パレルモ

ページ名:パレルモ

パレルモ【ブライト枢機卿】

概要

呼称

・ブライト枢機卿

・ブライト司教

・パゴリ伯爵の息子

陣営 ブライト王国
種族 ヒューマン
身長 172㎝
趣味

・読書

・お茶

好きなもの

・導いてくれる聖光

・聖光教典

嫌いなもの 聖光を汚すカタストロフ
現在地 ブライト王国
現在の身分 ブライト司教
関連人物

【弟子】

ベリンダ

ルシウス

ストーリー

数年後、パレルモが司教に就任した時、

彼は17歳で舞踏会から逃げ出した

遠い日の午後を思い出すのだろうーー

それはサバンナで最も輝いていた

時代だった。

ババリア部族が部族間の紛争で

余裕がない中、

ブライト王国は今日も平和で栄えていた。

貴族たちは豪華なドレスで身を包み、

美酒に酔いしれながら宴を楽しんでいる。

今日は各界の著名人が集う

チャリティー舞踏会だった。

パゴリ伯爵の末子である

パレルモ・パゴリは、

ゴブレットを持って会場の隅に立っていた。

彼は舞踏会にはあまり興味がない。

その代わり貴族たちの悲鳴を

今か今かと待っているのだった。

少し前の狩猟で、ロヴィス家の令息に

恥をかかされたパレルモは、

当然のごとく復讐を企てた。

そして、飲んだら無様に嘔吐する謎の薬を

令息のグラスに数滴注いだところだった。

「うぅぅーー!」

(きた……! 

これでみんなあいつに嫌気がさすはずだ!)

「なんだこれは!? 医者を呼べ! 

警備隊! 警備隊!」

(医者……? いや、大丈夫だ。

医者を呼んだところできっと

あの馬鹿息子が変な物を口にしたと

判断するに違いない)

「司教! 目を覚ましてください! 

ジョバンニ司教!!!」

(……は? 司教、だって? 

くそ! なぜだ!? 確かにグラスは

あいつの手に渡ったはずなのに……

どうしてジョバンニ司教が……!)

年老いた司教は、

去年重病を患ったばかりだった……

(大丈夫、大丈夫だ……

ちょっとイタズラしようとしただけ

じゃないか……

司教はきっと無事だ。

だって薬を売ってくれた

ラスティーアンカーの商人も

死ぬことはないと言っていたじゃないか!)

「…………」

怖くなったパレルモは、

人混みをかき分け

そっと舞踏会から抜け出した。

ジョバンニ司教暗殺未遂事件! 

病に倒れ、現在療養中! 

