ソニア

ページ名:ソニア

ソニア【罪悪の統治者】

概要

呼称 罪悪の統治者
陣営 ブライト王国
種族 ヒューマン
年齢 26歳
身長 172㎝
趣味 寝る前に強いお酒を一杯飲む事
好きなもの

【ナーラ失踪前】

・大量のお金

【ナーラ失踪後】

・処刑する敵と裏切り者の体にバラの印を刻印すること

嫌いなもの

・裏切り者

・血で靴が汚れること

現在地 ラスティーアンカー
現在の身分 ブラッディ・マリーのボス
関連人物

【幼い頃からの友達】

ナーラ

ストーリー

私は何年も前から、

ソニアのことは知っていたんだーー

 

あの頃のソニアはまだ病弱で、

私たちと一緒にラスティーアンカーの

スラム街の暗い路地で生活をしていた。

彼女の金色で長い髪は泥で汚れていて、

ノミが這い回っていたけど、

綺麗に三つ編みに結んでいた。

 

この犯罪にまみれた街で、

ソニアと私たちは卑しい生き物のように

盗みを働いては捕まり、殴られる日々……。

時々、拾ってきた野菜を

ソニアに分けてあげると、

お礼と言って盗んできたパンを

渡してくれたんだ。

こんなことを繰り返してるうちに、

私たちはいつのまにか仲良くなっていた。

 

ソニアはすごく頭がよかった。

ずっと貿易が盛んな港湾都市である

この市場で生活していたからか、

盗品の売買について

かなり知り尽くしていたんだ。

 

しばらくしてーー

私たちはナーラと知り合った。

ナーラはスラム街一すばしっこくて、

暴力的な泥棒だった。

ソニアとナーラはすぐに意気投合して、

最強のコンビになったんだ。

まさかソニアがナーラと

仲良くなれるだなんて……

すごく意外だったんだ。

でも2人が力を合わせて盗みをやると、

絶対に捕まらなかった。

だから殴られることもなかった。

2人は盗んだものや、それを売ったお金を

私たちに分けてくれた。

だんだんと儲けが増えていっても、

私たちはこのスラム街では弱小の集まり。

弱い私たちは、他のギャング団から

恐喝されたり強奪されたりしてたんだ。

 

ある日の夜ーー

ソニアは私たちのところに来て、

心の内を話してくれた。

 

「もうこれ以上……

他のギャング団から舐められるのは

嫌なんだよ……。

アタシとナーラがどこにも負けない

ギャング団を作ってやる。

そして、アンタたちやスラム街にいる

孤児たちを守ってやるんだ!

隠れて暮らすんじゃなくて、

堂々と生きられるようにするさ!

お腹いっぱい食べられるようにしてやる。

アタシとナーラならできる。約束するよ」

 

ソニアの真剣な眼差しを見て、

私たちはついていこうと決心した。

 

こうして『ブラッディ・マリー』という

ギャング団が設立し、

私たちのホームとなった……

『ブラッディ・マリー』が

ラスティーアンカーで名を馳せるように

なるまで、そう時間はかからなかった。

ナーラの冷酷さ、残虐さは、

たくさんのギャングに恐怖心を与えた。

それはもう……

仲間の私たちが見てもひどくて、

敵じゃなくてよかったと思うくらい。

気づけば『ブラッディ・マリー』は、

ラスティーアンカーのギャング団の中で

トップに君臨するようになってたんだ。

 

血とバラーー

それはまさにナーラとソニアを

象徴するものだった。

殺戮を楽しむような、

ナーラの非情なやり方は、

この罪深き土地を

自分に歯向かう者たちの血で染めていった。

薄汚れた街の中でも

凛と咲く一輪のバラのように美しい

ソニアの慈愛の心は、

身寄りのない孤児たちを救った。

 

『ブラッディ・マリー』が莫大な利益を

得るためには、安定した独自のルートを

築き上げる必要があった。

特殊な商品の取引が人気になってきた今、

それが絶好のチャンスだったんだ。

ナーラは賄賂を贈って、

商品を略奪する海上のルートを確保して、

港まで運ぶ役で、

ソニアはそれを売り捌く役だった。

2人の連携で大繁盛した

『ブラッディ・マリー』は

大儲けすることができた。

 

