グウィネス【ロストウィング】
概要
呼称 | ロストウィング |
陣営 | 竜族 |
身長 | 168㎝ |
趣味 | 弓術 |
好きなもの | ウェイトトレーニング |
嫌いなもの | か弱い女のように見られること |
現在地 | 不明 |
関連人物 |
【養父】 【親友】 ・ペギー 【同族】 |
ストーリー
この空気中に漂うにおい……弱さ、無能さ、下劣さ、俺はよく知っている。
これは人間特有のにおいだ。
この虫けらどもめ、よくもこの俺のナワバリに侵入してきたものだな。
まぁ、怪我を負ってから10年以上もここでじっとしてたんだ、そろそろ体も動かさないとな。
俺は胸の傷跡を一瞥した。
これだけの時間が経っても、まだ傷は癒えない。
傷跡には青白いエネルギーの結晶が凝結し、慢性的な毒にでも侵されたかのように、時折焼けるような痛みが襲う。
ロックリザードである俺は、岩のように頑丈な鱗を持ち、そこら辺の武器では俺に傷一つつけられない。
俺は自分の鱗が無敵だと思っていた、あの純血竜の一撃を食らうまでは。
この傷の元凶をはっきりと覚えている……あの蒼白の純血竜だ。
十数年前のある夜、俺と俺の一族は人間の町を略奪していた。
純血竜に遭遇したのはそのときで、ヤツは人間の姿に変装をしていた。
隣には、赤ん坊を抱えた召使を従えていたんだが、ヤツらもドラゴンの化身であることは明らかだった。
その赤ん坊から発せられるドラゴンのオーラ、俺を欺けるはずがない。
「お前を殺してから、その赤子を食らってやる」
俺はその純血竜が忌み嫌うであろう言葉で挑発した。
それは激しい戦いだった。
血統では圧倒的に不利だったが、それを俺たちは頭数で補った。
最終的に、俺がとどめを刺すことで戦いは終結したが、その代償はかなり大きなものだった。
結晶化したドラゴンブレスを食らったことで胸に重傷を負い、俺以外の一族は全滅した。
そして赤ん坊は召使に抱えられ、逃げ惑う人間たちとともに町の外へと消えていった。
彼女を追って始末しようとしたが、胸の傷がそれを阻んだ。
それにただの赤ん坊を逃したところで、問題になるほどのことではない。
今度見つけたら殺せばいい。
なぜ純血竜が再びこの大陸に現れたのかは分からない。
何千年経っても、ヤツらに対する憎しみが消えることはない。
太古の昔、人間が神々と肩を並べたと言われる時代、古代人は純血竜を飼いならしていた。
彼らはドラゴンの血を融合させ、錬金術で亜竜と呼ばれる新種を数多く生み出していった。
俺たちの一族、ロックリザードもその一つだ。
亜竜は呪われた運命を背負って生まれてきた。
人間は俺たちは失敗作とみなし、純血竜は、人間の汚らわしい錬金術によって生み出された怪物、血統を汚す産物だと唾棄した。
純血竜は、人間に酷使されることには反発するくせに、亜竜の苦難を徹底的に無視した。
まるで俺たちの存在そのものが、ヤツらの恥と言わんばかりに。
だが、俺たちを受け入れようとする純血竜も、まったくいないわけではなかった。
やがて、女神デューラの仲介で同盟を結んでくれる純血竜が現れ、デューラの導きによって、彼らは人間界から遠く離れた地、竜の島へと旅立っていった。
しかし、俺の一族が竜の島に足を踏み入れることはなかった。
ロックリザードは、亜竜の中でも悪名高い一族で、俺たちを侮辱する純血竜は一網打尽にして殺してきた。
俺たちの存在自体を冒涜とみなすヤツらなど死んで当然なのだ。
ほとんどのドラゴンが島に旅立った後も、俺たちは人間界へ留まった。
それから何年経ったのだろうか、俺たちは人類文明の没落を目の当たりにした。
神々に肩を並べるとまで言われていたあの人間がだ。
復讐を果たすにはちょうどいい機会だった。
俺たちは人間の土地を略奪し、これまでの怒りを爆発させた。
俺たちが通る場所すべてに恐怖を植え付けていった。
かつてドラゴンを奴隷にしていた人間が、今では俺たちを一目見ただけで顔から血の気がひいてやがる。なんとも皮肉なものだ。
人間のにおいが近づいてくる。
俺は胸の傷跡を舐めた。
ちょうどいい、10年以上ため込んだ怒りを吐き出すときが来た。
人間たちが徐々に俺の視界に入ってきた。
ヤツらは重武装していて、掲げる旗には王家の紋章が描かれている。
どうやら王家の狩猟チームらしいが、残念ながら今回は俺に狩られる側だ。
今、俺の目の前にいる人間たちは、過去に遭遇したどんな軍隊よりも訓練されているようだ。
だが、巨大ドラゴンを相手にするのは初めてなのだろう。
俺を見るなりすぐ陣を乱していた。
乱戦のさなか、異様なオーラが俺の注意を引いた。
それは隊列にいたひとりの少女が発していたものだ。
彼女が放つオーラに俺はすぐ既視感を覚えた。
そして彼女が構えていた特殊な長弓も見た。
人間の町を略奪していたとき、俺はこの武器を何度となく目にしていた。
だが、人間の弱い力でこの弓を扱える者など見たことがない。
いつも数人が協力して矢を放っていた。
しかしその少女は、たったひとりでその長弓を引き放った。
俺は人間の限界を知っている。
この少女、人間じゃない!
次の瞬間、俺の疑念は確信へと変わった。
彼女が纏うオーラはますます濃くなり、ついには凝集し、ひとつの巨大なコアとなった。
俺はその圧力に身動きを取ることさえできない。
この力は明らかに純血竜の血統からだ!
彼女が放った矢が近づいてくるのを見た。
岩の鱗を貫き、頭蓋骨に突き刺さる。
意識が消える前に、あのとき俺が見逃した赤ん坊の姿が脳裏をよぎった。
これもまた皮肉なものだな。
ドリーのコーナー
グウィネスは幼い頃から自分が養子だと知っていた。
たとえ養父ヘンドリックが彼女を十分気にかけ、より一層愛しても、彼女はずっと自分が親密な関係の外にあるという不安感を持っていた。
彼女は自分を愛してくれる人を失望させたくなかった。
これにより、彼女は子供の頃から自分に対して厳しく、努力して、堅実で自信にあふれた戦士になり、少しも怠らなかった。
自分の左腕の銀鱗に触れたとき、彼女は大きなパニックに陥った。
異類になるという恐怖、同時に自分のアイデンティティーに対する混乱もあった。
しかし、グウィネスの体の中でほとばしる力が次第に覚醒したことで、彼女は自分が本当は何者なのか、他人から見て忠実で信頼できる帝国の守護者なのか、強大な力を持つ弓の達人なのか、それとも銀鱗が生えてくるバケモノなのか、疑問を抱き始めた。
彼女は銀鱗を引き剥がし、その力を抑え込み、まるで最初からその血脈がなかったように振る舞うと決意する。
カタストロフが帝都に侵入したとき、彼女は父を守りたい本能が意識に先んじ、体内の力を完全に爆発させた。
ヘンドリックは危機を脱することができ、グウィネスは、この血脈にどのような意味を与えるか、不意に理解した。
彼女はすでに凡人を遥かに超える力を手に入れ、より大きな責任を担い、愛する人を守らなければならない。
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