ゴルトン【グルメハンター】
概要
呼称 | グルメハンター |
陣営 | ババリア部族 |
身長 | 162㎝ |
趣味 |
・調理 ・狩猟 |
好きなもの |
・珍しいスパイス ・ユニークな食材 |
嫌いなもの | 食べ物を粗末にする人 |
現在地 | 流浪の地 |
現在の身分 | 流浪の地のグルメハンター |
関連人物 |
【ライバル】 ・クレイン |
ストーリー
機敏なワーラットの親戚たちは、音もたてずにキャンプに忍び寄った。
彼らはこの手の仕事に長けており、かつての任務にも失敗した試しがなかった。
「ラム、このデカブツは夜目が利くって言ったの覚えてる? 今はまだ眠っているから、明日の昼間まで待てば、光に弱いという弱点を突いて...ん? もう寝ちゃった?」
ワーラットたちがキャンプに近づくと、ゴルトンが傍らに置かれた壺に向かってつぶやいているのが聞こえた。
彼はゆっくりと腰に提げている骨切包丁を取り、それを壺に立てかけると、仰向けに寝転がり、少ししたら微かないびきが聞こえてきた。
念のため、彼らは暗がりに隠れてもう少し待ってから、そーっとゴルトンに近づいた。
そんな時に、ゴルトンの腰袋から強烈なスパイスの香りが漏れ出し、ゴルトンに近づこうとしていた一匹のワーラットが思わずくしゃみをしてしまった。
危険を感じたワーラットたちは瞬時に四散して隠れたが、幸いゴルトンは寝返りを打っただけで、目を覚まさなかった。
彼らは目配せを交わし、再び集まって、ゴルトンの傍らに置かれた骨切包丁を取ろうと動いた。
彼らが成功しそうになったとき、「ドン」という鈍い音とともに、ワーラットの一匹が突如として倒れた。
何か小さな生き物が壺から飛び出し、金属スプーンについてたネズミの毛を軽く吹き飛ばすと、再びそれを頭に被った。
ラムは呆然としている泥棒たちに向かってニヤリと笑い、人差し指をたてて静かにするよう合図した。
クレインは親戚たちが戦利品を持って帰ってくるのを待っていたが、いつまで待っても姿を見せなかった。
彼は腕を組み、少しいらだたしげに足を揺らし、自ら出向くことにした。
クレインがこっそりとキャンプの近くまで忍び寄ると、中には誰もいなかった。
色んな疑惑が心に浮かぶ。
そんな時、彼は気づいた。
火に照らされてテントに映されている黒い影、それはゆっくりと立ち上がっているように見えた。
彼はすぐに地面を転がり、巨大な骨切包丁が一瞬で彼の頭を掠った。
「やあ、兄ちゃん、晩飯に招待した覚えはないんだがな」
ゴルトンの声とともに、骨切包丁が再びクレインに向かって斬りかかってきた。
クレインは何か言い訳をしようとしたが、あまりにも猛烈な攻勢に、彼は肩の大砲で防ぐしかなかった。
強烈な衝撃で大砲は吹き飛ばされ、クレインは必死でゴルトンの猛攻撃を躱し、慌てて止めようとした。
「待って! 話がある! まずは話を聞け!」
その言葉を聞いてゴルトンは追撃を止めたが、まだ骨切包丁を構えたまま、いつでも獲物に向かって美しい弧を描いて斬りかかれる準備ができていた。
クレインは一息入れて、にやりと笑い、素早く擲弾発射器をゴルトンに向けた。
彼が発射しようとした瞬間、どこかに隠れていたラムが突然現れ、一握りにチリパウダーをクレインの顔に振りかけ、榴弾の狙いをずらした。
「ぺっぺっ! くそっ!」
クレインがまだ目を拭いている間に、外れた榴弾は洞窟の岩壁に当たった。
落石とともに、大きな爆発音が洞窟の中に眠っていた荒岩のメガセロプスを目覚めさせた。
恐ろしい唸り声とともに、メガセロプスの巨大な体が洞窟から現れ、血のように赤い目で彼らを睨みつけた。
ゴルトンは「チッ」と舌打ちし、腰に提げている唐辛子オイルの瓶に目をやると、顔に名残惜しそうな表情が浮かんだ。
「ラム、プランBだ!」
クレインが顔についていたチリパウダーを拭き取ると、荒岩のメガセロプスが戦太鼓を叩くように四つ足で地面を踏み鳴らし、猛然と彼らに向かって突進してくるのを目の当たりにした。
彼はすぐにそっぽ向いて逃げ出し、巨大な岩の後ろに隠れた。
