不気味な魔術師

ページ名:不気味な魔術師

ストーリー

ケイリン城はエスペリアで誰もが認める芸術の都で歌劇、絵画、音楽など様々な芸術がこの都で生まれ、発展し、名を残していった。

ライスト親王からケイリン城の上流社会、そして庶民までみんなが芸術をこよなく愛していた。

こうしたケイリン城住民たちの芸術に対する情熱と抱擁が全世界の芸術家たちをケイリン城に呼び寄せた。

街の中心には超大型劇場が立てられ、メガシャーク劇団を始めとする芸術家達がこの舞台で自分の芸を演じてきた。

そしてこの中には「マジックで変えられない物は無い」と言われる大魔術師のガストンも含まれていた。

カードマジック、ハットトリック、空中浮遊......ガストンにできないマジックはなかった。

そしてその中でもガストンが一番得意としているマジックは手に汗握る人体切断マジックであった。

ガストンは類稀なる魔法の才能を持って生まれた男だった。

この舞台の演出と観客の歓声に酔いしれたマジックの天才は、来歴不明の怪しい魔法についても少し研究をしていた。

しかし、あるマジックショーでガストンは大きな失敗をしてしまう。

巨大な劇場に観客は満席、そして観客たちも息を呑んで見ている中でガストンは自分を使って自分の身体と首を分離するマジックを披露した。

そしてこのマジックは史上最も恐ろしい演出とされていた。

まさかマジックが失敗すると思わない観客たちは首が身体から離れた瞬間から拍手喝采を始めたが、次の瞬間歓声は悲鳴へと変わった。

ガストンの首は身体に戻ることなくそのまま地面に転げ落ちてしまったのである。

中でも一番前に座っていた貴婦人は精神が錯乱してしまう。

ステージから転げ落ちた首がちょうどその貴婦人の懐に落ちてしまったからだ。

ケイリン城は騒然となった。

ガストンのマジック失敗のニュースは瞬く間に知れ渡り、新聞もニュースもこの話題で持ちっきりだった。

しかし新聞の最後の行には不可解な一文が書かれていた。

事故の夜、混乱が収まったあと、ガストンの身体が現場から消えてしまったのである。

そして時間が過ぎ、この「事故」も次第に人々の記憶から薄れていた。

そして人々がまたこれまで通り芸術に熱中していた頃、ケイリン城には邪悪な影が密かに機会を伺っていた。

 

「私とともに、このドアの先の奇跡を見届ける準備はできているかな?」

ーー不気味な魔術師

 

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