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高機動型ザクII(こうきどうがたザクツー、High Mobility Type ZAKU II あるいは High Maneuver Model ZAKU II)は、アニメ作品のガンダムシリーズのうち、宇宙世紀を世界観としたシリーズに登場する架空の兵器(モビルスーツ)。
一年戦争期にジオン公国軍において製造された機体であり、生産時期や仕様の差異により型式番号が異なるが、一般的にはMS-06Rと総称される。また、単にR型 (R-Type) と呼称されることも多い(注:「II」は、ローマ数字の2である)。
アニメ『機動戦士ガンダム』本編には登場しない機体で、元々はみのり書房刊のムック『ガンダムセンチュリー』で、ザクIIのバリエーションの一つとして記述されたのが始まりである。黒い三連星が使用したエースパイロット専用の、シャア専用ザク(S型)を上回る高機動性能を持つ機体として設定されていた。
その後、講談社刊の『SFプラモブック1 機動戦士ガンダム REAL TYPE CATALOGUE』上で大河原邦男によるデザイン設定が起こされる。さらにホビージャパン社刊の『How To Build Gundam 2』において、ストリームベースによる黒い三連星機の作例が大反響を呼び、プラモデル企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』でも第1弾として模型化された。模型化に合わせて公式設定が作られ、同時に設定された、R型ザクを駆るジョニー・ライデンやシン・マツナガなど、アニメ本編には登場しないエースパイロット達ともあいまって、MSVシリーズ第1弾にして同シリーズを代表する製品となった。
ガンダムセンチュリーの記述においては、MS-05Bを「ザクI」、MS-06Fを「ザクII」、MS-06Rを「高機動型ザクII」とされたが「ザクII」という表記を初めて前面に押し出したのがMS-06Rのプラモデルであったため、MS-06Rが「ザクII」であり、MS-06Fを「ザクI」とするような混乱も多かった。
その後もR型ザクの人気は続き、マスターグレードシリーズにおいても最初期に模型化されている。しかし、当初のザクIIでの金型分割の都合から元デザインとかけ離れたカラーリング(特にジョニー・ライデン機)となったことに加え、説明書等でユーザー側に伝えられることがなかったことが不評を買った。その為、後年発売の黒い三連星仕様のキットでは金型分割を工夫し、先行発売の2機に比べると極力イメージを損ねることのないパーツ分割が行なわれた。Ver2.0では当初からの設定の正規塗装色でのパーツ分割、「R型は燃料増積のため太ももがF型よりも太い」というMSV設定に準じた体型と、再考証された内部フレームが再現されるに至った。なお、2009年12月にはバンダイ指定のプラモデル販売店「プロショップ」限定商品「Ver2.0 ア・バオア・クー防衛隊機」が、Ver2.0で発売されたR-1・R-1A・R-2のパーツが同梱され発売されている。
このR型は、宇宙空間におけるザクII F型 (MS-06F) の性能向上を目的として開発された高機動空間戦用バージョンである。改良を重ねた結果、外観こそは背部・脚部を除くとそれまでのザクと大差がないが、フレームまで全面的に改修されるなど内部構造は大きく変化しており、事実上別のモビルスーツになっているといえる。推進系の制御が難しく、ある程度熟練したパイロットではないと扱いかねる機体となってしまったが、戦闘能力が大きく向上していたため、多くのエースパイロットに愛用された。
派生型は通説では7種類あるとされ、特にR-2型はザクIIF型の後継機種となる次期主力機コンペティションでリック・ドムとその座を賭けて争った。R型の総生産機数は派生型を含めて78機とするのが定説だが、100機あまりとする説もある。
なお、開発経緯は各派生型の解説に譲る。
テンプレート:機動兵器プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』に登場するMS。高機動型ザクII・プロトタイプとも呼ばれる。
ジオン公国軍は一年戦争開戦1ヶ月を経て、南極条約の締結によって戦争の長期化が必至となったため、宇宙での戦力強化対策の一環としてR型の開発を始めた。緒戦でのデータにより、F型の汎用性がモビルスーツの性能を妨げていると判断され、宇宙戦用や地上戦用など局地戦に特化した機種が必要となったのである。そのため、ジオン公国参謀本部はF型の宇宙戦用汎用型後継機種として、一般汎用機に位置づけられるF-2型とは別ラインで、高機動汎用機となるR型を開発することにした。
