シェミーラ【グルーミーバンシー】
概要
呼称 | グルーミーバンシー |
陣営 | グレイヴボーン |
外見年齢 | 28歳 |
身長 | 170㎝ |
性格 | 生前は人助けをよくしていたが、極端な悲観主義者で、グレイヴボーンになった後はよりひどくなっている |
趣味 |
・裁縫 ・悲しいメロディーを歌うこと |
長所 |
・生前は町で裁縫が一番得意で有名だった。 ・人助けが好き |
短所 | グレイヴボーンになってからはより悲観的になり、周りの人にまで悲しみを移す |
直らない癖 | 意味もなく悲しみで涙を流す |
好きなもの | 生前はブルーベリーワインが大好きだったが、グレイヴボーンになってから飲めなくなった |
嫌いなもの |
・戦争 ・病気 |
故郷 | ブライト王国南西に位置する小さな村 |
現在地 | ボーングレイヴ |
関連人物 |
【息子】 ・ダイモン 【夫】 ・ニル |
ストーリー
誰しもがシェミーラのその姿を見れば、
美しいと言うだろう……。
しかしそれは、家族を失ったという過去が
彼女を気丈に振る舞わせている。
悲壮感を漂わせる彼女の過去ーー
軍医であった夫ニルが、
職権を悪用して兵士を殺害したという
容疑にかけられてしまう。
冤罪であってほしいと願う彼女の思いは、
軍法会議ですぐさま打ち砕かれ、
夫は死刑に処された。
絶望の淵に突き落とされた彼女に
追い打ちをかけるように、
まもなくして息子のダイモンが
不治の病にかかり瀕死の状態に……。
しかし、医者はなす術がなく、
ほどなくしてダイモンも息を引き取った。
大切な家族を失い、
生きる意味をなくした彼女は、
毎日2人の墓を訪ねては、その前で涙を流した。
声を上げて嘆き悲しむ彼女の声は、
まるで挽歌のようだった。
気づけば涙は血の涙となり、
彼女が墓を訪ねた後は
戦慄する光景だったという。
それも涸れ果てたとき、
彼女は両目の光を失った。
ある日、
自分の名前を呼ぶ懐かしい声が聞こえた。
なんとも言えない感情が
彼女の全身をかけめぐる。
そう、死んだはずの夫がそばにいると
確かに感じるのだ。
彼女は必死に手探りで夫を探し、問い詰めた。
「なぜ罪を犯したの。なぜ家族を捨てたの。
なぜ息子まで死ななければならなかったの」
「息子を救いに来ただけだ」
ニルの冷たく突き刺すような声が響く。
その瞬間ーー
墓の土がぼこぼこと隆起し始めた音と共に
聞こえてきたのは……。
「お母さん、僕、お父さんと一緒に行くね。
もうこの世のものじゃないんだって。
ほんとはお母さんのそばにいたかったけど、
ダメって言われたんだ」
そう、愛する我が子ダイモンの声だった。
何が起きているのか分からず怯える彼女を、
優しく諭すように語りかけていた。
これ以上、家族と離れ離れになりたくない
シェミーラは自分も一緒に
連れて行ってほしいと2人に懇願する。
ついてくるのであれば、生を放棄し、
俗世に忌み嫌われる姿に
形を変えなければいけないと
ニルに言われて……。
家族と運命を共にすると決めた彼女は、
迷うことなく夫と死の契約を
取り交わしたのだった。
シェミーラは巨大な鎌が
自身の身体をつんざくのを、
光を失った暗闇の中でもはっきりと感じた。
しかし不思議と痛みは感じない。
つまり、シェミーラはこの時をもって
この世のものではなくなってしまったのだった。
こうしてシェミーラは家族と再会を果たした。
しかし、彼女の心の中から悲しみは
消えることなく、それは無数の霊魂と化し、
彼女とともに息づいている。
絶望という深淵に落ちたシェミーラ……。
美しき獣……。
「死を恐れないで。
あなたが死を目前にしたとき、
哀しく美しい挽歌が聴こえてくるでしょう。
それは私の悲痛な泣き声なのです」
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