オスカー

ページ名:オスカー

オスカー【隠刃の執事】

概要

呼称 隠刃の執事
陣営 ブライト王国

ストーリー

エスペリア大陸にあるケイリン城で

最も力を持っている貴婦人に仕えている、

若い執事オスカーーー

彼は細かい動作までとても優雅で礼儀正しい。

来訪者が傲慢な姫様であれ、

身分の低い召使いであれ、

関係なく優しい口調で微笑みながら

接するという、まさに執事の鑑だ。

だが、彼がポーカーフェイスを

徹底しているのは、

執事だからという理由だけではない。

片眼鏡の奥には、知られざる秘密が

多く隠されていたのだったーー

 

かつて、オスカーはキラーだった。

コードネームは『サージェリーメス』。

仕留めたターゲットの身体に、

必ず十字の切口を入れていた。

『サージェリーメス』の座右の銘は『確実』。

彼は力任せに正面衝突する殺しを嫌う。

そして、低レベルのミスを決して許さなかった。

スマートに確実に殺すその巧みな技術により、

『サージェリーメス』は

キラーの中でも群を抜いていて、

依頼報酬もかなり高かったという。

 

しかし5年前。

この優秀なキラーとしての人生は

一度の裏切りにより終止符を打つことに……。

 

王国の貴族たちが開催した

盛大な仮想パーティで1人の王国貴族の男性を

暗殺するという任務の時だったーー

計画は着々と進み……。

パーティの後半になった時、

会場に大きな悲鳴が響いた。

王国貴族の召使いが叫んだのだ。

なぜなら……。

そこには主である貴族の男性の

死体があったからだ。

だが、いつから死んでいたのか……。

被害者の男性は、パーティが始まった時から、

手にワイングラスを持ち、

ずっと静かに座っていたため、

誰も不審に思わなかったのだという。

そう、今日は仮装パーティだ……。

死に際の恐怖に包まれた表情は

仮面によって遮られていたのだ。

会場が騒然としはじめ、

犯人を探そうとしてももう遅い。

キラーは悠々と現場を離れたあとだった。

唯一残されたものは、

死者の喉元に残された十字の傷跡。

『サージェリーメス』の存在だーー

 

彼は今回もまた依頼を

見事に成し遂げたのだった……。

 

しかし、思わぬ事態が彼を襲う。

 

彼のもとに届いたのは報酬ではなく、

依頼人の裏切りだった……。

ターゲットの身分が思いのほか高貴だったため、

依頼人はプレッシャーに耐えきれず、

キラーの事を暴露してしまったのだ。

数箇所あった隠れ家と連絡手段、

すべて白日の下に晒され……。

『サージェリーメス』は何度も襲撃されるが、

巧みな偽装能力により、その都度危機を免れた。

だが、それも長くは続かず、

窮地に追い込まれてしまって……。

 

逃げられない、そう思った時、

ある貴婦人に話しかけられる。

こんな盛大なチャンス逃すわけがない

『サージェリーメス』は、

得意の嘘をつきはじめる……。

 

「田舎から出稼ぎに来たのですが、

謂れのない罪を着させられそうに

なっているのです」

 

「どうか、わたくしに御慈悲を……」

 

そう言うと、貴婦人はにっこり笑って彼をケイリン城に連れて行ったのだった。

 

そうして時は経ちーー

オスカーは誰にも見つかることなく、

貴婦人の執事として、完璧に仕えている。

だが、貴婦人も馬鹿ではない。

最近ではオスカーのことを、

薄々と勘付き始めていて……。

どこかで見たことがあるのに思い出せずにいる。

なかなか確証を得られないのだ。

それだけオスカーの偽装は完璧であり、

常人なら気づくことさえままならないのだろう。

だがそれを突き止めたとしても、

貴婦人はこの執事を解雇する気はない。

彼女の生活は、オスカーが一つずつ

きめ細やかに手配してくれているからこそ

成り立っていたからだ。

 

ある時……。

貴婦人がオスカーの過去について聞くと、

オスカーはこう答えた。

 

「あなたはとても勘が鋭く、賢い。

このオスカー、

裏切りをひどく嫌っておりますゆえ、

よほどのことがない限り、

一生あなたに仕える所存でございます」

 

この言葉を聞き、

貴婦人は疑いの気持ちをしまい込んだのだった。

なぜなら、彼女も人を疑うような行為は

嫌いだったからだ。

 

「それでは、

あなたが自分の口であなたの物語を話すまで、

私は何も聞きません」

 

(ふふ……やはりあなたは賢い人だ)

 

彼はわずかに微笑んだ。

たまにターゲットを切り刻む快感を

懐かしむこともあるが、

オスカーは今の平和な日常を

気に入っているのだ。

 

「おはよう、オスカーさん。

今日は奥様が大好きなメニューにしましたよ」

 

「おはようございます、

今日も一日よろしくお願いします!」

 

この屋敷の忠孝な下男、

情熱あふれるシェフ、

自分を慕う幼いメイド……。

オスカーが仕事を手配しなければならない人が

この城にはたくさんいる。

彼なしでうまく回せないほどに

オスカーは重要な立ち位置にいるーー

 

「うん? このブローチですか? 

これは王国執事協会の栄誉勲章ですよ。

大したものではございません」

 

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