フィテラ

ページ名:フィテラ

フィテラ【輝きの戦神】

概要

呼称

・輝きの戦神

・黄金の砦の指揮官(昔の呼称)

陣営 セレスチアル
種族 ヒューマンから昇格した神
身長 200㎝
趣味

・訓練

・身だしなみを整えること

好きなもの

・華麗な服装

・凱旋後に聞く賛歌

嫌いなもの

・心を惑わす邪悪な存在

・華麗な服装につく汚れ

故郷 ブライト王国
現在地 エスペリア
現在の身分

・エスペリアのセレスチアル

・輝きの戦神

関連人物

【敵】

ルクレティア

ストーリー

フィテラは王国のとある下級地主層の

家に生まれる。

父親は民俗学者で、

信仰深い聖なる光の信徒でもあった。

毎晩、忘れ去られた人間と

神々の物語をフィテラに聞かせていて、

その熱心な思いは次第に

フィテラにも伝わっていったのだった。

フィテラは幼い頃、吟遊詩人になって、

美しき神々の波乱万丈な物語を歌うことを

何度も夢見ていた。

だが残念なことに、

フィテラが成人してまもなく、

第一次カタストロフ戦争が

勃発してしまったのだった。

絶え間なく湧き出る地下水のように、

カタストロフが四方八方に現れ、

世界を苦しめていった。

カタストロフはフィテラの故郷も

容赦なく襲った。

そして父親は心身ともに疲れ果て、

ほどなくして病気で他界してしまう。

故郷を守り、カタストロフと戦うため、

未熟ながらも若く血気盛んなフィテラは

軍隊に入ったのだった。

「デューラ様と神々が我々に力をくれた! 

聖なる光は我々を勝利へと導く!」

フィテラは母親を安心させようとした。

だが、神々のひとりである戦神が

突然敗北してしまう。

王国兵士たちの間に悲しみと

人間の敗北という空気が一気に広がった。

加えて、緊急時に鳴り響く警報が

ひっきりなしに鳴らされ、

そのたびに兵士たちは怯え、混乱に陥った。

ただの訓練兵だったフィテラは、

この激しい戦いでも挫けなかった。

彼は家にいた頃と変わらず、

父親が語っていた神々のように、

毎日念入りに自分の身なりを整え続けた。

端正な顔立ちと鮮やかな金髪、

清楚な佇まいと自身に満ちた姿は、

軍隊の中でひときわ輝きを放っていた。

その姿は戦意を喪失した兵士たちを、

弱く無能に見せたのだった。

フィテラのことを異質な存在だと

感じ取った先輩の兵士たちは、

最初は戦いに対して不安と恐怖という

感情を抱いていたが、

だんだんと感情の矛先が

フィテラに向いていき、

皮肉となり嘲笑、罵り、虐めへと

変化していった。

加害者も傍観者も、

フィテラを虐めるたびに、

刺激と快感を味わう楽しさから

抜け出せない。

こうすることで戦いに対する

不安や恐怖を忘れ、

憂さ晴らしをしていたのだ。

若く世間知らずのフィテラは、

光が輝けば輝くほど

影が濃くなっていくことと同様に、

挫けない強い意志と

自信に満ち溢れ光のように輝く姿が、

兵士たちに影を落としているなんて

夢にも思わなかった。

そのため、フィテラは兵士たちに

罵倒される理由も

わかっていなかったのだ。

何もかも理解できない彼は、

散々虐められた後、

王国に伝わる昔の歌を静かに歌っていた。

歌の中の英雄のように堪え続けて、

戦場の闇を突き破る光になるのだと、

自分を励ましたのだった。

カタストロフにじりじりと迫られ、

まるで煉獄のような年月が続いた。

フィテラも他の戦士たちも、

残酷な戦いから生き延びるのが

やっとだった。

その頃、戦場は大魔と呼ばれる、

上級カタストロフの精鋭に支配されていた。

大魔は、凡人には絶対に

太刀打ちできないほど

強大な力を持っていたのだ。

ある日、大魔の奇襲をくらった

フィテラと他の戦士たちは、

不毛で荒れ果てた土地に連行された。

そこは、大魔が闘技場と称している

場所だったのだ。

「戦いで生き延びた者は、

ここから解放してやろう」

大魔は『慈悲深い』約束をした。

その誘惑に負け、戦いに挑んだ者の中には、

老人は負傷者など弱い兵士を相手に

勝利を得た者もいた。

だが……待っていたのは絶望だった。

大魔は『解放する』としか言っていない。

勝者はそのまま荒野に放たれ、

闘技場にも戻れず故郷にも帰れず、

身ひとつで彷徨うことになる。

絶望の先には死しかなかったのだ。

すべての元凶である大魔は、

それらを毎日高台の観客席から

見物していた。

人々の悲痛な叫び声と、

絶望と恐怖の感情は、大魔にとって

最高の糧だった。

老人や弱い兵士が減るにつれ、

闘技場という地獄から出る『希望』が

みるみるうちになくなっていった。

フィテラはこんなことをしてまで

生き延びたくはないと思ったが、

終わることなく続くカタストロフの囁きで、

心が限界に達してしまったのだ。

その日ーー

フィテラは成人したばかりの新兵の少年を

犠牲にしようと、震えながら手を上げた。

少年はフィテラに『選ばれた』ことに

気づいた瞬間、

その澄んだ瞳に戸惑いと絶望を浮かべた。

フィテラは軍隊に入ったばかりの頃の

自分と少年が重なった。

この一瞬の既視感は鋭い爪のように、

フィテラの堕落した思考を猛烈に引き裂く。

蓋をしていた過去の悲しみが

大波のように押し寄せ、

古い傷の痛みが蘇った。

彼が少年にしようとしたことは、

かつて自分を虐めていた

先輩兵士たちのしたことと、

何が違うのだろうか。

信仰心と希望を失った者は、

私利私欲の獣に成り下がり、

我が身可愛さで弱い者を

踏みにじることしかできない。

だが、少なくとも現時点では、

フィテラは奈落の底に落ちる

一歩手前で踏みとどまることができた。

フィテラは後ろを向く。

埃にまみれ、乱れていた長い金髪を

カサカサの指で梳き、

服を引き裂いてその布で髪をまとめた。

そして闘技場へと歩きながら、

あの古い歌を再び口にした。

 

嗚呼、我の旅は長い

嗚呼、我の故郷はどこに

70と7回目に建てた壁

70と7回目回目に

踏みつぶされる

その牙は我が家族を食らう

その爪は我が骨を砕く

嗚呼、我は帰る

高き山の城から

地の果てから、帰る!

