レスぺ【風の子】
概要
呼称 |
・風の子 ・風エレメント守護者 |
陣営 | ヴェルディア連盟 |
種族 | 元素の守護者 |
外見年齢 | 16歳 |
身長 | 168㎝ |
性格 | 気まぐれ |
好きなもの |
・人に褒められること ・カザードから貰った全て |
嫌いなもの |
・他人から勝手に定義されること ・自分を怒らせること ・カザードを怒らせること |
故郷 | 海の大嵐 |
現在地 | 狂風の神殿 |
現在の身分 | 風エレメントの守護者 |
関連人物 |
【命の指導者・宿敵】 ・カザード 【水元素の守護者】 ・シリウス 【木元素の守護者】 ・ネオファ 【土元素の守護者】 ・グラニト 【協力者】 ・セイン |
ストーリー
『王国航海日誌』によると、
風の子レスぺはまれにみる大嵐によって
生まれたというーー
その嵐は沿岸都市のほぼ全域を飲み込み、
狂風となって大地のすべてを空に巻き上げる。
『エレメントの咆哮』と呼ばれる奇怪な現象は
レスぺの誕生を知らせた。
彼の周りにいる風たちが
レスぺの目と額に優しく触れ、踊り出す。
そして、あちこちからやってきた風が
彼と共鳴し合い、世界の声を届けたのだった。
人々の泣き叫ぶ声、悲痛な声、怒号……
悲しい声ばかり彼に運ばれていく。
レスぺは生まれたばかり。
自身の力をコントロールすることが
できなかった。
その風の力は勢いを増していき、
ブライト王国の海岸は風によって引き起こされた
大波に飲まれていく。
なす術がないレスぺの前に、
高潮の神殿のガーディアンである
カザードが現れた。
温和な性格のカザードは、
生まれたばかりのレスぺを見て口を開く。
「私が制御する方法を教えてやろう」
優しい眼差しを向けられたレスぺは、
カザードのもとで学ぼうと決意する。
飲み込みの早いレスぺは、
すぐに自身の力を制御する術を会得して、
狂風を鎮めたのだった。
穏やかで静かな海が戻り、
人々は歓喜の声を上げた。
だが、風は温度や地形などの
要素によって変わる。
そのため、風から生まれたレスぺも
その影響を受けていて情緒不安定だった。
レスぺと会ったことのある船乗りなら
誰でも知っている。
穏やかで凪いだ海、
絶好の航海日和と思った矢先、
突然風が吹き荒れ、
たちまち船が海に沈んでしまうことを。
レスぺが不安定な時は、
船乗りたちはただ船室で
『風の子』が落ち着くことを祈るしかなかった。
レスぺがこんな性格であるため、
自身の力を完璧にコントロールすることが
難しかった。
自然界の五大元素はお互い密接に繋がっている。
そして元素の世界のバランスを維持するため、
ガーディアンたちは常に協力し合っていた。
初代エレメントガーディアンは、
神々から使命を受けているが、
後継者たちは自然界によって育成される。
レスぺもその1人で、
彼の情緒が不安定になるたび、
カザードに力の制御方法を教え込まれていた。
次第に、レスぺは
エレメントガーディアンとして
責任感を持つようになっていった。
やがて無秩序に嵐を引き起こすこともなくなり、
ブライト王国沿岸都市の人々はこれまでどおり、
安泰に暮らせるようになったのだった。
不安定な気候から一変、
穏やかな日常を取り戻した港町の1つである
サングストは繁栄し始める。
しばらくすると、
沿岸に帆船が溢れるようになった。
そして、サングスト城という城が建設され、
『千帆の都』と呼ばれるようになる。
人々はこの港町に繁栄をもたらしてくれた
レスぺに感謝の気持ちを込めて、
『風の子』と呼ぶようになったのだった。
海の秩序が戻ろうとしていた時ーー
カザードが忽然と姿を消した。
風の情報を頼りにカザードを探し続けたが、
手がかりも何も見つけることができなかった。
もしかしたら、
カザードが自然へと帰ったのかもしれない。
すべての元素生物は
最後には自然へと帰るからだ。
だが、新たなエレメントガーディアンの
誕生する気配がない。
カザードの失踪にレスぺは
この上ない孤独を感じ、深い悲しみに包まれた。
災厄の気配を感じたレスぺは、
元素の地にやってきた。
すると……
少しでも動けばすべてのものを凍らせるような
張り詰めた気配を漂わせている
カタストロフが立っていた。
ゆっくりと歩きだすと、
邪悪な存在は元素の壁を破壊し、
巨大な元素の台座に触れる。
その瞬間、レスぺは
このカタストロフの力によって
台座が破壊されると感じ取った。
そうなると、
エスペリア全体の元素が乱され、
神々の力もそれにより崩れ去ってしまうのだ。
なんとしてでもそれは避けなければならない。
レスぺは一歩踏み出し、
カタストロフの攻撃を阻止しようとしたが、
思いとどまってしまった。
なぜなら……
「カザード?」
その姿が、かつて自分が慕っていた者の面影と
そっくりだったからだ。
「……?」
レスぺの声に反応したカタストロフが
ゆっくりと振り返る。
やはり間違っていなかった。
「カザード!」
どんなに探しても見つからなかった相手が
目の前にいるのだ。
心の底から嬉しい気持ちが湧き上がるも、
戸惑いを隠せずにいる。
「お前も私を止めに来たのか?