R型の開発にはF型の後期生産型2機が使用され、MS-06RPの型式番号が与えられた。開発は月面のグラナダ基地で行われ、ジオニック社のエリオット・レム中佐(当時は少佐であったとする説が強い)による高機動飛行テスト、マニュアルプレート操作時の機体保持テストなど2週間のテスト後、両機とも良好な結果に終わったため、即時に量産が開始された。設計は基本的に背部メインスラスター(F型の倍となる218t)、腰部インテグラルタンク、脚部サブスラスター(計6基)の3点に絞って行われた。試作機は両機ともオレンジイエロー(ディグロウオレンジ)の識別色で塗装されていた。また、武装は420mmロケット砲(バズーカ)も用意されたが、生産性の問題から量産は却下された。
テンプレート:機動兵器プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』に登場するMS。型式番号は当初MS-06Rだったが、後にMS-06R-1に変更された。初期生産型、先行型とも呼ばれる。
RP型のテストデータを検証した結果、軍部はF型を改修するのではなく、全面的に再設計を行った機体を生産することにした。これは、F型をベースにした場合、推進剤の積載量を十分に確保できないと判断されたためである。RP型との大きな違いは外部接続式の伝導ケーブルやサーキットが増えたのが大きな特徴であり、腰部のインテグラルタンクは脚部や胴体上部に分化された。
量産型として指定されながらも、多くの部分が新規設計のものになってしまい、F型の量産ラインをそのまま使うことができなくなってしまったため、生産施設は少なかった。また、推進ロケットエンジンの不良と、推進剤の積載量が少なかったために戦場で推進剤を使い切ってしまうパイロットが続出し、本来の評価を得るのに時間がかかってしまい、初期発注分の22機が完成したところで生産が中止されてしまった。これは、一週間戦争やルウム戦役で多くの優秀なパイロットを失っていたことも原因の一つである。
このR-1型は実践テストもかねて、本国防空本体を含む各要塞基地や、パトロール艦隊へ配備された。正式塗装はF型と同じグリーンであるが、パーソナルカラーを施された機体も多い。なお、生産機数22機のうち、10機がR-1A型に改修された。
高機動型ザクII 改良型[]R-1型の問題点を改良した高機動型ザクII。(型式番号:MS-06R-1A)
脚部の補助推進剤タンクをカートリッジ化することで母艦内や宇宙空間での補給が容易となったほか、動作不良の多かった推進器もジオニック製からツィマッド社製に変更し信頼性を高めている。しかしコストや整備性といった根本的な問題が解決されたわけではなく、R-1型のうち10機がこのタイプに改修された他、56機が新規生産されたにとどまった。
高性能であったためエースパイロットには歓迎され、配備の希望が殺到したものの、製造コストが高く可動条件も複雑であったため結局本格的な量産には至らず、ベテランパイロットの間ではその入手の困難さを指して「連邦の戦艦を沈めるよりR型を手に入れるほうが難しい」とまで言われた。ジョニー・ライデンも当初R-1A型の配備を要請した一人であったが実現せず、後に怪我の功名的にR-2型を受領することとなった。
パーソナルカスタム機アーケードゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン』では、ロビン・ブラッドジョー中尉専用機が登場する。
ホビージャパン発行の雑誌「ゲームぎゃざ」に登場する、ゲームオリジナルのMS。(型式番号:MS-06R-1M)
テンプレート:機動兵器プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』に登場するMS。MS-06R-2のプロトタイプモデルであり、06R-2の1号機である。
ビーム兵器の運用を前提として設計され、胸部形状が大型化しているが、核融合炉の出力に問題があり、通常兵装を装備したR-2型が開発された。
テンプレート:機動兵器プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』に登場するMS。
R-1Aをさらに改良した機体。外見こそザクのイメージをとどめているものの、性能、仕様などはR-1A型から大幅な変更が行われているため、改修機というよりはまったく別物の機体と言っても過言ではなく、「ザクの皮を被ったゲルググ」[2]とも言われた。1号機はビーム兵器搭載を計画されたため、胸部形状が大型化されており外見上の識別点となっている。また技術的にもゲルググの直系の前身といえる機体であり、脚部等の機体各部形状はゲルググに通じるデザイン[3]ともいえる。
コンペテイションでリック・ドムと次期主力の座を争った。一部能力ではリック・ドムを上回っていたらしいが、生産性で劣り主力の座に付く事が出来なかった。そのため生産された実機はわずか4機にとどまり、うち3機がジョニー・ライデン少佐、ギャビー・ハザード中佐、ロバート・ギリアム大佐の3名に引き渡された。残る1機はジオニック社にてR-3型に改修され、ゲルググのテストベッドとされた。
この4機の他に、以下の当機が登場する作品があるが、いずれも公式設定という訳ではない。
アーケードゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン』では、カート・ラズウェル中尉専用機が登場。本作はゲーム独自設定であるため、あくまで架空戦記的内容といえる。
ゲームブック『最後の赤い彗星』では、シャア・アズナブル機が登場。機体色は防錆塗料の色のままであり、偶然にもパーソナルカラーの赤となっている。ただし存在しないはずの5号機として設定されている。
漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』では、Dr.Qと戦う際にジョニー・ライデンとシン・マツナガが搭乗(脚部の形状を見る限り)し、ジョニー機には後付けのジェネレーターを取り付け、ビームライフルを使用していた。
高機動型ザクII改 フルバレット[]漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』に登場。ジョニー・ライデン搭乗のR-2型を改修した機体。
メカニック曰く「真のR-2」。ビーム兵器の使えないザクに多量の実弾系武装を装備、「1発では駄目でも100発の弾丸をもって敵を撃破する」をコンセプトとして開発された。万一ビーム兵器搭載機が開発できなかった時の、プランBであったらしい。武装は、左腕に3連マシンガン、右肩シールド内に2連高速破砕砲、右腕に3連ミサイルポッド、胸部に2連バルカン砲、左右腰部にビックガン、頭部にはブレードアンテナの代わりにヒート兵器であるヒートホークシンボルが設置されている。脚部はR-2型と大差ない。
ア・バオア・クー戦にて乗機のMS-14B 高機動型ゲルググが大破した後ジョニー・ライデンが搭乗、同戦場にて連邦のフルアーマーガンダムと交戦、相打ちになり大破している。なお「フルバレット」という呼称はジョニー・ライデンが敵のフルアーマーに対抗して命名したもので、正式な物ではない。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。
テンプレート:機動兵器メカニックデザイン企画『M-MSV』(大河原邦男コレクション)に登場するMS。
連邦のガンダムに対抗できる高性能MSを開発するため、R-2型をベースに開発された。ゲルググの試作機と言われている機体。この時点で外観はザクよりもゲルググに近い。
元々、型式番号・MS-06R-3に当たる機体は「ザクIII」(『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場した機体とは別物)として『MSV』で発表予定だったが、デザイン画稿が未発表のまま企画は終了したため、『M-MSV』で改めて本機が設定され、ザクとゲルググのミッシング・リンクが繋がることとなった。先行量産型ゲルググ (YMS-14) が試作機と呼ばれることもあるが、あくまで先行量産機であり、真の試作機は本機の方だと思われる。なお、カードゲーム『ガンダムウォー』では、肩パーツなどよりゲルググに近いデザインの当機が登場するが、変更の経緯などは不明。
劇中の活躍小説『モビルスーツコレクション・ノベルズ Act.7「閃光の源」』では、一年戦争時にムサイ級ホーカムにおいてビームライフル使用を含めた運用実験の様子が描かれている。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する試作型MS。(型式番号:MS-06RD-4)
MS-09R リック・ドムの脚部熱核ロケットエンジン開発の為の試作機とされる[4]。ドムのリック・ドムへの転用計画が軍主導で行なわれた為に、上半身がジオニック社製のザクII、脚部がツィマッド社製のドム、という機体になったと言われている。上半身のザクII部分はR型ともF型とも言われるが、詳細は不明[5]。
劇中の活躍『第08MS小隊』第1話に登場。アイナ・サハリンがテストパイロットをつとめる[6]。宇宙暦0079年10月6日、量産型ザクII 3機[7]に護衛されて連邦軍勢力圏内に侵入。ジムとの交戦データの収集を試みた[8]。連邦軍のRGM-79E 初期型ジム小隊と遭遇。ザクマシンガンとヒートホークを装備した本機は初期型ジム2機を撃墜し[9]、テリー・サンダースJr.軍曹の乗機を大破させた。その後、シロー・アマダが搭乗した先行量産型ボールと交戦。相撃ちとなって機体は爆散した。
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執筆の途中です | この項目「高機動型ザクII」は、ガンダムシリーズに関する書きかけの項目です。加筆、訂正などをして下さる協力者を求めています(P:アニメ/PJガンダムシリーズ)。 |
en:MS-06_Zaku_IIzh:MS-06系列机动战士
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