スクレッグ

ページ名:スクレッグ

スクレッグ【サベージホーン】

概要

呼称 サベージホーン
陣営 ババリア部族

ストーリー

ワーラットの立場を大きく変えた

ヴァークを弟に持つスクレッグ。

だが彼は弟と違って、

落ち着きがなく臆病だった。

 

スクレッグは、

幼い頃から冒険に憧れていたが、

小心者だったため、

一歩踏み出すことができなかったのである。

 

とある日ーー

弟のヴァークが、世界一危険な場所と言われる

土蜘蛛の巣に侵入し、毒液を盗むという

偉業をなしえたことを聞き、

とうとう動き出す決心がついたのだ。

安全だった巣穴を離れ、

獣の牙と木の枝で作った

シンプルな護身用槍を持って、

彼は冒険を始めたのだったーー

 

狭い世界から飛び出したスクレッグは、

すべてが新しいものに見えて、

心が踊っていた。

だが、旅に危険はつきもの……。

否応なく魔獣は彼に襲いかかる。

幸い、スクレッグは機転がよく利くため、

危ない時にはいつも逃げ切ることができたのだ。

しかし命は助かっても、

彼はずっと悔しい思いをしていた。

いつかは自分も、

危機に正面から立ち向かう勇気を

持ちたいと望んでいたのだった……。

次こそ、次に敵と遭遇した時こそ、

果敢に挑むのだと言い聞かせながら

旅を続けていると、

道中で横たわっている

アイアンサウルスを見つけたのだ。

近寄ってみれば、

息は荒く、同族によるものと思われる傷が、

体中にたくさん刻み込まれていた。

 

アイアンサウルスは、社会的動物で

群れごとにリーダーがいる。

それは決闘によって決まるもので、

勝者はリーダーとなり、

敗者は群れに捨てられて、

ひとりで生き延びるという掟なのだ。

 

どうやらこの倒れているアイアンサウルスは、

決闘の敗者のようだった。

一族から離れ、

一人で旅をしているスクレッグは、

アイアンサウルスを仲間のように思ってしまい、

見捨てることができなかったのだ。

なんとか元気になってほしいと思った彼は、

ハゲワシが食べ残した動物の骨から

腐肉を収集して、

アイアンサウルスの前に置いた。

 

だが、そう上手くはいかなかったのである。

 

アイアンサウルスは傲岸不遜の生き物であり、

この一匹も例外ではなかった。

そのため、ワーラットから施された

食べ残しの腐肉を口にしないと

生きるすべがないという現実に、

どうしても我慢ならなかったのだ。

スクレッグとしては、厚意で腐肉を置いたが、

アイアンサウルスにとっては、

皮肉にしか感じられず、

角を振り回して腐肉をはね除けた。

食べることができないなら、

せめて傷を治したいと思ったスクレッグは、

危険を顧みずに木々が生い茂る山に入り、

薬草を採取してきて、

アイアンサウルスの傷口に塗布したのだ。

夜になる前に火を灯し、

アイアンサウルスの命が

燃え尽きないように体温を保とうとした。

 

数日後ーー

アイアンサウルスの傷は徐々に回復してきたが、

食事だけはどうしても取ろうとしなかった。

そんな時だった……。

衰弱したアイアンサウルスを殺そうと

ノールが現れたのだ。

スクレッグは、今が勇気を出す時だと思い、

持っていた枝木を捨て去り、

長槍を持ってノールの前に立ちはだかったのだ。

 

ノールは驚くも、よく見ればたった一匹の

ちっぽけなワーラット。

すぐに警戒を解き、スクレッグを見下したのだ。

 

「薄汚いちんちくりんよ、

その手に持っているのはおもちゃか?」

 

ノールはスクレッグを嘲笑しながら、

蹴り飛ばし、長槍を思いっきり踏みつけた。

獣の牙と木の枝で作った護身用の槍だったため、

いとも簡単に壊されてしまう。

それでもスクレッグは立ち上がり、

震える足を必死に言い聞かせて

再びノールの前に立ちはだかったのである。

それを見たノールは、

ワーラットのくせにと苛立ち、

さらにスクレッグを蹴りつけた。

 

だが、スクレッグは諦めなかったのである。

何度も立ち上り、

一歩も引き下がろうとしなかった。

 

その時だったーー

突然、耳をつんざくような咆哮が響く。

叫び声の方を見れば、

激しく憤ったアイアンサウルスが起き上がり、

ノールを思いっきり蹴り飛ばしたのだ。

思いがけない出来事に、

ノールは受け身を取ることができず、

そのまま重い衝撃を受けて、気を失った。

 

何が起こったのかわからない……。

スクレッグは唖然とアイアンサウルスを見つめる。

すると、残りの力を振り絞って攻撃をしたのか、

アイアンサウルスはずるずると

座り込んでしまった。

スクレッグが心配そうに眺めていると、

アイアンサウルスは懸命に足を伸ばし、

彼が用意した腐肉を食べ始めたのだ。

 

「倒れることは怖くない、

恐るべきは立ち上がる勇気を失うこと」

 

アイアンサウルスは、

スクレッグから学んだのだ。

 

闘志を取り戻したアイアンサウルスを見て、

スクレッグは心から喜んだ。

 

一ヶ月後ーー

 

アイアンサウルスは完全に回復し、

群れへと戻っていった。

そして、一度負けた相手に再度挑戦すると、

今度は見事勝利したのだった。

だが、群れには戻らず、

アイアンサウルスはスクレッグと一緒に

冒険に出かけることを決心して……。

 

ーーサベージホーンーー

 

スクレッグに響きのいい名前を付けられ、

満足そうにするのだった……。

 

「小さいからって侮るなよ。

俺には最強の相棒がいるんだ!」

 

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