このニュースはあっという間に

王都中に広がり、群衆は激怒した。

パレルモは恐怖におののき

屋敷にこもっていた。

兄の話によると、

あの日の料理人と従者たちが

警備隊によって逮捕され、

尋問を受けているそうだ。

それから数日後ーー

最終的に、

1人の従者が犯人として挙がってきた。

チャリティー舞踏会の主催者に

罵倒されたことが犯行動機に繋がったと

警備隊に判断されたらしい。

そうしてその従者は牢屋に放り込まれた。

このことを知ったパレルモは、

もう屋敷にこもって、

じっとなんてしていられなくなった。

自分が罰を受けるならともかく、

他人が自分の代わりになるなんて

どうしても受け入れられなかった。

彼は急いで警備隊に駆け込み、

自首をしたのだった。

警備隊長はパレルモの話を

最後まで聞くと、

何も言わずに部屋を出ていった。

1人になったパレルモは、

このままきっと逮捕されて

牢屋に放り込まれるのだろうと思う。

逮捕されるのは当たり前のことなのに、

パレルモは牢屋生活のことを考えて、

不安を募らせた。

部屋の扉が開いたその時だった。

目の前には鬼のような形相の父、

パゴリ伯爵が立っていたのだ。

そのそばで、

警備隊長が媚びへつらうような笑顔で

パレルモに向かって父親と一緒に

帰るようにと手を振って合図している。

だがパレルモはそれが気に食わなかった。

彼はぐっと歯を食いしばったあと、

その場で、大声で自分の罪を叫ぶ。

少なくとも十数人は、

彼が毒を盛ったという事実を聞いただろう。

パゴリ伯爵の顔面は真っ青だ。

警備隊長は戸惑いながらも

伯爵の顔を伺っている。

だがこのままパレルモを

帰すわけにもいかず、

警備隊長は逮捕の命令を下したのだった。

そして、パレルモが逮捕されてから

1ヶ月以上が経った……

パレルモは面会を禁止されていて、

孤独に自分の判決を待っている。

外の情報がまったく入ってこない

パレルモは、彼を担当する看守から、

ちらほらと情報を得ていた。

不当に逮捕された従者は釈放され、

父のパゴリ伯爵は

多額の賠償金を払ったようだ。

父はいまだに息子のために奔走していて、

一家の資産をいくつか売り払い、

立派な聖堂を建てようとしているらしい。

パレルモが罰せられないように……

そして、ジョバンニ司教は数日前、

ようやく目を覚まし、

徐々に体も回復してきたようだった。

パレルモはこの時になって初めて、

自分がどれほど重大な事を

してしまったのかということに気づいた。

自分がどんな罰を受けることになるのか、

日夜不安を抱えていた。

だが、ある静かな晩のことーー

看守が突然、牢屋の鍵を開けて、

パレルモに目配せをしたのだ。

「さあ、行け。すべて伯爵様が手配済みだ」

パレルモは少し戸惑ったが、

無意識のうちに扉の外に向かって

一歩踏み出そうとした。

だが、ふと思い立ち止まって

看守に質問をする。

「あなたはどうなるんだ?」

今度は看守が戸惑った。

「伯爵様から金をもらっている……

まあ……おそらく……

鞭打ちの刑ぐらいだろう……」

「駄目だ。

私はもうたくさんの人を巻き込んでいる。

あなたまで巻き込みたくはない」

そう言ってパレルモは

急いで牢屋の中に戻って座り込んだ。

看守は困惑しながらも、

牢屋の鍵をかけずに

その場から立ち去ったのだった。

「えっ、ちょっと……鍵はーー」

立ち上がって

看守を呼び止めようとしたその時だった。

車いすに乗ったジョバンニ司教が、

父であるパゴリ伯爵と一緒に

牢屋に入ってきたのだ。

司教はパレルモを見つめながら

静かに口を開いた。

「お前の父親の言う通り、

お前は悪い子ではない」

「え……?」

そして、息子のために

何日も司教に許しを請うたパゴリ伯爵に

顔を向ける。

「聖なる光はお前の子を

連れ戻すよう導いてくれるだろう」

パゴリ伯爵は司教に一礼し、

その場を後にした。

そしてパレルモとジョバンニ司教は、

2人きりになる。

パレルモはしばらくの間、

司教のそばで跪き、ずっと黙っていた。

すると、司教がパレルモの頭を

撫で始めた。

驚いたパレルモの肩が跳ねる。

優しく撫でる司教の手から、

温もりが伝わってきて、

ずっと緊張していた神経がゆっくりと

緩んでいくのを感じた。

すると、小さな独房を

暖かい聖なる光が包み込む。

