ヘンドリック

ページ名:ヘンドリック

ヘンドリック【絶対防御】

概要

呼称

・絶対防御

・護衛官

・帝国の忠実な守護者

・指揮官閣下

陣営 ブライト王国
種族 ヒューマン
年齢 51歳
身長 195㎝
趣味 娘と家族団らんを楽しむこと
好きなもの

【昔】

・王国の威厳

・栄光を守ること

【現在】

・娘の幸せ

嫌いなもの

・王国を挑発する者

・頑張っても成し遂げられないこと

故郷 ブライト王国
現在地 ブライト王国
現在の身分 ロイヤル守備軍最高指揮官
関連人物

【養女】

グウィネス

ストーリー

ブライト王国の忠実な軍人、

鉄壁防御のヘンドリックーー

高齢でありながらも、なお力強く、

最も逞しいと言われるババリア部族の

ウルサスと力比べしても負けることはなかった。

そんな勇猛な戦士である彼だが、

優しい心の持ち主でもあり……。

どんな時でも簡単に人を殺めることはせず、

命の危機に瀕する状況でもなければ、

致命傷を負わせるような力を

使うことはなかったのだった。

それは彼の武器からも見て分かるだろう。

他の騎士たちとは違い、

ヘンドリックは長槍や剣などではなく、

一対の重みのある大盾で戦っているのだ。

 

だが、ヘンドリックが昔からそうであった

わけではなかった……。

かつての彼は、善と悪に対して極端であり、

王国に危害を加えようとする悪人は

全員処刑されるべきだと思っていた。

それほどまでに悪を憎んでいたのだ。

 

遡ること十数年前ーー

ある日、王都に届ける兵糧を護送していた

ヘンドリックの部隊は、

途中の渓谷で強盗に襲われたのだ。

強盗たちは粗末な武器を手にし、

食料の一部を渡すように要求した。

その様子から、

ヘンドリックは敵を烏合の衆だと見抜いた。

どんな悪事でも見逃すことができない彼は、

相手に武力で応えた。

統制がとれていない強盗たちは当然、

訓練を受けた軍人に勝てるわけがない。

こんな未熟な輩が、

なぜ軍の物資を奪おうという

身の程知らずなことをしたのか、

ヘンドリックにはどうしても理解できなかった。

しかも、よく見れば強盗たちの足は震え、

剣筋もめちゃくちゃだったのだ。

 

(身体が震えるほど怖いと感じているのなら、

なぜ攻撃をやめない?)

 

強盗たちは縮こまりながらも、

攻撃を続けたのだった。

そんな混戦の中、

ヘンドリックは一人の怪しげな男を目撃した。

どんなに軍人から攻撃されても、

男は一直線に兵糧の輸送車に向かっていく。

たどり着くと、食料ではなく、

ミルクが入った樽を一つ手に取って

駆け出したのだった。

ヘンドリックはすぐさまその男に剣を向けた。

怖がりながらも、男はミルクをぎゅっと抱え、

攻撃をかわそうと必死だった。

 

「往生際が悪い……悪は今すぐ滅ぶのです!」

 

男を追い詰めたヘンドリックは、

躊躇うことなく腹部を剣で貫いた。

だが、男は大量の血を流しながらも、

ミルクを抱える手は離さず、

必死にある方向に向かって進もうとしていた。

だが男が受けた傷は致命的なもので、

しばらくして動かなくなってしまった……。

やがて戦いが終わり、

逃げ遅れた強盗たちは全員その場で殺された。

 

あれだけ威勢のよかった強盗たちだったが、

死体に目をやると、

ほとんどがひどく痩せていて、

粗末な服を着ていたのだ。

それだけでなく、

彼らの武器もほぼ鍬や鋤などの農具だった。

 

「もしかしたら、この人たちは飢えた難民で、

強盗ではないかもしれない」

 

「だが、軍の物資を奪うこと自体が

ブライト王国では死刑に当たる罪だ。

どのような事情があろうとも、罪は罪だ」

 

ヘンドリックはこの者たちを

少し不憫に思い始めたが、自分を慰め、

良心の咎めをごまかそうとしていた。

しかし、さっきの男が取った行動は

あまりにも不審だった。

もう一度、男の死体のそばに行くと、

冷めきったその身体は目を閉じておらず、

うつろにどこかを見つめているように見えた。

 

「向こうに何かがあるのか……?」

 

男のとった行動を解明すべく、

ヘンドリックは部隊をその場に残し、

一人で男が見つめている方へと足を向けた。

しばらくすると、

赤ん坊の泣き声が聞こえてきて……。

慌てて声がする洞窟に向かうと、

そこには毛布に包まれた一人の赤ん坊がいた。

ふっくらした可愛らしい姿ではなく、

顔色が悪くやせ細っていたのだ。

 

その瞬間ーー

男のとった行動が、

走馬灯のように駆け巡って……。

なぜ執拗にもミルクの樽だけを狙い、

必死に生き残ろうとしたのかーー

 

「神よ! 私はなんてことを!!」

 

「赤ん坊から父親を奪ってしまった!」

 

ヘンドリックは自分を呪った。

彼らの身なりをちゃんと見ていれば……。

彼らの話を聞いていれば……。

後悔が大波に乗ってどっと押し寄せる。

膝から崩れ落ち、嘆いていると、

赤ん坊がピタリと泣き止んだのだ。

ふと、目を向けると、

ヘンドリックの顔を見て

無邪気に笑い出したのだった。

赤ん坊の屈託のない笑顔に、

ヘンドリックは感情が抑えきれず、

大粒の涙をこぼしたのだった……。

そして、大事にしてきた家宝の剣を捨て、

震えながら赤ん坊をそっと抱きしめた。

 

「救いの道に終わりなし。

私にできることはただ一つ。

剣を捨て、この身をもって盾となることだ!」

 

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