だけど、ソニアは気づいたんだ。

闇取引をすればするほど、

このルートが危険になっていく

ということに。

彼女はずっと闇取引のルールを守ってきた。

だけど、『ブラッディ・マリー』が

大きくなっていくのと同時に、

私利私欲のために他のギャングに

情報を流すメンバーも出てきたんだ。

ナーラと築いた

この秘密のルートがバレてしまうと、

略奪されるかもしれない。

他でもない、一緒にこのスラム街で育った、

『家族』ともいえる仲間にだ。

 

ソニアの心配は現実のものとなった……。

秘密のルートが他のギャング団に

知られてしまったんだ。

ナーラのおかげで、

商品を奪いに来たやつは全員殺されたけど、

情報を流した私たちの仲間は、

敵対してるギャング団に寝返ってしまった。

このことがきっかけで、

仲間の心の中に疑惑が芽生え始めて、

生死を共にした『家族』だったはずなのに、

互いを信頼することが

難しくなってしまったんだ。

 

ナーラとソニアが睨み合いを続けてる。

最初はお互いの意見を

言い合ってただけだったけど、

気づけば火花を散らすほど対立していた。

こんな2人を見るのは初めてだ。

ナーラとソニアはいつも仲が良くて、

喧嘩なんてしたことなかったんだ。

ナーラの意見はこうだ。

裏切り者は見せしめとして、

全員処刑すると。

対してソニアは、

『ブラッディ・マリー』結成当初からいる

『元老』と呼んでるメンバーを

排除すればいいと言う。

たしかに、初期メンバーの中には、

傲慢で偉そうなやつもいる。

連中は『ブラッディ・マリー』が

築き上げた富に満足できず、

組織の中でより大きな権力を求めていた。

中には、新しいメンバーを引き抜いて、

勢力を拡大しようと企むやつもいたんだ。

ナーラ自身もそれはわかっていた。

だから口を開いてソニアにこう言った。

 

「そいつらもまとめて全員処刑だ!」

 

「全員……?」

 

ソニアは同じスラム街出身の『家族』を

自分の手で処刑することに躊躇していた。

 

「ナーラ……アンタは裏切り者のこと、

よく調べないじゃないか!

それに、無闇に殺すんじゃなくてさ……

組織から追放するじゃ駄目なのかい?」

 

言い争いの末、ナーラは外に飛び出し、

ソニアは黙ってしまった。

これまでナーラとは重大な決断をする時、

意見が対立したことがなかったから、

自身の決断に迷っているのかもしれない。

ソニアが迷う気持ちもわかる。

彼女の中で、

『ブラッディ・マリー』を結成した目的は、

スラム街の貧しい者たちに

安らぎの家を提供してあげることだった。

だけど、それが実現した今、

『家族』を追い出そうと

しているのだから無理もない。

 

ーーナーラが行方不明になった。

いつものように出航したのに、

ナーラと彼女の船団はいつまで経っても

戻って来ることはなかったんだ。

ソニアは、仲間を総動員して

船団の捜索に当たったけど、

何も見つからなかった。

 

