スカラン

ページ名:スカラン

スカラン【雷の蒼翼】

概要

呼称 雷の蒼翼
陣営 竜族
身長 220㎝
趣味

・一族の紋章を彫ること

・月夜での飛行と探索

好きなもの

・静かな夜

・忠実な盟友

嫌いなもの

・議会の頑迷さ

・虚礼

現在地 竜の島
現在の身分 ブルーウィング部族の長老
関連人物

【盟友】

トーラン

ストーリー

トーランがグレイヴボーンドラゴンに乗って地上に降り立った時、沈みゆく太陽はバンティスの連なる山々の下に沈もうとしていた。

山頂では冷たい風が吹き荒れ、この地に踏み入れる者を引き裂かんばかりだった。

薄闇の中で、スカランの背の高く細い姿が待ち構えており、その優雅な紫のマントが風に吹かれて激しく翻っていた。

小さな龍が彼の首に巻き付き、警戒した様子で目の前のグレイヴボーンの王を見つめていた。

スカランは若く見えるが、その目には見掛けに寄らぬ何かが隠されていた。

それは、意志が重圧に耐え抜いて生まれた冷静さだった。

満月が高く昇り、二人の対峙を見守っていた。

彼らは言葉で戦うことになる。

「グレイヴボーンの王よ、俺はスカラン、ブルーウィングの長老だ。取引をしたい」とスカランが沈黙を破り、冷静で確固としていて、竜族特有の威厳を帯びた声で言った。

「お前がケハディマンの支配に甘んじていないことは分かっている。あいつがお前を甦らせたとはいえ、お前はあいつの操り人形にはなっていない」

トーランは顔を曇らせ、スカランの一言一句を慎重に嚙み締めた。

来る途中、トーランの忠実なグレイヴボーンドラゴンから、目の前の人物に関する事実をいくつか聞いた。

この若い竜族の長老は、かつてはグレイヴボーンドラゴンの親友だったという。

彼は現在の竜の島の議会で最も若いメンバーで、古く衰退した一族、ブルーウィング族を代表しているとのことだった。

トーランは目を細め、かすれた声で言った。

「現存する竜族か? ふん、お前はいつから余の国を窺っていたのだ? カタストロフの侵攻を阻むのに忙しくて、お前に対処する余裕がないと思ったか?」

スカランの口元にかすかな笑みが浮かんだ。

「俺は脅しに来たのではない。ただ双方にとって利益のある取引をしに来ただけだ」

「お前の言う取引きとは何だ?」

トーランは探るように尋ねた。

ブルーウィング族の長老が右手を伸ばすと、彼の体がわずかに光り、奇妙な結晶が彼の手のひらに現れた。

空気中に突然強い圧迫感が漂い、まるで天地のエネルギーがすべてこの結晶に引き寄せられているかのようだった。

スカランは平静を保ったまま、「ドラゴンクリスタルだ、トーラン。俺は、竜の島の議会から任務を託された。それは、共にカタストロフに抵抗するため、エスペリアでドラゴンクリスタルを託すに値する人物を見つけることだ。俺はこのドラゴンクリスタルをお前に託してもいいと考えている。この中には我が一族の強大な力が宿っていて、カタストロフを撃退するだけでなく、ケハディマンの束縛からお前を解放させることもできる。そして見返りとして、ブルーウィング族の再建に力を貸してほしい」