司教はまるで大聖堂の裏庭で

のんびりとお茶を飲んでいるかのような

穏やかな表情で優しく問いかけた。

「かわいそうに……

私に何か言いたいことはあるのか?」

パレルモは2ヶ月ぶりに

本心を語る機会を得る。

彼はぽつりぽつりと、

罪の告白と恐怖を語り始めた。

「自分が一族の名誉を傷つけたことで、

パゴリ家の栄光が

失われたんじゃないかって怖くて……

それに……

ロヴィス家のやつとのこともそうです……

本当に愚かで、

醜い争いでしかありません……

規則に従う者は愚か者で、

規則を破る者こそが勇者だと

思っていました。

今になってようやく、

規則はみんなを守るためのものだと

気づきました……」

聖なる光の下で、

パレルモは恥ずかしさのあまり

自分の顔を覆ったが、

ジョバンニ司教は頭を上げるよう囁いた。

「目をつぶってはならない。

汝は光に従うのだ」

パレルモが顔を上げると、

司教は一冊の聖光教典を渡した。

教典はやや古びているが、

とても素晴らしいものだった。

彼は黙ってそれを受け取り、

文字に目を落としたが、

その言葉はあまりにも難解で読み解けない。

パレルモは少し恥ずかしそうに顔を上げて

尋ねようとしたが、

司教はすでに牢屋を後にしていた。

聖なる光だけが、

その後もずっとパレルモを

包み込んでいたのだったーー

パレルモは結局、

サバンナから出て行くよう言い渡された。

裁判では、ジョバンニ司教が

パレルモは人間としての規範を

知っていると証言している。

パレルモがサバンナに戻ったのは、

それから10年後の

ジョバンニ司教が亡くなった後だった。

聖堂の司祭になったパレルモは、

ジョバンニ司教の墓前に立ち沈吟する。

彼は教典から多くの教えを受け、

聖なる光の導きに従ってきたことを

司教に伝えた。

緑の芝生を風が吹き抜け、

彼の思いに応えるかのように、

聖なる光がパレルモの後ろで輝いた時、

サバンナは、

罪に真摯に向かい合ったこの穏やかな

青年を受け入れたのだった。

そして……ジョバンニ司教から

贈られた教典も、

パレルモと一生を共にすることと

なったのだったーー

 

ドリーのコーナー

誰もが憧れる家庭に生まれたパレルモは末っ子として、可愛がられながら幼少期を過ごした。

ある日、貴族の息子たちとの狩猟旅行でイタズラされた彼は、はじめて悔しさを味わった。

それからパレルモはいつもおぼっちゃんたちと一緒に、「ライバル」たちをおちょくるため、そして自身が特別だと証明するためのイタズラを考えていた。

大きなトラブルがなかったため、これらの行為を知った父親もあまり止めようとしなかったが、その寛容さゆえにパレルモのイタズラはさらにエスカレートしていく。

そしてある日、彼はイタズラを実行するために飲み物に薬を混ぜ込んだが、その飲み物をジョバンニ司教が間違って飲んでしまい、危うく命を落としてしまうところだった。

目撃者はおらず、さらにパゴリ家の権力と影響力で処罰を免れることは可能だったが、パレルモは自分の罪から逃げはしなかった。

そのことを知ったジョバンニは、パレルモをその重い刑罰から救い、さらに聖光の恩寵をもたらしたのだ。

聖光の導きはパレルを正しい道に連れ戻し、そしてパレルモは一生その導きに従うと決意した。

彼はサバンナから追放され、これまでの恵まれた生活から離れたが、聖光の道に進んだことで、これまでに感じたことのない安らぎと開放感と感じるようになった。

現在、パレルモはブライト大聖堂の司教を務めており、その冷静な判断力と知識、誠実な人柄が高く評価されている。

新しい人生を歩んでいるパレルモはジョバンニ司教の許しと、聖なる光の導きに感謝している。

パレルモは司教になると、ジョバンニ司教が導いてくれたように、若い人たちを導き、生徒たちに聖光の秘儀を身をもって教え、さらに生徒たちとともに聖光の教えを広めた。

生徒の中でも、特にベリンダとルシウスの才能に注目しており、パレルモは彼らがより多くの人々に聖堂の恵みをもたらすことに大きく期待している。

生徒以外にも、道を踏み外し、パレルモの助けを借りて聖光に救われた者は数え切れないほどいる。

自分のあの頃と同じように、パレルモは誰にでもセカンドチャンスがあると信じている。

 

スキン【敬虔なる光】

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