SPトーラン

ページ名:SPトーラン

SPトーラン【死の支配者】

概要

呼称 死の支配者
陣営 グレイヴボーン
身長 175㎝
趣味 グレイヴボーンドラゴンに乗ってバンティスを巡回すること
好きなもの

・絶対的な権力と支配

・他人から離れて過ごす一人の時間

嫌いなもの

・人に支配されたり操られたりすること

・あらゆる裏切り

現在地 バンティス
現在の身分

・死の領域の支配者

・ドラゴンクリスタルの力の継承者

関連人物

【臣下】

グリーズル

【妹】

テルミン

【弟】

エドウィン

【協力者】

スカラン

ストーリー

「陛下、カタストロフが墓地に侵入しました」

エドウィンはこうべを垂れてトーランに報告した。

だがフォールンキングは動じることなく、墓地の中央に据えられた石の椅子に座っていた。

彼の前に広がるグレイヴボーン兵士の戦線は縮小し続けている。

ボロボロになった墓地の外壁のあちこちからカタストロフが侵入し、ゆっくりと彼らを包囲していった。

「トーラン、何をしている! カタストロフどもをせん滅しろと命じただろう!?」

ケハディマンの声がトーランの脳内に激しく響き渡り、彼は目元を引きつらせた。

カタストロフが大挙して侵入したことで、トーランはやむを得ず自ら前線に出ることになった。

バンティスがグレイヴボーンの国になって以来、これほど深刻な侵略を受けたのは初めてだった。

トーランは眉を上げてエドウィンを一瞥した。

その顔は敬意を示しているものの笑みを隠しきれておらず、奇妙に見えた。

トーランはこの戦争において全権を掌握していたが、あの秘密の墓に身を隠している恐怖の王に監視されているのだろう。

機は熟した。

フォールンキングは立ち上がり、墓にいるグレイヴボーン兵士たちに脳内から指示を送った。

ほんの一瞬のうちに、全てのグレイヴボーン兵士が突然戦闘をやめ、カタストロフたちの攻撃に構うことなく一斉に足元のレンガを叩き始めた。

すると、そこからくぐもった恐ろしい咆哮が聞こえてきて、墓地の地面が轟音と共に崩れた。

トーランとその親衛を除いて、カタストロフとグレイヴボーン兵士は全て底なしの墓穴へと落ちていった。

カタストロフを自らの兵士もろとも深淵に葬ることこそが、彼の計画だったのだ。

トーランは深淵の際に立ち、天を仰いだ。

黒い翼を持つ生き物が墓地の周囲をうろついているのを感じ取ったが、彼の足元にはまだ対処すべきカタストロフたちがいるようだ。

トーランが深淵に飛び降り、暗闇が彼を吞み込むと、彼の親衛たちに聞こえるのは武器がぶつかり合う音と、カタストロフの咆哮、そして炎が巻き上がる音のみになった。

再び静寂が訪れると、ようやく墓穴からトーランが現れた。

フォールンキングを地上に連れてきたのは、なんと恐ろしい顔をした白骨のグレイヴボーンドラゴンだった。

トーランにとって、バンティスの何もかもが自分のものだった。

かつての彼の民も、遥か昔にここで命を落とし、骸骨になったドラゴンも。

グレイヴボーンドラゴンを蘇生したのはケハディマンだったが、最終的にそれを屈服させたのはトーランだった。

それ以来、グレイヴボーンドラゴンはトーランの秘密兵器になった。

「トーラン、よくやった。だがそろそろ、我慢の限界だ」

ケハディマンは脳内で忠告すると、慌ただしく消えていった。

エドウィンは、「実に大胆な計画を完璧にやり遂げましたね」と言ってトーランに称賛の拍手を送った。

カタストロフの侵攻以来、バンティスは大勢のグレイヴボーンを失った。

そのため、ケハディマンの力が弱まりつつあり、トーランはそのことに気づいていた。

近頃、トーランがエドウィンの顔にますます嫌悪感を覚えるようになったのは、ケハディマンの制御が弱まってきていることで、彼らの自我が取り戻されつつあるせいなのかもしれない。

