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テンプレート:複数の問題ジオング(ZEONG)は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器。ジオン公国軍の試作型ニュータイプ専用モビルスーツ (MS)。テンプレート:ネタバレ
テンプレート:機動兵器
ジオン公国軍初の実戦型ニュータイプ用MSである。
ジオン公国軍はニュータイプの可能性に着目しており、開発を続けていたサイコミュ兵器は一年戦争末期、ブラウ・ブロ、エルメスの完成でようやく実用化に漕ぎ着けたが、この時点では装置が大型だったためモビルアーマー (MA) サイズの機体にしか搭載できなかった。しかし、ザクIIに代わる主力MSに搭載すべく、MS-16Xの型式番号を与えられ「ジオン」の名を冠したジオングとして開発が進められた。開発にあたりザクIIをベースとしたテスト計画「ビショップ計画」によってサイコミュ試験用ザクが試作され、貴重なデータを収集した。しかしサイコミュシステムの小型化が十分でなくMS-16Xは一般的なMSの2倍近い全高となり、MAに近いサイズのMSとして設計が進められた。実戦機と試作機を含む3機製造され、同時に脚部も開発されたが最終戦に間に合わなかった。また、無線サイコミュでの機体プランも予定されていた。
MS-16Xには二つのプランが存在した。一つは通常のMSと同様に脚部をAMBAC装置として用いる案、もう一つは運用を宇宙空間に限定し脚部を廃して高出力のスラスターによって機動する案である。テストの結果から後者のプランを先行して進めることとなりサイコミュ試験用ザクのうち1機をサイコミュ高機動試験型ザクへと改修しデータ取りが続けられた。この段階でニュータイプ専用MSのカテゴリとして型式番号が改められ、MS-16XからMSN-02へと変更が行われた。
本機の最大の特徴はサイコミュを用いた前腕部の5連装メガ粒子砲であり、前腕ごと機体から切り離し、敵の予想外の方向から攻撃を行うオールレンジ攻撃が可能である。しかし、当時はサイコミュの技術自体が開発途上段階だったこと、ニュータイプだけでなく一般兵士にも操縦が可能な様に考慮されたことなどから、無線誘導式ではなくブラウ・ブロと同様の有線誘導式として設計された。また、腰部と頭部にもメガ粒子砲を搭載している。これら複数のビーム兵器の稼動を可能とするため通常のMSの数倍の大出力を誇る大型の核融合炉を搭載しており、サイコミュと合わせて機体サイズの大型化の要因になっている。腹部中央モジュールを残し頭部、胸部、腰部、腕部、脚部の7つのモジュールへと分離し攻撃することも計画されていた[1]。この計画はMSN-03として進められており、各モジュールは有線式ではなく無線誘導式のものが搭載される予定だった。暗礁空域などで中央モジュールを陰に隠して、オールレンジ攻撃を仕掛ける戦法が予定されていたとされる。現存の資料ではその際、脚部がどのような役割を果たすのかは不明。
武装は計13門のメガ粒子砲が全てで、ケイブンシャの「機動戦士ガンダムメカ大百科」によると、ジオングの用途は艦隊攻撃用となっており、白兵戦は想定されていない。
5本指のマニピュレータを持つが、指先は全てメガ粒子砲の砲口になっている。また、ミサイルや機銃等の実弾兵器も搭載していない。また機体サイズ上、他のジオン軍MSの携行兵装の流用も不可能で、MSとしての汎用性は相当に低い。ただ、完成状態では歩行装置として、ややドムのそれに似た脚が装備され、宇宙空間の無重力下でも地上の有重力下でも使用できる予定であった。その場合、スカート後端の補助バーニアがメインスラスターとして機能する[2](ただし、追加された両足にも、足裏に大型スラスター2基、足首に補助スラスター6基があり、足裏の物は元々のメインスラスターに匹敵するサイズである)。だが脚がないことをシャアに尋ねられた整備兵は「あんなの飾りです」と返した。
本機には胸部と頭部に2箇所のコクピットを持つ。ア・バオア・クー要塞格納庫でシャアが搭乗したのは胸部コクピットである[3]。貴重な戦力であるニュータイプの生還率を高めるため、頭部は脱出モジュールとしても設計されている。この状態でも、ガンダムのルナチタニウム装甲を一撃で融解させるメガ粒子砲を数回発射可能だった[4]。テンプレート:要出典範囲。
サイコミュはエルメスのように一度に多数のビットを操るほどの性能は無いが、その分操作性は高く、練習も無しに乗せられたシャアでもうまく起動できた。それまでアムロやララァと比べてニュータイプ能力の発現が遅れていたシャアの能力を大幅に引き出すことに成功している。しかしシャアの能力では、ジオングの性能を全て発揮することは困難であった[5]。
本機は宇宙世紀初の実戦型NT用MSであり、後の時代に続々と登場するニュータイプ対応機の参考となったという。
