ネオファ

ページ名:ネオファ

ネオファ【レディ・グリーン】

概要

呼称 レディ・グリーン
陣営 ヴェルディア連盟
種族 木元素の守護者
身長 168㎝
趣味 旅の中で色んな花木と出会うこと
好きなもの 生命力旺盛な植物
嫌いなもの 貪欲なヒューマン
現在地 死の島
現在の身分 木元素の守護者
関連人物

【風元素の守護者】

レスぺ

【土元素の守護者】

グラニト

【水元素の守護者】

シリウス

ストーリー

ネオファは『死の島』に来る前に、

各地をくまなく旅していたーー

木の元素を司る、『蒼翠』の

エレメントガーディアンであるネオファが、

ユグドラシルの外に初めて出た頃、

人間の社会に興味を持っていたのだ。

その頃の彼女は、旅人の格好で町に入り、

植物に対する知識を利用して人間社会に

溶け込んでいた。

人間社会の中で過ごしていくうちに、

自然を愛する貴族のお嬢様と

出会うこととなる。

ネオファはお嬢様にとても気に入られ、

お嬢様専用の庭に招待された。

巨大なガラスに包まれた庭には、

様々な植物が植えられている。

低木の端はきれいに刈り込まれ、

自然の中での姿とはかけ離れていて、

本来の美しさはないように思えた。

お嬢様の話によると、

このガラスは庭の温度を一定に保ち、

さらに下等な雑草を庭に入れないように

しているのだった。

貴重な花や木がたくさんあったが、

ネオファはその庭が好きになれなかった。

なぜなら、本来なら崖の上や

谷の奥に生えている植物が、

人間の手で摘み取られ、

今では小さな庭にびっしりと

植えられているからだ。

気分が悪くなったネオファは、

帰る意思を伝えるも、

貴族のお嬢様から予想外の反応が

返ってきた。

なんと、自分のものにならないと

思ったのか、お嬢様は護衛を呼んで

帰ろうとするネオファを無理やり

引き留めようとしたのだ。

どうやらネオファのことを

永久的に庭の世話をしてくれる人だと

思っていたらしい。

怒りを覚えたネオファは、

庭に咲くツルに急成長させる魔法をかけ、

護衛とともにお嬢様を縛り上げて、

去っていったのだった。

その後ーー

ネオファはいくつかの都市を旅するも、

どんどん人間が嫌いになっていった。

気に入ったものを

すべて自分のものにしようとする人間は、

まるで穴が空いたバケツのように

どれだけ手に入れても

心が満たされることがなく、

次から次へと手を伸ばしていく。

人間の心は鬱蒼とした森のようで、

花が隠れているのか、

穢れが隠れているのかわからない。

ネオファは自然と

人間から離れていくようになり、

ありのままの姿で咲き誇る花や

木々の美しさを楽しもうと、

山や原野を旅するようになったのだった。

いろいろな場所を旅していたネオファは

次の目的地を海に定めていた。

巡り巡って、彼女は最終的に

『死の島』という遠く離れた寂れた場所に

たどり着いたのだった。

島を回ってみると、

そこには『怨生者』と呼ばれた

亡霊が暮らしていることがわかった。

元々バンティス帝国の

一般市民たちだったが、

暴君トーランによる虐殺、拷問、

呪いによりグレイヴボーンに

成り果ててしまったのだった。

ただ、普通のグレイヴボーンと

異なるところは、

彼らは生者でも死者でもないこの呪いから

解放されることを切望している。

バンティスの黒鉄の牢獄から脱出後、

彼らはこの寂れた島で

隠れて暮らすようになったと

ネオファは聞いた。

運命にすべてを奪われた『怨生者』たちは

人々から見て不幸な存在だが、

彼らはそれでも懸命に生きている。

ほろ苦いものではなく、

今ある目の前のものを心から

楽しんでいるのだ。

外界の争いから遠く離れたこの島は、

彼らにとって十分ありがたい存在だった。

この島にたどり着いたネオファは、

見るもの聞くものすべてに対して

驚きを隠せない。

大勢のグレイヴボーンが

互いに笑い合っているなど、

誰が想像できただろうか……。

ネオファは、『怨生者』の姿が

岩の隙間に生える

野花のようなたくましく美しい生命の姿と、

重なって見えた。

ネオファは『怨生者』たちと

親しくなっていった。

家を修繕することが難しかったのか、

ところどころ壁が朽ち果てていて

不安定な建物が多く見られた。

ネオファはツタを使って住居の修繕を

手伝うなど、彼らの生活に

馴染んでいったのだった。

ある日、ネオファはコールという名の

子どもに出会う。

子どものグレイヴボーン……

口にするのも憚れるほど痛ましい。

あまりにも早く失われた命ということだ。

島の中で唯一子どもだったコールは、

8歳のときにグレイヴボーンとなり、

その後、両親と一緒に

この『死の島』にやってきたらしい。

ネオファは、コールがいつも

何か言いたげにこっそり見ていることに

気づく。

彼女が声をかけると、

コールは恥ずかしそうに口を開き、

苗木の世話をネオファから教わりたいと

