ゲニッツ

ページ名:ゲニッツ

ゲニッツ【アイアンソウル】

概要

呼称 アイアンストリームソウル
陣営 ブライト王国
種族 ドワーフ
身長 135㎝
趣味

・兵器の改良

・作戦を練ること

好きなもの ドワーフのオリジナル黒ビール
嫌いなもの

・髭の絡み

・カタストロフ

現在地 ブライト王国
現在の身分 アイアンフロウ団長
関連人物

【戦友】

アルナ

ストーリー

「鉄流の魂に心燃ゆ、長い道は春うらら。

幾重の山を越え、銀の平原を越え、

近くて遠い故郷よ」

徐々に燃え盛る深夜の焚き火の前で、

誰かが口ずさむ。

すると酒を飲みかわしていた

ドワーフの戦士たちが

次々と歌声を重ねていく。

ここ数年、

ドワーフたちの間で広まった歌だ。

彼らの国がカタストロフに占拠され、

仮住まいを余儀なくされたことへの

悔しさや、

故郷を取り戻したいという思いが

歌詞になっていた。

その歌にはどんな種族にも負けないほど

強い意思が込められている。

だが、歌えば歌うほど

故郷への気持ちが大きくなり、

どんどん歌声が小さくなっていった。

そこに、仕事に没頭していたひとりの

ドワーフが、テントを開けて

輪に加わってきた。

疲れ切ってうとうとしている戦士の手から

半分こぼれた薬草汁を取り上げ、

よく通った声で突然歌い出す。

それまで憂愁の色が浮かぶ顔で

故郷を思い歌っていたため、

その場にいたドワーフたちは皆驚いた。

「戦士たちよ、今こそ頭を上げよ! 

薬草汁で乾杯しようぞ! 

お前たちの勇気を讃えるのじゃ! 

どんどん髭が伸びるように! 