TV版『機動戦士ガンダム』第42話、第43話にて描かれた一年戦争最後の決戦、ア・バオア・クー戦において登場したジオン軍の最終モビルスーツ。上腕の装甲と脚のない、全体としては80%の完成度だった。ギレンは本機を未完成品だと判断している[6]。先の戦闘でガンダムに乗機のゲルググを中破させられ使用できなくなっていたシャア・アズナブルは、キシリア・ザビからパイロットの決まっていなかったこの機体を託された。シャアはブラウ・ブロとの関連性に言及し、キシリアはエルメスのサイコミュを部分的に取り入れた機体だと説明している[7]。
本機に与えられたキシリアの命令は、ア・バオア・クー要塞Sフィールドに出現した連邦軍艦隊を、第34モビルスーツ隊と共に迎撃することだった[8]。最初ジオングに不慣れなためにシャアの焦る描写が描かれ、TV版ではナレーションでもそのときの彼の心理状態が語られている。その状態でありながら、MS18機を撃破、戦艦4隻を撃沈する[9]戦果をあげた。
その後ガンダムと交戦するが、シャアは戦闘中にガンダムを見失ってしまい、同機が血路を開くのを許した[10]。結果、連邦軍艦隊の撃滅という本来の任務は果たせなかった。連邦軍MS隊が要塞にとりついたのち、本機とガンダムは本格的に交戦する。本機はビーム・ライフルが4発命中してもなお戦闘を続行する耐久力を見せたが[11]、最終的に相討ちとなり、頭部ユニットはア・バオア・クー内部で破壊された(頭部と左腕を失いつつ、上方のジオング頭部を無人のまま狙撃するガンダムの姿は、ポスターなどでも有名である)が、シャアは爆発直前に脱出。そのままアムロとの生身の対決になだれ込む。
OVA『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』では、第34MS隊のエリク・ブランケ少佐(ゲルググ搭乗)の視点によるジオングとガンダムの戦いが描かれている。エリクは本機に足がないことに驚き、「あれが正解なのか」と呟いた。戦闘突入後、ジオングはサラミス1隻、ジム3機、ボール4機を撃墜し、その後にガンダムと交戦した。この戦闘は、シャアがガンダムを見失い、連邦軍MS隊がア・バオア・クーに取り付いた直後にあたる[12]。
他の作品漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ギレン・ザビが極秘に開発し、自分への忠誠心を見せる約束でシャアに与えている。なおコクピットは首周りに1箇所あると設定変更され、分離時には頭部と首周りが一体となっている。展開自体はアニメ版と変わらない。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ア・バオア・クーに残された3号機を改修した機体が登場。ジオン残党の宇宙拠点アムブロシアにてシャアが乗ることになるが、その際、前述の整備兵との再会のエピソードが描かれている。以前「飾り」と言われた脚が付いた、パーフェクト・ジオングに近い完全版は、バランスが良くなり機動性が向上していた。のちに基地の物資不足を理由に解体されている。なお、シャアは「今度こそ乗りこなしてみせる」と話しており、上記にある「ジオングの操縦に不慣れだった」ことを事実としたものになっている。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収載された「バカがボオルでやってくる!」では、ジオング大型化の理由をソロモン戦で確認された浮遊する巨大なガンダムの頭部から逆算された大きさの「ガンダム」に対抗するためという噂という設定で描かれている。ただし、この作品自体は公式設定という訳ではない。監督の富野喜幸の第1ラフ稿、原画マンの板野一郎が第2ラフ稿をおこし、それを元にメカデザイナーの大河原邦男が決定稿を描いてデザインが完成した。
ジオングに足が付いた完成形態(型式番号:MSN-02)。
地上での運用も可能になるが、スラスターが脚部になったため、機動力は低下した(脚部にもスラスターがあり、スラスター総数は差し引き6増えるため、重量増加と合わせてどの程度の低下かは現在の資料では不明)。初出はバンダイのプラモデルのMSVシリーズ。元々脚部はデザインされておらず、プラモデルの1/144のジオングに1/100のドムの足を取り付ける改造アイデアが流行した事があり、この例がデザインの元になったようである。漫画『プラモ狂四郎』に「足付きジオング」として登場して人気機体となり、後に商品化された。
プラモデルでは設定の全高が38mという大型機であるため、1/144スケールではなく1/250スケールとして発売された。長くこのスケール以外の発売は無かったが、2004年6月にマスターグレードとして、1/100スケールで価格は10,000円(税別)という高額なキットが発売されている。ちなみに足の長さはちょうど同スケールのガンダムの全高と同じ長さとなっている他、公式設定には無い『プラモ狂四郎』で登場した大型サーベルがサービスで付属している。