お願いしてきた。

グレイヴボーンとして成長することが

できないコールは、

自分の代わりに木が高く高く育つようにと、

苗木を植えたらしい。

「苗木の成長を見てるとね、

なんだか自分も成長してるような

気がするんだ。

だけど、最近ちょっとおかしくて……

なんかの病気にかかったみたいで、

成長がとまっちゃったんだよ」

話を聞いたネオファは苗木のもとへ行き、

コールに病気の治し方を教える。

すると、彼女の指導と

コールの丁寧なお世話のおかげで、

苗木は徐々に息を吹き返していった。

ネオファたちは、

この苗木が『死の島』の中で一番高い木に

成長するのを見届けようと約束した。

コールは自信満々な笑顔を

ネオファに見せる。

だが、次の瞬間ーー

突然コールは苦しそうな顔で

地面に倒れこんだのだ。

ネオファは急いでコールの両親のもとに

連れて行った。

両親から受けた説明で、

この苦痛は不死から解放を願う者の

代償であると知った。

時を経るたびに、『怨生者』たちは

魂からの苦痛を感じるらしい。

大人ならまだ耐えることができるが、

コールはまだ子どもだ。

苦痛で歪んだ表情をしている

コールを見つめ、

ネオファは両手を差し出した。

すると生命の息吹が彼女の手から流れ、

コールを包む。

次第にコールの表情は安らかになり、

規則正しい寝息に変わった。

その様子に安心して、

ネオファはコールの家から

立ち去ろうとした。

扉に手をかけたその時、

ネオファはふと立ち止まる。

不安がよぎったのだ。

以前接した人間と同じように、

『怨生者』たちは苦痛を和らげることが

できる自分を島に留まるよう

強要するのではないかと……

だがその時はその時だ。

彼女はこの島から離れるしかない。

不安を抱えたまま

ネオファは家に戻っていった。

翌日ーー

昨日までの不安は一気に

吹き飛ぶことが起きた。

ネオファがこの島から立ち去ろうと

荷物をまとめて家の扉を開けると、

扉の前にはコールが立っていたのだ。

ネオファの胸はドキリと嫌な音を立てた。

何を要求されるのかわからず

不安に思っていると、

コールの手に小さな包が握られていて、

それを渡された。

開けてみると、

その中には『怨生者』たちが

『死の島』からかき集めた

様々な種が入っていたのだ。

ネオファの苦痛を和らげる能力は、

『怨生者』たちにとって

当たり前のものではなかった。

呪いに縛られている彼らは、

束縛のつらさをよく知っている。

そのため、ネオファに何か要求を

するのではなく、

ただひたすら彼女に救われたことを

感謝するだけだったのだ。

「ネオファおねえちゃん、

もう行っちゃうの?」

「バカね。

まだ木が大きくなっていないじゃない」

 

ドリーのコーナー

ネオファを知るものは皆、彼女のことを賞賛する。

彼女の美しさ、彼女の優しさ、彼女の神がかりな治癒の力、彼女が持つ植物の知識...。

しかしネオファにとって、賞賛の言葉は重荷でしかない。

長い時間の中で蓄積された感謝と賛辞は、理不尽な要求と期待に変わり、彼女を束縛する枷になった。

エスペリアの木元素の守護者として、ネオファには大陸の異変を監視する責務がある。

その責務に乗じて、ネオファはずっと憧れていた周遊の旅に出かける。

彼女は森の外の広い天地と、世界各地の花と木を見て回りたいのだ。

見たことのない風景とヒューマンの社会への好奇心を胸に、ネオファはヒューマンの街にやって来た。

そこのヒューマンたちは、花草の価値を勝手に決め、植物を土から掘り出し、狭い植木鉢の中へ放り込んでいた。

ネオファはそういったやり方に嫌気が差し、街から出ることにした。

しかし人々は、植物を束縛するように、彼女のことも無理やり引き留めようとした。

たくさんのヒューマンを見てきたネオファは、ヒューマンのことがますます嫌いになった。

植物のことは、ひと目見れば全て分かるのに、ヒューマンだとどんなに観察しても理解できない。

人の心に潜む欲望は、底が知れないのだ。

紆余曲折を経て、ネオファは荒れ果てた島「死の島」にやって来た。

島中に溢れかえる命の気配は、ヒューマンの都市の虚偽の繁栄とは全く違うものだ。

ネオファは怨生者たちから、命のしたたかさと美しさを感じた。

彼らは何も持っていないのに、何も望まず、ただただ生きる時間を楽しんでいる。

ネオファはグレイヴボーンの男の子に苗木の育て方を教え、彼の苦痛を癒やしてあげた。

怨生者たちも結局、自分を無理やり引き留めようとするのではないだろうか?

ネオファのその不安は、杞憂に終わった。

怨生者たちは、何も言って来なかったのだ。

ネオファは彼らの素朴さと誠実さに感動し、ここが自分の居場所だと、心から思った。

そして、この島に住みたいと彼女は決めた。

 

スキン【けだるい午後】

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