紅一点。二丁の拳銃(回転式拳銃)を武器に戦う拳銃使いで、「紅い弾丸」と呼ばれている。上がへそだし仕様の紅い和服で、下がミニスカートという、かなりセクシーな服装である[6]。長い金髪を頭の左側でハーフアップにしてまとめている。目は若干ツリ目。
「~ッス」と言う語尾を付ける癖があり、性格は短気で攻撃的。戦闘でも臆せず攻撃を仕掛けることが多いが、落ち着いている時は常識人らしい言動が目立つ。また勘が鋭いのか「嫌な予感」がよく当たる。紅桜編では神楽に唆されて高杉に下着を見せようとしたり、変装した武市を高杉だと勘違いして抱きつくなど、少々抜けた部分もある。高杉を「晋助様」と呼んで心から慕っており、第七師団の艦隊に襲われかけた際ですら、目前の危機より、遠くに居る高杉の身を案じていた。
『3年Z組銀八先生』では銀魂高校の生徒としてリターンズにて登場。高杉率いる不良グループの一員で、3巻挿絵では高杉のことを「先輩」と呼んでいたが後に小説に登場した際は本編同様「晋助様」と呼んでいた。
ショートアニメ版『金魂』でも女子高生として制服姿で登場したが、アニメガイドブックの登場人物欄では赤いチャイナ服を着ている。武市と共に「万事屋晋ちゃん」で高杉の助手を務める。
名前のモデルは、幕末に禁門の変を主導した長州藩の来島又兵衛。
(たけち へんぺいた)/声優:茶風林
9月27日生まれ[7]。身長178cm。体重68kg。
鬼兵隊一の策略家。攘夷浪士の間では「変人謀略家」と呼ばれている。どんな時でも目を見開いた表情を崩さないポーカーフェイスが特徴。常に冷徹だが、真剣での実戦には不慣れで新八との対決時は怖気づいていた(一応互角に戦っていることから必要最低限の実力はある模様)。また子からは「先輩」または「変態」と呼ばれ、よく悪口雑言を言われるが、腐れ縁のせいか行動を共にする場面が多い。鬼兵隊の中では最もボケをかますことが多い。
武市自身は「子供好きのフェミニスト」だと言っているが、実際は幼い少女に対して並々ならぬ愛情を持っている節があり、そのことでまた子からはフェミニストではなく、ロリコン呼ばわりされている。また『大江戸青少年健全育成条例改正案』に猛烈に反対している。
『3年Z組銀八先生』では3巻挿絵とリターンズにて登場。高杉の不良グループの一員で、「女子中学生好き」という漫画本編同様子供好きのフェミニストを自称している。
ショートアニメ版『金魂』ではワンカットのみ登場。坊主頭で茶を飲んでいた。
名前のモデルは、幕末で土佐勤王党の首領を務めた武市半平太。
(おかだ にぞう)/声優:青山穣
12月23日生まれ。身長180cm。体重68kg。
「人斬り似蔵」と呼ばれる攘夷浪士。盲目ながら抜き身を見せずに敵を斬る、居合い斬りの達人。若い頃に病気で視力を失った代わりに、嗅覚・聴覚・勘が人一倍発達している(本人曰く「前よりもいろんなものが見えるようになった」とのこと)。鼻が詰まらないよう洗浄薬(お鼻すっきり)を愛用している。人を斬った時に見える“魂”を追っているうちに「人斬り」と呼ばれるようになった。生きながらに死に行く魂の輝きを見せる高杉に魅せられている。
橋田屋の用心棒として働いている時に、銀時と剣を交えるが刀を折られ敗北する。その後、しばらく身を潜めていたが、村田鉄矢製作の対戦艦用機械機動兵器「紅桜」を用いて銀時と再戦し、一度は銀時に重傷を負わせ追い詰めるものの、その際に激昂した新八に右腕を切り落される。その後桂一派が攻め込んできた際にたった一人で戦艦二隻を落とすが、この頃から紅桜を制御しきれなくなり始めていた。後の銀時との再戦でついに紅桜に精神と肉体を支配されて暴走、最後は銀時によって倒された。事件後、真選組の調査では「行方不明」とされており、安否は今のところ不明である。
原作の二百九十四訓、第8期OPと第14期EDで他の鬼兵隊のメンバーは出演しているにも関わらず似蔵だけが出演していないのは、似蔵の安否がはっきりしていないからであると思われる。
『3年Z組銀八先生』では3巻挿絵とリターンズに登場。高杉にはパシリとして扱われており、コロッケパンを買いに行かされている。このコロッケパンを武器にして、対立する不良グループを瞬殺した。ここでは高杉のことを「晋ちゃん」と呼んでいる。盲目ではない模様。
アニメガイドブックのコーナー『金魂』登場人物欄では「万事屋晋ちゃん」のペットだったが、ショートアニメ版では似蔵らしき遺影が掛けられている。
名前のモデルは、幕末に活躍した土佐藩士の岡田以蔵。
(ひらが さぶろう)/声優:羽多野渉
発明家・平賀源外の息子。父に劣らずかなりのカラクリ好きであったが、源外のカラクリに対する姿勢に反発して家を飛び出し、鬼兵隊に入るも幕府により粛清される。その首は江戸の川原に晒され、それを見た源外の復讐の火種になる。鬼兵隊に入ったのは戦をするのではなく、親子喧嘩するためであったという。高杉によると剣の腕はそれ程でもなかったようだが、機械の扱いには長けていた。源外は彼を亡くした後、自ら造ったカラクリに「三郎」と名づけている。
(むらた てつや)/声優:大西健晴
4月11日生まれ。身長175cm、体重62kg。
江戸随一の刀匠・村田仁鉄の息子。父の後を継ぎ、妹の鉄子と共に刀鍛冶を営んでいた。人の話を聞かずに大声で喋るのが特徴。
父を越えるべく、剣以外のものを捨ててまで、生前父が打った刀「紅桜」を機械と融合させ、対戦艦用機械(からくり)機動兵器として開発した。紅桜に「斬れない物は無い」「自分の全て」と豪語するほどの自信を持っており、それが折れた時自分には刀匠として何も残らないと思っていた。暴走した似蔵の攻撃から鉄子をかばって致命傷を負い、己の過ちを悟ると、鉄子に「良い鍛冶屋になれ」と言い残してこの世を去った。
『3年Z組銀八先生』には銀魂高校の生徒としてリターンズにて登場。妹の鉄子と一緒に万斉プロデュースで吉原商文化祭の音楽コンテストに出場した。
名前の由来は村田銃を発明した村田経芳。
詳細は真選組#伊東鴨太郎を参照。
宇宙海賊・春雨の第七師団団長で神楽の実兄。詳細は銀魂の登場人物一覧#第七師団を参照。
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