なお、「パーフェクト・ジオング」という名称は元々『プラモ狂四郎』で製作者のサッキー竹田が狂四郎のパーフェクト・ガンダムに対抗して名乗ったものであり、設定上の正式名称は足が付いても「ジオング」である。また資料によっては「ジオング(完成機)」と表記される場合もあるが、上記機体解説によるなら厳密には誤りである。漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、シャアが搭乗したジオングの3号機が当機の形状に改修されている。アクシズで交戦後、資材不足の為に解体された。
パーフェクト・ジオングMK-II[]漫画『プラモ狂四郎』に登場する機体。模型秘伝帳編の最終決戦「関ヶ原ウォーズ」の際に、サッキー竹田が狂四郎との決着のため用意したオリジナルMS。外見と装備ははかつて狂四郎と相対したパーフェクトジオングを踏襲しているが、サイズが通常のMSと同じである点が異なる。また専用の槍を装備する。
あくまでも仮想現実の戦場であるため、内部のニクロム線を熱してボディーを膨張させて巨大化したり全く別のMSに入れ替わったりと作品世界ならではのギミックが満載である。バックパックはそれ自体が独立したMAとなっており、本体が巨大化した状態でのみ合体する。
プラモデル企画『MSV』にて文字設定として登場する機体。デザイン画は描かれていない。ジオングの後継機で、富野由悠季による『機動戦士ガンダム』の構想案「トミノメモ」での首、胸部、腰、両腕、両足が分離してサイコミュとして機能するというジオングの初期設定をそのまま継承している。計画書提出の時点で終戦を迎え、建造されなかったとされている。「トミノメモ」によれば、ニュータイプ戦士ゴラが搭乗してガンダムと戦い撃墜されている。なお、この本機の形式番号「MSN-03」はその後ヤクト・ドーガに付けられている。
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』に登場する機体。
ジオングに高機動ブースターやスラスターを追加装備している。他には武装にプラズマリーダーも搭載。脚部は省略されたままで、宇宙戦に特化した機体という設定である。
ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場する機体(型式番号:MAN-03-2)。
MSN-02 ジオングの後継機。機体各部にメガ粒子砲を搭載し、対艦ミサイル、近接戦闘用に脚部ヒートクローを搭載。ジオングの有線操作アームの思想をさらに推し進め全身を7つに分離し、サイコミュで遠隔操作を行うことができる。サイコミュで遠隔操作している各パーツから一斉にメガ粒子砲を発射する攻撃は「ズィーベン・アングリフ」と呼ばれている。
一年戦争終盤に設計案が作成されていたが、終戦を迎えたためお蔵入りとなった。機体そのものは実現されることはなかったが、その思想はアクシズへ撤退したジオン軍残党によって受け継がれたとされている。
デザイナーは明貴美加。また分離時の各パーツはジオン軍のMAを思わせるデザインとなっている。
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の構想案「トミノメモ」にて設定された機体(型式番号:MSN-00[13])。
ジオン公国軍の次期主力機開発プロジェクト「ペズン計画」にてニュータイプ専用機として計画された。「トミノメモ」によれば、ギレン・ザビの命を受けたタブロー(ニュータイプ兵)の部隊が搭乗し、和睦のためホワイトベースを訪れたデギン・ソド・ザビを追撃、戦死させるも自らも撃墜される。
漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』に登場する機体。名前はジオングと付いてはいるが実際にはクィン・マンサの発展機である。ファンネルを無効化する特殊兵装「アンチ・ファンネル・システム」を備える。
漫画『機動戦士Vガンダム外伝』に登場する機体。ザンスカール帝国がジオングを元に開発しており、分離機能を有する。ただし、首は分離しなかった。
テーブルトークRPG『ガンダム・カバード ネメシスの天秤』に登場する機体。(型式番号:MSN-02-2)。ジオングの予備パーツを元にテオ・キャスタリカ用にチューンした機体。
テンプレート:脚注ヘルプ
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en:MSN-02_Zeongth:ซีอองก์
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