一方、ゴルトンは敏捷な身のこなしで避けながら、骨切包丁を極めて巧妙な角度でメガセロプスの足に振り下ろした。
刃先がメガセロプスの厚い皮に深く食い込み、耳障りな軋む音を立てた。
荒岩のメガセロプスは苦痛で咆哮を上げ、真っ赤な目でゴルトンに睨みつけた。
大きな角を彼に向けて、再び突進しようとしていた。
「ラム!」
ゴルトンが低い声で叫ぶと、傍らで待機していた少年はすぐにその意味を理解した。
彼は頭に被っていたスプーンを取り、地面を激しく叩いて音を立てた。
メガセロプスはこの突然の音に注意を逸らされ、突進しようとした動きが一瞬止まった。
ゴルトンは腰に提げている唐辛子オイルの瓶を取り、一口飲み込むと、メガセロプスに向かって口から猛烈な炎を吹き出した。
光に弱い獣は火の光と辛い香りに刺激され、取り乱してしまった。
ゴルトンはこの一瞬のチャンスを逃さなかった。
彼は前に突進し、その速さは彼の大柄な体つきからは想像もつかないほどだった。
骨切包丁の刃が回転しながら立ちのぼる煙を切り裂き、正確にメガセロプスの弱点に切り込んだ。
最後の悲鳴とともに、この巨大な獣はついに轟音を立てて倒れた。
空気中に漂う血の匂いがまだ消えないうちに、クレインは機会を狙って再び攻撃を仕掛けようとした。
しかし、ラムは前々から彼の動きに警戒しており、チリパウダーの入った缶を手に持ち、いつでもクレインに向かって投げられるように身構えた。
「さっさと失せろ」
ゴルトンは体についた埃を払いながら、隅から縛られているワーラットたちを引っ張り出し、クレインに向かって投げた。
「行かないなら、ワーラット風味の料理を一品増やしてもいいぞ」
慌てて逃げている彼らの背中を見て、ゴルトンは思わず大笑いしたが、ラムが地面に落ちていたオイルの瓶を拾って渡すと、ゴルトンは心配そうに瓶を抱きしめて撫でた。
「せっかく集めた宝物が...また一口減っちまった」
彼は軽くため息をつき、体をほぐしてから、再びメガセロプスの巨大な体に目を向けた。
「さて、このデカブツをどう料理するか考えようじゃないか」
ドリーのコーナー
ゴルトンにとって、美食に関する最初で最も深い記憶は少年時代に遡る。
まだ若かった彼は、すでに驚くべき狩猟の天賦を示していたが、家に帰る時に一番期待していたのは、一族のみんなに囲まれて褒められることではなく、祖母が手作りした肉料理だった。
それはどこにでもある家庭料理で、獲物の端材、少し辛い荒野のスパイス、そして風にさらされた砂塩一つまみで作られていた。
祖母は煮込み鍋を炉の残り火のそばに置き、長時間煮込むと、肉の香りがキャンプ全体に広がり、まるで特別な召喚のように、埃まみれのゴルトンを家路へと導いたのだった。
濃厚な香りがするシチューは、彼の美食への愛を呼び覚ました。
ゴルトンにとって、美食は単に空腹を満たすためだけのものではなく、言語であり、希望と慰めをもたらす力でもある。
彼は子供の頃、家族と獲物を分かち合った時の笑い声を思い出し、また供物でラムを救った時のそいつの目から伝わってくる感謝の気持ちと生き生きとした生命力を思い出した。
彼の刃はもはや切るための道具だけではなく、獲物を心動かす料理に変えるためのものとなった。
ゴルトンは調理の限界を絶えず探索し続けている。
美味しさは決して簡単に手に入るものではなく、少しの狂気と恐れ知らずの精神が必要である。
彼は嵐の中でサンドライオンを追いかけ、メガセロプスの洞窟に潜り込み、貴重なヒレ肉を手に入れるためだけに命を賭けている。
彼はいつも、精確に刃を肉に滑らせ、最も美味しい部分を傷つけることなく切り取り、そして勝者の喜びを料理に溶け込ませるのだ。
美食は争いを止め、敵対する者を食卓で和解させることができる。
この荒涼とした流浪の地では、一人の美食ハンターが歩いている。
血と炎の香りがする料理で、静寂の荒野と向き合う。
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