ダイモン

ページ名:ダイモン

ダイモン【凋零の傷】

概要

呼称 凋零の傷
陣営 グレイヴボーン

ストーリー

天の女神様、僕の声、聞こえる? 

僕の名前はダイモンーー

女神様は僕のことを知らないかもしれない。

だって今日、

はじめてあなたにお祈りしているからーー

 

僕にはとても忙しいお父さんと

とても優しいお母さんがいるんだ。

僕のお父さんはお医者さんで、

お母さんは服を縫うお仕事してるの。

すごいのはね、

お母さんは街で一番裁縫が上手ってこと! 

パラティ姉さんのスカートも、

トットおじさんの結婚式に着た礼服も

全部お母さんが作ったんだ。

それからキキの服も。

ほら、見て! 

あっ、そうだ。

キキのことを紹介するね。

彼は僕の一番のお友達で、

6歳の誕生日の時に

お母さんがプレゼントしてくれたんだ。

 

そうだ! 

僕、もうすぐ9歳になるんだよ。

見てよ、すごいでしょ? 

 

あのね、僕、聞いたんだ。

戦争に行ってるひとたちは、

みんなマントを着て、大きな馬に乗って、

僕たちを守ってくれるって。

お母さんが教えてくれたよ。

でもそのひとたちは、みんな傷だらけで、

帰って来れないひともいっぱいいるんだって。

お父さんはそのひとたちを助けるために、

戦争に行ってるんだ。

お母さんが服を縫うみたいに、

傷口を縫ってあげてるって聞いたの。

お父さん、すごいお医者さんでしょ? 

僕の将来の夢もお医者さんだったけど……。

実はね、僕、病気なんだ。

だから、1人でお外に行っちゃダメだし、

お友達とも遊んじゃいけないって

お母さんから言われてるんだ。

お父さんはすごいお医者さんだけど、

お仕事忙しいから僕のこと診れないんだって。

しょーがないよね。

傷だらけのひとたちを

いっぱい助けてるんだもん。

僕、がまんしなきゃ。

 

ねえ、女神様……。

お母さんの言うことをよく聞く子は、

女神様が願い事を叶えてくれるって、

おじいちゃんが教えてくれたんだけど、

ほんと? 

僕、いっぱい言うこと聞いてるよね? 

お願い事聞いてくれるかな……? 

 

あのね、実は……このあいだ……。

僕、お母さんに内緒で、

こっそりお外にでかけたんだ。

1回だけ! 

約束破ったのは1回だけだよ? 

だから、最後まで聞いて……。

 

僕ね。みんなと一緒にお外で遊びたかったの。

だって、かけっこしたり、鬼ごっこしたり

楽しそうなんだもん。

だけど、みんな僕のこと無視したんだ。

どうして? って聞いても答えてくれなくて。

そしたら、サリナが石を投げながら、

僕のお父さんは悪者だって言ったんだ。

背の大きなピーターは僕を押し倒して、

キキを奪おうとしたの。

大事なお友達なのに……。

キキはね、

お母さんが夜遅くまでお仕事してる時、

ずっと僕についててくれるんだ。

僕の内緒のお話もいっぱい聞いてくれたの。

ほんとに、ほんとに大事なお友達なんだ……。

それなのに……。

ひどいよ……。なんでいじめるの? 

僕が病気だから? 

キキをいじめるの、やめてって言ったんだよ。

僕の一番のお友達だからって。

でもやめてくれなかったんだ……。

女神様はキキの声が聞こえる? 

キキは、僕のことをいい子だって言ってくれた。

悪い子は自分の腕をもぎ取った、

ピーターだって言ってるんだ。

キキはこの事を、

お母さんに言いつけたほうがいいって

言ってたけど、僕、言わなかったんだ。

だってお母さん心配するでしょ? 

それに、いつも夜遅くまでお仕事してるから。

邪魔したくないんだ。

だけど、この前見ちゃったの。

服を縫いながら泣いてるところ……。

人はとても痛いときと、

悲しいときに涙を流すんだって

キキが教えてくれた。

それってほんと? 

お母さんに、どこか痛い? 悲しいの? 

って聞いても笑うだけなんだ。

女神様は、

お母さんがなんで泣いてたか知ってるの? 

 

ねえ、女神様……。

僕、いい子だよね? 

お母さんの言うこと、いっぱい聞いてるよね? 

だから……お願い事、聞いて。

 

僕とても苦しいんだ……。

冬が来てから、毎日お腹こわしたり、

熱を出したりするようになっちゃったの。

お母さんはすぐ良くなるって言ってくれたけど、

頭は痛くなるし、

身体も力が入らないんだ。

お父さんに治してもらいたいけど、

ぜんぜん帰ってこなくて……。

冬祭りにも帰ってこなかったんだ。

女神様……僕のお父さんは、

サリナの言っていたとおり、悪者なの? 

窓の外を見るとね、雪がいっぱい積もってて、

太陽の光でキラキラしてるんだ。

いいな、触りたいなって思ってたら、

サリナとピーターが楽しそうに

雪だるまを作ってた。

 

「お母さん、

僕もお父さんと一緒に雪だるまを作りたい」

 

返事がなかったから、お母さんを見たの。

困った顔しながら、

僕の頭をなでるだけで何も言わないんだ。

わがままだったのかな……? 

そしたらね、ウィルおじいちゃんが、

女神様に祈り始めたんだ。

 

「……神よ。

もしこの病が……報いだというのなら、

この老いぼれに報いを受けさせてくれ」

 

元気だったおじいちゃん。

今はもうヨボヨボになっちゃった。

お母さんも、すっごくきれいだったのに、

最近顔色悪いんだ。

 

「ねえ、お母さん。

病気になっちゃってごめんね。

あまりご飯食べられなくてごめんね。

いつも悲しい思いをさせてごめんね」

 

涙を流したくないけど、すごく痛いよ。

でも、この痛みはもうすぐ終わるんだって。

僕たち、もうすぐ新しいところに行くって

キキが教えてくれたんだ。

でもどこに行くんだろう? 

お母さん、僕がいなくなったら、

きっと悲しくて泣いちゃうよ。

 

女神様お願い……。

お母さんを悲しませないために、

新しいところに行ったあと、

お母さんたちに僕の居場所を知らせてほしいんだ。

だって、新しいところに行ったまま、

お父さんに会えなくなるの、いやだよ。

 

僕、お父さんに会いたい…………

お父さんや、お母さ……んと……

離れたく……なーー

 

スキン【雪遊びの友達】

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