ウォルク【荒野のガンマン】
概要
呼称 |
・荒野のガンマン ・流浪のバウンティハンター ・サンドクローハンター ・ムタンスボーイ |
種族 | ヒューマン |
年齢 | 32歳 |
身長 | 187㎝ |
趣味 | お金稼ぎ |
好きなもの |
・お金と情報 ・砂漠の酒場にある酒 |
嫌いなもの |
・無情無法の者 ・サンドクロー |
故郷 | ブライト王国辺境 |
現在地 | 見放された地 |
現在の身分 |
・サンドクローを狙うハンター ・荒野のガンマン |
関連人物 |
【協力者】 ・クレイン |
ストーリー
荒野の用心棒ーーウォルク
見放された地には二種類の者しか存在しない。
砂の上を歩いている者と砂に埋もれている者だ。
賞金稼ぎとしてこの地の砂を
踏んでいることが何を意味しているのかを
ウォルクはよくわかっていた。
この地において、命とは辺りを転がる
タンブルウィードのようなもの。
いつ消えてもおかしくない。
だがその前に……
ウォルクはケリを付けなければならない
ヤツがいたのだったーー
真昼の日差しは相変わらず強く、
陽炎が立つほどの暑さで、
街、岩、蟻塚……視界に入るものすべてが
ゆらゆらしている。
砂と空の境界線だけが
遠くまではっきりと見えていた。
馬に乗った人影が地平線に現れる。
砂と埃の中にウォルクの姿が
はっきりと浮かび上がってきた。
彼は帽子のつばを上げて、空を見上げる。
ウォルクの頭上で大きな翼を広げながら
彼をじっと見つめる『バルチャー』に
視線を送った。
「肉が欲しいか? ならしっかりついて来い」
そう言って口角を上げて笑うウォルクは
スピードを上げて馬を走らせた。
「すまないが、満室だ」
宿が併設されている酒場に訪れると、
どうやら今夜は満室のようで、
酒場のマスターに断られる。
(ほかを探すか……)
仕方なく店を出ようとしたその瞬間、
店内に見覚えのあるヤツを見つけた。
3年前……キャラバンを襲った、
『サンドクロー』という盗賊団の
メンバーであるノールだった。
同時に、ノールもウォルクのことを認識する。
ショットガンを持つ狂った大男が、
『サンドクロー』狩りをしているという
噂があるようで、ノールは確認するように
ウォルクに鋭い視線を向ける。
「酒場では殺し合いは禁止、それが規則だ」
2人の間で張り詰めた空気が漂っていることに
気づいた酒場のマスターは先に忠告した。
酒場ではそれが暗黙のルールだ。
この地で唯一安全な場所である酒場で、
もし殺し合いが起こったら、ここにいる
全員から銃口を向けられることになる。
「酒場の中はダメなのか?」
「そうだ……いや、待て!」
マスターがウォルクの言葉の意味に
気づいた時はもう遅かった。
バキッーー!
席に座っていたはずのノールが
酒場の外に吹っ飛び、砂の上に転がった。
殴られたノールは、顎をさすりながら
ウォルクのショットガンを睨みつける。
よく見れば、ノールの顎には、
ショットガンのグリップに焼き付けてある
印の痕がしっかりついていた。
ウォルクはゆっくり酒場の外に出て、
ショットガンを回す。
今度は銃口をノールの頭に近づけ……。
ドーンーー!
酒場全体が揺れ、
天井や壁の隙間から砂埃が落ちてきた。
ウォルクが振り返ると、
酒場に陽の光が差していて、
みなが唖然としている姿が目に入る。
彼はコートの中からタバコを取り出し、
まだ赤く焼き付いている銃口で火をつけた。
「あと2人」
先程まで宿は満室だったが、
客室がひとつ空いたということで、
ウォルクは宿を取ることができた。
その日の夜ーー
客室の中で、ウォルクは武器の整備をしながら、
過去に思いを巡らせる。
相棒が死んだあと、
彼は手に持っている銃しか信用していない。
ウォルクと相棒はかつて王国軍の
ガンナーとして活躍し、
生死をともにした仲だった。
3年前、怪我のため軍を退役した相棒は
『サンドクロー』に襲われ命を落とした。
報復するよう軍に頼んでみるも
規則に合わないという理由で却下されてしまう。
「規則なんてクソくらえ!」
あの日、ウォルクは自分の上官を殴りつけ、
軍を去った。
誰にも頼らず自分自身で復讐するしかないと
ウォルクは心に決め、
1人でこの荒れ地に足を踏み入れたのだった。
ここは、銃とお金だけが物を言う場所だ。
銃は邪魔なやつを退け、
お金はあらゆる情報を買うことができる。
ウォルクは賞金稼ぎとなり、
高額の賞金首のみを狙った。
彼は規則に従うことが嫌いで、
みなウォルクの相棒になることを拒絶する。
気づけば、一匹狼となっていた。
稼いだお金で情報を買い続け、
ついに友を殺したヤツのリストを手に入れた。
全員で5名。