トーランはエドウィンをにらみ、偵察を口実に、一人でグレイヴボーンドラゴンに乗って高々と飛び、ケハディマンの監視から逃れた。

彼は、自らの忠実な乗り物が何か言いたげなことに気づいていた。

空を飛びながら、彼はドラゴンが口を開くのを待った。

「陛下、あなたに会いたがっている人物が...」

グレイヴボーンドラゴンが言い終える前に、トーランはその頭部に剣を突きつけた。

「グレイヴボーンドラゴンよ、余を裏切ったな?」

トーランは脅すように言った。

「いえ。陛下への忠誠心が揺らいだことなどありません」

「我が千年来の同胞が訪ねてきて、陛下にお会いしたいと言っているのです」

と、グレイヴボーンドラゴンは答えた。

余をじっと見つめていた、あの黒い翼を持つ者か。

トーランはそう考えた。

「あのブンブンとうるさいハエか? ふん、身の程知らずな野望を抱えているのなら、バンティスのグレイヴボーンドラゴンにしてやっても構わないぞ」

そう言いながら、トーランは剣を収めた。

脅威だろうとチャンスだろうと、対処しなければならない。

グレイヴボーンドラゴンがトーランをひと気のない山頂に連れて来ると、黒い翼を持つ者はすでに人の姿に変身していた。

その人物は、「グレイヴボーンの王者よ、俺の名はスカラン。ブルーウィングの長老だ」と言った。

トーランとブルーウィングのスカランがどんなことを共謀しているのかは、誰も知らない。

だがすぐに、ケハディマンが身を潜めている墓が何の前触れもなくカタストロフの大軍に侵攻された。

「トーラン、グズグズするな。カタストロフどもを殺せ!」

ケハディマンの声がグレイヴボーンたちの脳内にけたたましく響いた。

恐怖の王は無数のグレイヴボーン兵士を召喚して自らを守らせたが、カタストロフの侵略を止められなかった。

彼はやむなく、最後の希望であるトーランのドゥームガードを招集した。

絶体絶命の危機に瀕したその時、トーランがグレイヴボーンドラゴンを操って駆けつけた。

ドラゴンは墓室の屋根を突き破って降下し、瓦礫でカタストロフを押し潰した。

そしてグリーズルはドゥームガードを率いて隙間から飛び降り、カタストロフたちを一掃した。

「トーランめ、汚らわしいカタストロフどもの侵攻を許し、俺の墓までも破壊するとは...」

疲弊したケハディマンは、すでに力をかなり消耗していたが、自身に忠誠を尽くさないフォールンキングに罰を与えようと考えた。

「ひざまずけ!」

恐怖の王は魔力でトーランを屈服させようとしたが、トーランはむしろ背筋を伸ばし、ゆっくりとケハディマンに近づいた。

「何をした?」

ケハディマンの大きな目は忙しなく泳いだ。

「同類とある取引をしただけだ」

トーランはスカランのドラゴンクリスタルを取り出した。

明らかに計画的な反乱だ。

トーランは、カタストロフの侵攻を理由にケハディマンに近づき、ドラゴンクリスタルの力で恐怖の王の制御に抵抗し、すべてを支配していたグレイヴボーンの目に、ようやく近づいたのだ。

トーランは大きな剣を高々と掲げて雷を呼んだ。

雷は、墓の天井に開いた穴を通ってケハディマンに落ちた。

「余はかつてはバンティスの王、現在はグレイヴボーンの王である」

墓地には雷鳴が轟いていたが、トーランの言葉は誰の耳にもはっきりと届いていた。

「余は、ただ一人の死の主にだってなろう!」

トーランの巨大な剣が、ケハディマンの目に突き刺さった。

荒々しい稲妻がそこに絶えず流れ込み、ケハディマンの目はバラバラになって消滅した。

「バンティスの王、グレイヴボーンの王、ただ一人の死の主、我らが王万歳!」

グリーズルがひざまずいてこうべを垂れると、ドゥームガード全員とグレイヴボーンドラゴンがそれに続いた。

「陛下、ご命令を。これから、いかがなさいますか?」

グリーズルが問いかけた。

「魅力的な力だ。いつの日か、永遠に余のものとなろう」

トーランは、欲深げにドラゴンクリスタルを眺めながら言った。

「だがその前に、ふふ...守らねばならぬ盟約があるだろう? まずはカタストロフを一匹残らずせん滅するぞ」

 

ドリーのコーナー

トーランは一見すると残忍で暴虐的な振る舞いでバンティス全体を支配している人物のように思える。

しかし彼は、これらすべてが表面上のものに過ぎず、実際には自分がケハディマンの意のままに操られる人形にすぎないことをはっきりと理解していた。

彼の言動は常に相手の監視下にあり、側近や顧問の中にさえ、ケハディマンが送り込んだ密偵がいた。

トーランの一挙手一投足が支配され、命令を下すたびに、彼の脳裏にはケハディマンの声が響いていた。

その強力な精神的支配により、トーランのあらゆる決定が見えない力に監視され、操作されているかのようだった。

しかし、この支配が彼の野心を削ぐことはなく、むしろ長い歳月の中で、真の権力に対する執着と渇望を育んでいった。

彼はケハディマンの命令に従い、バンティスに仕えているように見せかけたが、操られる傀儡にすぎないという立場を心から受け入れたことはなかった。

グレイヴボーンドラゴンとの交流を経て、トーランはチャンスを見出した。

彼を見つめる黒い翼こそが盟約のきっかけだった。

トーランは躊躇なくチャンスを掴んで、ブルーウィング部族のスカランと取り引きを交わし、ドラゴンクリスタルの力を借りて恐怖の王を裏切った。

ケハディマンを倒したトーランは、死の領域の頂点に立った。

彼はグレイヴボーンの大軍の中央に立ち、彼らの忠誠と服従を感じ取った。

しかし、彼はこれだけではまだ不十分であることを知っていた。

彼は真の力、最も純粋な力を渇望していた。

死のシンボルとなり、生と死、そして時空をも越えてこそ初めて、すべてを完全に支配できるのだ。

その時になってようやく、トーランの望みが満たされるのだろう。

 

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