こわばったトーランの顔にかすかながら驚きの色が浮かんだ。

彼はドラゴンクリスタルについて詳しくは知らなかったが、その力が並外れたものであることは感じ取れた。

そしてスカランがそれを彼に渡そうとしていることに、疑念を抱かずにはいられなかった。

そばにいたグレイヴボーンドラゴンが突然口を開いた。

「ドラゴンクリスタルは竜族の秘宝だ。スカラン、本当にそれを我らに渡すつもりか?」

スカランは物思いに耽たように、過去の痛みを噛みしめながら言った。

「友よ、かつて俺がお前の遺骸をこの異国の地に残さざるを得なかったことを許してくれ。お前は知らないだろうが、かつて若かった俺たちが、誇りと反抗心から竜族の教えに背いて故郷を離れた時、竜の島にも災いが降りかかった。宇宙の彼方からカタストロフが襲来し、ブルーウィングだけがそれに立ち向かうことができた。だが戦いの最終局面で、議会は許されざる決断を下した。ブルーウィングかつて五大純血竜族の一つで、強大で高貴な種族だった。それなのに、議会は俺たちを捨て駒にすることを決め、孤立無援の俺の仲間がカタストロフの大軍と共に滅んでいくのをただただ見ていただけだった。他の種族の存続と統治を守るために、彼らはブルーウィングの滅亡を選んだんだ」

スカランの声が突然低く、怒りに満ちたものになった。

「お前がバンティスで倒れた後、俺は竜の島に戻った。だが俺の仲間はほぼ絶滅していて、忠実な伝令兵一人だけがかろうじて逃げ延びていた。そいつは俺を見つけ、議会がこの真実を覆い隠す前に、その時起こったあらゆることを俺に伝えた。俺たちは若くて無知だったが、腐った議会に対する考えは間違っていなかったんだ。俺は竜の島を変え、一族を再興させなければならない。だがそのためには力を蓄え、機を待つ必要がある」

「若かった俺は決意を固めた。表向きは心を改め、竜族の伝統に従うふりをした。長年の間、俺は才能を隠して力を蓄え、ほかの竜族の警戒心を解いた。奴らは表面上は依然としてブルーウィングを尊重していたから、ブルーウィングは議会の席を失わなかった。それもこれも、俺が奴らの信頼を得るために自分を取り繕ったおかげだ。だが俺は、自分が背負った使命を決して忘れず、今日まで待ち続けていた」

トーランは黙って聞いていた。

裏切りと復讐、これらの感情は彼にとってあまりにも馴染み深いものだった。

フォールンキングは低い声で言った。

「復讐の物語には馴染みがある。だが、お前は余に何を望んでいる? ブルーウィングの運命と余に、何の関係がある?」

スカランは落ち着いて答えた。

「お前には、グレイヴボーンの力を使って、勇敢に戦い戦死した俺の仲間たちを蘇らせてほしいんだ」

「ここに来て、俺の親友が蘇ってお前の臣下となっていることを知った時、お前が俺と釣り合う能力と野心を持っていると確信した。ケハディマンはお前にグレイヴボーンの権力を与えたが、お前を盟友として見ていない。お前がまだあいつがソトロン大陸を侵略する道具である限り、決して自分の運命を掌握できない」