ああ、もちろん髪もじゃ!」

焚き火を囲んでいた戦士たちから

どっと笑いが沸き起こった。

そしてすっかり変わった曲調で皆歌い出す。

お互いのジョッキを

ガンガン音を立てながらぶつけたり、

グツグツと料理を煮込んでいる鉄鍋を

リズミカルにスプーンで叩いたりした。

雰囲気が明るくなったのを見て、

歌に乱入してきたドワーフは

率先して苦い薬草汁をぐいっと飲み干す。

その後、彼らの輪を抜け、

先にある見晴らしがいい巨岩の上へと

向かった。

一言でドワーフたちの士気を上げた彼こそ、

あの名高い『アイアンフロウ』の

軍団長であるゲニッツだ。

第二次カタストロフ戦争勃発後に

生まれた子供は、

彼の話を聞いて育っている。

数年前ーー

山々を蹂躙したカタストロフは、

ドワーフたちの故郷を破壊した。

存亡の危機に直面した

ドワーフの『アイアンフロウ』は、

同胞を守り抜くため戦い続けたが全滅。

そしてゲニッツのみ生き残ってしまった。

ゲニッツは『冬の戦乙女』と共に戦い、

山を占領するカタストロフたちから

逃げ延びた。

しばらくして……

神である『冬の戦乙女』とゲニッツの間に

友情が生まれたという伝説が広まる。

だがそれは大きな間違いだ。

功績という点では、連合軍と共に

銀雪平原の辺境に散らばっていた

カタストロフを『破滅の深淵』へ

追いやったこと。

氷原の戦で教訓を得て、

『アイアンフロウ』の陣形を改良し、

戦士の死傷率をさらに下げたこと。

新型爆裂ハンマーを開発し、

戦闘の中で実験して、

調整していったことぐらいだ。

ゲニッツを敬う戦士たちにとって、

彼が戦場で果たした数々の功績と貢献は、

幾日幾夜かけても語り尽くせない。

だが、ゲニッツほどの

伝説的なドワーフでも、

最初から信頼されていたわけではなかった。

ドワーフは勢いで動くことが多い。

その結果、

何百倍、何千倍もの潜在的な力を

発揮することができるが、

無駄に命を落とすこともあった。

同胞の命が散っていくのを

目の当たりにした過去を持つゲニッツは、

『アイアンフロウ』の軍団長になった後、

無意味な犠牲を最低限に抑えようと

必死だった。

最初の頃、ゲニッツが撤退命令を出すと、

短気なドワーフたちは

『臆病者』『故郷を見捨てた腰抜け』

『軍団長にふさわしくない』など

罵ったものだった。

だが、何十回、何百回と続く戦いの中で、

ゲニッツは最小限の犠牲で勝利を収め、

次の戦いのために多くの戦士を残すことに

成功したのだ。

料理を作ることしかできない炊事兵でさえ、

今ではこの一風変わった軍団長の考えを

理解することができる。

『死と戦いを恐れているのではなく、

故郷を見捨てようとしているのでもなく、

一人ひとりの犠牲を価値あるものにしたい』

という考え方を。

月明かりに包まれて、

ぼんやりと白く光る銀雪平原。

『アイアンフロウ』の

どんちゃん騒ぎを聞きつけて、

遠くから黒い群れが銀白色の平原を

駆け抜けて来た。

冷たい風が地面に積もった雪を巻き上げ、

目立つ痕跡を残しながら、

こちらに向かっている。

「やっと来たか」

ずっと周囲を監視していたゲニッツは、

予想通りの展開に

風で乱れた髭を整えながら

興奮気味に笑った。

彼は振り向き、ハンマーを肩に担いで

豪快な笑い声をあげた。

「皆の者! 

くそったれなカタストロフどもを

一掃してやろうぞ!」

騒いでいた軍団は瞬く間に集結した。

各自、それぞれの武器を振りかざして

戦意に満ちた叫びを上げている。

カタストロフが夜襲をかけた時点で、

すでにゲニッツの罠に落ちていた。

夜襲を得意とするカタストロフは

これまで多くの敵に

不意をついて襲撃してきたが、

残念なことに今回の相手は

決して負けを認めず、

万全な準備をしてきたドワーフたちだ。

突撃の号令のもと、戦いの火蓋が切られた。

『アイアンフロウ』の勇士たちは

止まらない鉄の車輪のごとく、

黒いカタストロフの群れに迫っていく。

響き渡る怒号の中、

誰かがまたあの歌を歌い出した。

続いてまた誰かの声が重ねられていく。

高らかな歌声は山を越え、銀雪平原を渡り、

ドワーフの要塞ウィロンへと、

響き渡っていく。

「鉄流の魂に心燃ゆ、長い道は春うらら。

幾重の山を越え、銀の平原を越え……

すぐ目の前にある故郷よ」

 

ドリーのコーナー

遥か昔から、ドワーフたちは山麓の氷雪の中で暮らしてきた。

寒冷な環境が、彼らの忍耐強い性格と逞しい肉体を鍛え上げた。

ドワーフの多くは善良で礼儀正しいが、本当は頑固でプライドが高い種族である。

故郷が滅んだ後、彼らは山から遠く離れた人間の土地で暮らすことを余儀なくされたが、これは自分たちの故郷を愛するドワーフたちにとってとても屈辱的で悲しいことだ。

ドワーフは楽天的で無骨な種族だ。

故郷を失った悲劇の後でも、彼らは意気消沈することなく、ドワーフのキャンプではいつも歌と笑い声が響き渡る。

黒ビールの香りに包まれ、互いに支え合いながら、彼らは一族の血と伝統を守り続けている。

その大胆かつ無鉄砲さ故に、ドワーフは常に考えるよりも先に行動する。

名誉への追求と敵への憎しみ故に、時に彼らは冷静さを失い、衝動的に行動してしまうこともある。

確かにこの性格はドワーフ戦士の闘争心を煽り、彼らを強くするが、多くの場合、彼らを不必要な危険にさらすだけである。

軍団長ゲニッツは、他のドワーフよりも明らかに慎重な性格の持ち主だ。

当初、彼の撤退命令は「弱虫の考えること」だと思われ、回りくどい戦術や小手先の戦い方より命がけの戦いを好むドワーフたちからはよく非難された。

しかし彼は戦いで自分を証明したのだ。

彼はその慎重さを武器に数え切れない勝利をつかみ取り、同時に同族たちの命も守られたのだ。

そして皆はゲニッツを認めるようになり、いつの間にかその名はドワーフの伝説となったのだ。

しかし、そんなゲニッツもかつては命がけの戦い方しか知らない兵士だった。

彼を変えたのは、ある賢明で屈強な戦士との出会いだ。

「一人前の戦士は、逆境を耐え忍ぶことを忘れてはならない」

と、あの戦士に教わったのである。

ドワーフは犠牲を恐れない。

しかし、無意味な犠牲は避けるべきだ。

これまでに戦死した同胞の魂が報われるように、そして大切な故郷を取り戻すために。

ゲニッツは熱き決意を胸に、今日も勝利のために最善を尽くす。

 

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