ケルチャーチン

ページ名:ケルチャーチン

ケルチャーチン【煉獄の画家】

概要

呼称 煉獄の画家
陣営 カタストロフ
身長 208㎝
趣味 自分の誕生儀式を繰り返すこと
好きなもの 完璧な殉死の刻印
嫌いなもの 聞き分けのない生贄
現在地 不明
関連人物

【敵】

タニー

ストーリー

ケルチャーチン、殉死の刻印に取り憑かれた純粋な悪意で出来た生き物。

降りしきる雨の中、元素の地の荒涼とした海岸に、ギシギシと音を立てる老朽化した帆船が近づいてきた。

十数人の罪を詠いし者たちを乗せたその船が、ついに彼らの故郷へと帰ってきたのだ。

手漕ぎボートに乗り換え、岸へと降り立ったカタストロフ崇拝者の子孫たちは、目立たぬよう静かに、生還の喜びを分かち合った。

一行を率いて先頭を歩くのは、かなり年を取った老人だった。

漂着した大陸を、どうにか5艘編成で出航したにもかかわらず、今、海岸に残るのは、彼と老若男女を含む十数人の追随者だけだった。

数年前の記憶を辿りながら、老人はすでに廃墟となっている長屋を探し当て、一行に雨宿りをするよう命じた。

濡れた服を乾かすために全員が服を脱ぐと、彼らの背中に刻まれた、奇妙な逆三角形の刻印があらわになり、そのうち何人かは、まだ血がにじんでいた。

ケルチャーチンが老人の首根っこをつかみ、自らの創造者を宙吊りにすると、その薄気味悪い4本の触手が、身動きできない罪を詠いし者たちを蹂躙していった。

筋が切れ、肉が砕ける音が不快に響く。

「聞こえるか、俺を呼ぶ声が? ケルチャーチン、この冒涜的な音にちなんで名付けられたんだ」

彼が話し終わったとき、老人はすでに息絶えていた。

その少し前、老人は追随者たちに、カタストロフたちがこの世に戻ってきても、この刻印が守ってくれると約束したばかりだった。

しかし実際には、それは彼の邪悪な儀式のための、生贄の印にすぎなかった。

上陸した日の夜、彼は長屋で数年前から仕込んでいた生贄の儀式を、皆が眠っている間に始めたのだ。

これが、カタストロフからの贈り物を受け取るために同族を生贄に捧げる、罪を詠いし者の正体であった。

年老いた罪を詠いし者は、禁じられた書物を盗み見て、そこに記された刻印儀式によって、不死のカタストロフへの昇華を成し遂げるという希望を抱いていた。

しかし、古語に対する彼の表面的な理解は、その希望を単なる妄想で終わらせてしまった。

『古代のカタストロフは殉死によって不滅となる』。

『殉死によって昇華する』のではない。

つまり、いわゆる昇華儀式とは召喚儀式のことであり、わずかな読み違えが、古代カタストロフの種族を、この世に蘇らせてしまったのだ。

さらに、その儀式は粗末で不完全なものであり、殉死の刻印も正確に刻まれていなかった。

そのため、この不完全な儀式によって生まれたケルチャーチンは、刻印を完成させることに深く執着するようになった。

この残酷なカタストロフは、非常に聡明ではあるが、古代の知識はすでに失っていた。

そして、訪れる先々を地獄へと変えていった。

大通り、山中、大広間、神々の祭壇、ケルチャーチンは生贄を捕らえては、その4本の触手で蹂躙した。

何度も罪のない血を流し、直感だけを頼りに自分が誕生した儀式を繰り返し模倣した。

ただ完璧な殉死の刻印を描くために。

この冒涜的な悪を制裁するために、帝国の北にある法廷と聖堂は総動員体制を敷くことに決めた。

彼ら勇士はケルチャーチンの痕跡を求めて広大な北の地を注意深く探したが、なんの痕跡も見つけられないばかりか、ケルチャーチンの犠牲者リストに載る者もでてきた。

そしてついに、セレスチアル・タニーの罪の柱が天から降りてきたのだった。

ある村でタニーは、ケルチャーチンの残虐行為を止め、初めて彼の「創作」を失敗に終わらせた。

しかしタニーは、この狡猾なカタストロフが、最後の瞬間に神罰を逃れたことを確認した。

それ以来、ケルチャーチンは長い冬眠に入ったかのように姿を見せなくなったのだが、誰もが落ち着きのない日々を過ごしていた。

そして、勇敢な聖職者たちまでも、ケルチャーチンが再び戻ってこないようにと祈り続けていた。

もし、完璧な殉死の刻印を携えてケルチャーチンが戻ってきたとしたら、どのような恐怖がこの世に降り注ぐのかは、誰にもわからない。

「夜道を歩くな、地面に押しつぶされる。密林に入るな、木の梢に吊るされる。祭壇に上るな、偶像の上に落とされる。門をくぐるな、最愛の人を亡くし涙を流すことになる」

ーー北の童謡

 

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