あいつらのように?」
カザードに冷たく言い放たれ、
レスぺはびくりと肩を震わせた。
かつての優しい指導者の姿はどこにもない。
真っ赤になった両目がレスぺを睨みつける。
恐怖のあまり、カザードから目をそらしたことで
レスぺは気づいてしまった。
周りには、カザードによって殺された、
ヴェルディア連盟の『エレメントメイジ』の
死体がたくさんあったのだ。
「どうして……こんなことするの?」
(これはいつから始まったことなんだろう。
いったいどれだけの
エレメントガーディアンたちが
カタストロフに成り果ててしまったんだろう)
悲しみを浮かべた瞳で、
冷え切った死体をレスぺは見つめる。
彼はまだ目の前で起きていることが
信じられなかった。
だが、カザードはレスぺの疑問に
微塵も興味はなかった。
「かわいそうな虫けらめ。
誰の目にもとまることなく死んでいった。
お前にも見せてやりたかったものだ。
こいつらが呆気なく死んでいく姿を」
カザードが吐き捨てるように言うと、
肩に乗っていた氷の蛇がゆるゆると動き出した。
カザードから放たれた氷の刃が、
レスぺの行く手を阻む。
間髪入れず、氷の壁を作り出し、
動きを封じ込めた。
レスぺは生まれてはじめて、窮地に陥る。
彼の周りをいつも飛んでいるウィンドスパローは
必死に体当たりをするが、
堅牢な壁にまるで効果がなかった。
「狂風の力を使わないと、
私の氷の牢獄は打ち破ることができない。
感情を制御できないお前に、
狂風を操ることはできるのか?」
狂風の力を扱えないレスぺを見て、
彼に費やしてきた努力が無駄だったのだと
悟ったカザードは、
さらに冷たい口調で言葉を続ける。
「……お前にガーディアンを名乗る資格はない。
今からでも遅くない、自然に帰ることだな」
カザードが手をかざすと、
氷の壁がどんどん縮み始めた。
壁がレスぺに迫るにつれ、
全身が切り刻まれるような感覚になる。
「以前あなたが、話していた……
ガーディアンとしての……責任……
それは全部、ウソだったの?」
寒さと痛みによって、
だんだん意識が遠のいていく。
「ずっと……思っていたのに……
元素という壁を超えて、
師弟……いや、もっと……
友だちになれると、思っていたのに…………」
レスぺが目を閉じると、
絶望と裏切りによる怒りの感情は
潮のように引いていきーー
レスぺの心に現れたのは、
エレメントガーディアンであるカザードだった。
大きな掌でレスぺの顔をなでながら、
クリスタルのような透き通った目で、
優しく見つめる。
「いつか私が消えてなくなる時がきても、
お前に話したことを決して忘れるな。
私と約束したことも……忘れるな」
ーーレスぺの周りに穏やかな風が吹く。
「…………」
「お前はカザードじゃない」
「カザードは決して他人を批判しない。
ボクに話してくれたんだ。
風のように、自由自在に、
自分がなりたい姿になれと」
レスぺを囲んでいた氷の壁から
エレメントの力が溢れ出したかと思えば、
大きな音を立てて壁が霧散する。
レスぺはしっかりと目を開け、
目の前にいる『カタストロフ』を睨みつけた。
「勝手に決めつけないでよ……
ボクが責任を果たせるかどうか、
それはお前の決めることではない」
「……」
まさかレスぺが自力で
氷の壁を脱出できるとは、
カタストロフにとって想定外だった。
その後、2人がどうなったのかは
誰も知らない……
ただ、レスぺの活躍によって、
元素の地は守られたということだけが
語り継がれている。
海に吹く風は、
これまでどおり子どものように
気まぐれだがーー
『千帆の城』の民はそれでも、
風の子に敬意を表している。
毎年、風のエレメントの日になると、
人々は風の子の彫像の前に花を捧げている。
レスぺはいつも気まぐれで、
まるで予測ができない。
彼はルールに縛られず、
自分がしたいように行動する。
だが、それが時にはエスペリアの大地に
思わぬ恵みを与えることにもなるのだったーー
ドリーのコーナー
レスぺは海でまれに起こる大嵐の中から誕生した。
最初の頃、レスぺは嵐を呼び起こす存在として、船乗りたちに恐れられていた。
それは生まれたばかりで風の力をうまく制御できなかったからで、それはカザードの出現まで続いた。
高潮の神殿の守護者であるカザードは温厚な性格を持つ水エレメンタルの守護者で、優しくレスぺのことを受け入れ、新しく誕生してくる元素の守護者を指導していた。
レスぺにとってカザードは師匠であり友達でもあった。
カザードの指導のおかげで風の力を制御する力を手にし、風エレメンタルの守護者へと成長を遂げた。
そんなある日、カザードが突然姿を消した。
レスぺはカザードから与えられた使命を全うすると同時に、長い年月彼のことを探し続けた。
レスぺが彼を見つけた時、カザードはすでにカタストロフになっていた。
レスぺを守護者の道へと導いたカザードだったが、最後は自らが堕落してしまった。
そんなカザードを目にしたレスぺはかつて彼が自分に対して教えてきたことを思い出した。
あんたは以前何も知らない僕を導いてくれたけど、今の僕はあんたを助けてあげられない。
でも守護者としての責任を教えてくれたこと、僕は永遠に忘れないよ。
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