トーランがかすかに眉をひそめた。

彼はスカランの見解に同意したが、恐怖の王の強さと狡猾さを恐れてもいた。

ケハディマンの支配から逃れるのは容易なことではないだろう。

「余がケハディマンを倒せると思っているのか?」

トーランの疑念が晴れず。

スカランはトーランの話を聞いて、冷たい視線を向けた。

彼はドラゴンクリスタルを掲げ、威厳のある声で断固として言った。

「このブルーウィングのドラゴンクリスタルは、雷を操る秘宝だ。お前はこの力を目の当たりにすることになる」

彼の言葉と共に、ドラゴンクリスタルから強烈なエネルギーの波動が放たれた。

空が突然色を変え、それまで明るかった月光が瞬時に分厚い雲に飲み込まれた。

強風が轟音を立てて吹きつけ、まるですべての気流がドラゴンクリスタルの操作下で逆転したかのようだった。

山頂全体が息詰まるような暗闇に包まれた。

突然、まばゆい稲妻が空を引き裂き、スカランの手にあるドラゴンクリスタルに直撃した。

轟音が耳をつんざき、大地を引き裂くかのようだった。

スカランの意志に従い、ドラゴンクリスタルが激しく輝き、まるで怒り狂った雷竜が空で咆哮を上げているかのように、山頂全体で震わせた。

トーランはドラゴンクリスタルをじっと見つめると、雷竜が彼のヒゲ一本一本を逆立たせた。

まるで暴風の中で揺れる枯れ草のようだ。

グレイヴボーンの王といえど、この強大な力に感服せざるを得なかった。

スカランは誇らしげに言った。

「人間にとって、ドラゴンクリスタルは運命を変える力だ。俺たちが手を組めば、この力はお前のものとなる。これがあれば、ケハディマンの支配を覆すことなど造作もない」

トーランの目に、貪欲の炎が宿り始めた。

彼はこの若い竜族の長老の気迫を感じた。

危険で魅力的なこの取引は、恐怖の王の支配から抜け出す唯一のチャンスかもしれない。

「実に度胸があるな、余の前でこんな芝居を打つとは」

トーランはしゃがれた声を上げた。

「取引に応じよう、スカラン。お前のちっぽけな悲しい物語に興味はないが、これも互いに必要なものを得るためだ。それと、いいか? もしお前が余を裏切ろうとすれば、この手でお前を引き裂き、お前の骨をカタストロフどもに投げ与えてやる」

スカランが勝利の喜びを見せた。

この交渉が望んだ結果に達したことを確信した。

「裏切りは俺のやり方ではない。俺たちは互いに、これが危険な企みであり、その賭け金は俺たちのすべてだということを分かっているだろう?」

ここまで話が進むと、トーランはもう何も言わなかった。

彼はグレイヴボーンドラゴンに乗り、まだ立ち込めている黒い雲の中へと姿を消した。

スカランは山頂に立ち、竜の島の方向を見つめていた。

肩に乗った竜が低い唸り声をあげ、主人の心の動揺を感じ取ったかのようだった。

竜の島の未来、ブルーウィングの復興、そしてソトロン大陸の興亡さえも、この交渉によって大きく変わろうとしていた。

力と復讐と運命を巡る賭けが、ゆっくりと幕を開けたのだった。

 

ドリーのコーナー

スカランは若い頃、非常に反抗的だった。

彼は生まれつき自由奔放で、伝統的な竜族の礼儀や作法を毛嫌いしていた。

彼はいつも遠慮なく、議会の長老たちの頑固さや古臭さを指摘し、彼らが竜の島を統べる能力さえも疑問視していた。

彼の率直な行動は同輩たちの好意を勝ち得たが、長老たちの不興も買ってしまった。

一族の中で、スカランは「奇想天外」な提案をする若者とされ、真剣に扱われることはほとんどなかった。

部族会議での激しい論戦で、彼は長老たちが弱腰で無能だと公然と非難した。

口論の後、スカランは友と共に怒りを抱いたまま竜の島を去り、未知なる旅に出ることを選んだ。

彼は友と共に外の世界を探索し、その広大さと素晴らしさを感じ取った一方で、カタストロフの大軍の影がソトロン大陸全体を徐々に覆い始めているのを目の当たりにした。

その時のスカランは一見悩みも心配もない生活を送っていたが、心の奥底では常に一族のことを気にかけていた。

彼自身は気づいていないかもしれないが、彼は一刻たりともブルーウィング部族のことを忘れていなかったのだ。

そして、友をなくした後、彼は竜の島に戻り、一族が全滅したと知り、怒り、罪悪感、後悔が大波のように彼を襲ってきた。

彼は一族を守ることも仲間たちと共に戦うこともできなかった自分の未熟さを思い知らされた。

悲しみの中、スカランは一族の仇を討つことを決意した。

その時の彼は、忍耐と謀略を学び、才能を隠し、改心したふりをして、議会に従い、一族の議席が削減される決議を従順に受け入れ、無害のように装って他の部族の信頼を勝ち取った。

同時に、スカランは議会内部の権力闘争を巧妙に利用し、何とかブルーウィング部族の議席を確保した。

たとえ一族がうわべを飾るシンボルしか残っていなくても、彼はわずかな希望を掴み取るしかなかった。

長年の忍耐によって、スカランはより冷静で思慮深くなり、徐々に真の策士へと成長した。

トーランと協力関係を結ぶことで、彼はブルーウィング部族を復興させる機会を得た。

彼の心には復讐の炎が燃えているが、表面上は常に謙虚で落ち着いていた。

スカランの野心は完璧に隠されており、議会で最も賢明な長老でさえ気づくことができなかった。

 

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