ナーラの失踪は、

他のギャング団からしてみれば、

『ブラッディ・マリー』の片腕を

失ったも同然だった。

最大の脅威がなくなって、

他のギャング団たちが私たちの取引に

目をつけ始めたんだ……。

それだけじゃない。

『ブラッディ・マリー』内からも

反逆を計画しているやつらが

裏で動き出したという噂が

酒場で広まっていたんだ。

仲間全員がナーラがいなくなったことを

心配してたわけじゃなかった。

一部の『元老』の中には、

この隙にソニアからリーダーの座を

奪おうとするやつらも出てきたんだ。

それを知ったソニアは、

ものすごく悲しんで……失望した。

ナーラがいなくなってしまった苦しみも

重なって、

ソニアはだんだんと非道になっていった。

優しさを捨てたソニアは、

まず『元老』を残忍な方法で処刑した。

その次に反逆を計画しているやつらに

精神的にも肉体的にも苦痛を与えて、

『ブラッディ・マリー』から追い出し、

スラム街に捨てた。

薄暗い路地で盗んだパンを奪われて、

涙を流していた泣き虫の女の子が

まさかこんな残忍な仕打ちを

するなんて……

誰も予想してなかったと思う。

ソニアの裏切り者に対する残忍な処刑は

ナーラ以上だった。

もう誰も彼女に逆らうなんてしなかった。

そしてこのことは、

ラスティーアンカー全体に衝撃を

与えたんだ。

ソニアは誰にも『慈愛』を示さなくなった。

私が一番驚いたのが、

これまで彼女がスラム街から救ってきた

孤児たちを『奴隷』として

扱うようになったことだ。

そう、つまり私も『奴隷』ということ。

 

「何か勘違いしてないかい?

スラム街から救ってやったじゃないか。

だったら、アタシの奴隷になるのが、

筋ってやつだろ?

お前のすべてを捧げるんだよ」

 

今のソニアは、

優しかった面影がまったくない。

彼女は金色の長い髪を短く切り、

こめかみにバラの模様を刻印した。

彼女は私に微笑むことも

なくなってしまった。

それどころか、

私が裏切るんじゃないかって

常に疑いの目を向けてるんだ。

ソニアは私たちに信じろって言うけど、

それに100パーセント応えることは

できなかった。

それでも彼女はひとりで

『ブラッディ・マリー』を背負い、

孤独を感じながらも投げ出すことは

しなかった。

『ブラッディ・マリー』が強くなれば、

ナーラは必ず戻ってくる。

彼女はそう信じていた。

 

ソニアはまるで茨のように咲く

鉄血のバラのように、彼女が通った道には

無数の裏切り者の死体が横たわっていた。

彼女は過去への最後の善意を捨てて、

権力の座に上り詰めた。

『ブラッディ・マリー』は

ソニアとナーラが築き上げた

帝国でもあるし、

ソニアの野心と欲の器でもある。

 

私は彼女の人生をただ見てきた傍観者だ。

ソニアのことを残忍だと言う人もいるし、

偉大だと言う人もいる。

慈悲深かったソニアはもういないんだ。

今では自らの手を汚すことなく、

『ブラッディ・マリー』に逆らう者を

自由に処刑しているんだから……

 

「欲望っていうのはね……

血塗られた罪深き土壌を切り裂くバラで、

アタシの武器でもあるんだよ!」

 

ドリーのコーナー

ソニアを知る人に言わせると、ナーラがいなくなってからのソニアは以前とはまるで別人のようになり、接しにくく、自分に逆らうものは容赦なく処刑した。

ギャング団のボスが悲惨な人生を経歴したことはよくあることだが、ソニアはその出自や地位に似つかわしくない上品さと冷静さを備えていた。

彼女の清楚な身なりと上品なマナーは彼女の本性を隠す絶好の保護色となっていた。

まさかこんなにも上品な女性が血に染まった略奪者であるなんて誰も思わなかっただろう。

しかし彼女の持つ純金の杖にはいつも血潮が付いていた。

ナーラとともに裏路地で盗みを生計にしていた頃の暮らしは決して良いものではなかったが、二人は運命に逆らうためには、運命よりも残酷でなければいけないということを教えられた。

彼女たちは目的のためには手段を選ばず、ありとあらゆる方法を尽くして、ついにこの町でブラッディ・マリーを結成した。

ソニアはナーラと違い、暴力を好まない性格で、ナーラが仲間に暴力を振るうことに極力反対した。

しかしナーラが失踪してからはその性格が一変して、非道残虐な行為を繰り返すことになった。

彼女は相手の悲鳴や許しを請う姿を見ながら、心の底でうごめく欲望を満たし、その残虐性はますますエスカレートしていくことになった。

血に染まったバラと棘で飾られた黄金の杖は、常にブラッディ・マリーを守り、これがナーラを自分のそばに連れ戻してくれると、彼女は信じていた。

 

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