そいつらはすべて『サンドクロー』に
所属しているヤツらだった。
さらには、その中でも屈強な強さを持つと
言われている者ばかりだったのだ。
今日のヤツで3人目。
残りは『義足のジョージ』と
『処刑人のフランク』のみ。
思いを巡らせていたその時だった。
乾いた銃声が鳴り響く。
撃たれたのではない。ウォルクが撃ったのだ。
客室内にあったランプを銃弾が貫き、
窓の外にいたターゲットに命中したのだ。
明かりがなくなった室内で、
ウォルクはニヤリと笑う。
窓の外にいた黒い影が転がり落ち、
夜の帳が下りたこの地に苦痛の叫び声が
響き渡った。
ウォルクは銃口の煙を吹き消したあと、
再び銃弾を装填し、腰に収めた。
ショットガンとは違い、
このハンドガンはいつも持ち歩いている。
窓の外で気配を探っていた
『サンドクロー』の見張りが逃げていったが、
ウォルクはあとを追わなかった。
魚が餌にかかるのを待っているのだ。
「来い、弾はたっぷりある」
翌日の正午ーー
焼けつくような日差しが降り注ぐ中、
ノールたちはウォルクのいる町にやってきた。
『サンドクロー』は、町を取り囲み、
中に部隊を送り込む。
ウォルクは馬から降り、
敵の前に立ちはだかった。
つば広帽子の下から敵を観察していた彼は、
中から『義足のジョージ』を見つける。
『サンドクロー』の包囲網はだんだんと
狭まっていき、ウォルクを追い詰めていく。
ジリジリと照りつける太陽のせいで、
『義足のジョージ』は額から汗を流していた。
一筋の汗が目に入り、
無意識に瞬きをしたその時だった。
『義足のジョージ』の視線の先にあった
ぼんやりとした人影がゆらりと動き出したのだ。
ショットガンの銃声が連続で鳴り響くと、
銃口付近の砂が衝撃波で巻き上がり、
『義足のジョージ』の視界を遮った。
轟音、炎、醜い獣たちの悲鳴が混ざり合い、
辺りは戦場と化す。
しばらくすると、その場はしんと静まり返り、
風の音だけが聞こえた。
やがて砂煙の中から
ゆっくり姿を現したのはウォルク。
被っていた帽子のツバの隙間から
空を飛び回る『バルチャー』を見つめて
口を開く。
「飯の時間だ」
『バルチャー』は豪華な食事に飛びついた。
ウォルクはタバコに火を付けたあと、
馬にまたがり、町を後にした。
「残るはあと1人」
ドリーのコーナー
ウォルクは幼い頃から母親とだけ生活しており、父親が誰なのか知らなかった。
おまけに母親も生計を立てるため、家にいない時の方が多く、家庭の温もりを知らないまま成長した。
その後、母親が病気で他界すると、ウォルクは王国の辺境軍に加入した。
内気で人付き合いが苦手な性格だったため、他人との関わりはほとんど無く、そうした一人だけの環境にも慣れていた。
しかしディルだけは数少ない、ウォルクの親友とも呼べる存在だった。
ディルはウォルクとは違い、とても明るく、冷たく接するウォルクともすぐに仲良くなれた。
彼はいつもウォルクの肩に腕を乗せて、自分の理想、生活、そして毎日陽気な理由を聞かせてあげた。
ディルは将軍を慕い、王都からこの部隊にやってきており、王都には若く優しい妻がいた。
ディルが妻の話をするたびに、ウォルクはその温もりのある表情に心を打たれた。
7年の軍生活を経て、ウォルクとディルは生死を共にするパートナーとなった。
ウォルクよりも年上だったディルは、彼を本当の兄弟のように接していた。
ここ数年間、ディルは休暇のたびにウォルクを自分の家に招待した。
簡素で小さな家だったが、いつもディルの妻によって綺麗に整えられていた。
幼い頃から一家団欒の家庭を夢見てきたウォルクは、ディルの家に招待されることが楽しみの一つとなった。
とある任務中に怪我をしたディルは、退役を考えるようになった。
さらに3つ目の子供がまもなく生まれることもあり、家に帰って妻の世話をしようと考えた。
辺境の任務はいつも危険が伴っていたため、ウォルクもディルの考えに賛同した。
退役後、ディルはとあるキャラバンの護衛隊に加入するが、ある護衛任務の途中、サンドクローによる襲撃で命を落としてしまった。
ディルの葬儀に駆けつけたウォルクは、大きなお腹に2人の子供を抱え、大雨の中悲しみにくれるディルの妻の姿を見た。
その瞬間、ウォルクはディルの妻の後ろ姿から自分の母親の面影を見出した。
その日、ウォルクはディルの家族のためにも、必ず仇を討つ事を心に誓った。
ディル死亡の真相を突き止めるため、ウォルクは軍を離れ、必死に情報を集めた。
高い情報量を払うためにバウンティハンターにもなったが、それでもまだまだ足りなかった。
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