 

昔から伝わる物語が兵士たちの耳に届く。

一瞬表情が緩むもすぐに引き締まり、

1人、2人と痩せて骨ばった拳を振り上げ

檻を叩いて歌い始めた。

 

嗚呼、高き山の城に

神がいる。

黄金の弓をこの手に

復讐の矢を放つ

燃ゆる戦車に乗り

前線へと駆けて行く

嗚呼、我が故郷が

よみがえるまで

嗚呼、我が生まれし地に

我は帰る!

 

カタストロフが歌を鎮圧しに来た時、

フィテラは大魔に向かって叫んだ。

「弱者に刃を向けるのは、卑怯者の所業! 

強者に刃を向けることが、真の勇敢さだ。

だから最後に勝利するのは、我々だ!」

眩しいくらいの彼の意志に、

大魔は腹を立てて

高台の観客席から飛び降り、

巨大な剣を振りかざし

フィテラを潰そうとした。

大剣に当たる寸前、

フィテラは大剣の剣先をそらし、

檻の鎖を粉砕させる。

だがまだ終わりではない。

フィテラはその剣にしがみつき、

深い傷から血を流しながら叫んだ。

「おい、兵士たち! 

故郷のためにも退却するな! 

カタストロフと最後まで戦え!」

兵士たちはフィテラの言葉に鼓舞され、

次々と檻を出る。

武器を拾い、傷だらけのフィテラを抱えて

死に物狂いで道を切り開いた。

兵士たちは皆、

この若者が王国に帰れば、

きっと何かを変えてくれると期待し、

フィテラの生を願ったのだ。

王国に帰ることができた兵士は

10分の1もないだろう……

再び人々の前に現れたフィテラは瘦せ細り、

傷だらけだった。

だが、彼の瞳に宿る意志は

光のように輝いていたのだ。

生存者のほとんどは

二度と戦場には戻らなかったが、

フィテラだけは軍隊に戻ったのだった。

数年後ーー

シレンとカタストロフが銀雪平原で

激闘している最中、

難攻不落と謳われた連合軍の拠点である

インディスト要塞が、

憎悪の魔女・ルクレティアが率いる

カタストロフに襲われ、

駐屯軍が大きな打撃を受けた。

退却する兵士たちが下級カタストロフに

虐殺される中、

金の鎧を纏った馬に乗ったフィテラが

突入したのだ。

何度も突撃する彼は、

夜間を引き裂く金色の光のようだった。

フィテラに励まされた兵士たちは、

少しずつ隊列を整えていった。

倒されることのない輝く金色に、

兵士たちは恐怖を忘れた。

カタストロフなど、

槍で一斉に突き刺せば簡単に心臓を

貫くことができる。

何が恐ろしいというのだろう。

ついに兵士たちはカタストロフを追い返し、

損害を最小限に抑えたのだった。

それ以来、

戦場を駆ける華麗なる騎乗戦士の伝説は

広まった。

美しい鎧と輝く金髪を持っていて、

まるで神々と肩を並べているかのように、

神々しい姿。

その金色が訪れる時こそ、

勝利が訪れる時である。

フィテラが戦場で活躍し続けていると、

彼の元にどんどん兵士たちが集まり、

その軍団は『黄金の砦』と呼ばれた。

カタストロフとの決戦

『凍てつく谷』での包囲戦で、

フィテラの軍団は最後まで戦線を維持し、

カタストロフどもを封印へと追いやった。

カタストロフ戦争が終わった後、

フィテラは数々の功績を神々に認められ、

新たな戦神となったのだった。

その歴史を記した歴史家は

史書の最後でこう書いている。

「人間の肉体は葦のように脆いが、

その心は、神にも匹敵する」

 

ドリーのコーナー

かつてのフィテラは、人々に好かれる少年だった。

彼は素直で優しくて、いつも楽しい歌を口ずさんでいた。

裕福な家庭と両親の愛情の中で育った彼は、背の高いハンサムな好青年になった。

フィテラは父の影響を受け、聖光の敬虔な信徒となった。

彼はいつも身だしなみに気を使い、歌の中の神々に近づくよう、自分の外見、特に輝く金髪を丁寧に整えていた。

後に軍に入っても、悪魔と戦う時でも、フィテラは容姿を磨き続けていた。

見た目をきちんとすることによって、彼は心の安寧を得るのだ。

しかし、外見を気にするフィテラは、軍の中で悪目立ちしていた。

彼は信念を強く持つことで、嘲笑と嫌がらせに耐えるしかなかった。

しかし、死の恐怖と精神の重圧が一気に襲い来る時、ただの人間でしかないフィテラは、悪意の囁きに耳を傾けた。

「生き残りたければ殺し合え」

と、悪魔は命じた。

そして檻に閉じ込められた仲間たちは、まるで獣のように殺し合い、数を減らしていった。

その惨状を目にしたフィテラは苦しみ、訳が分からなくなった。

カタストロフと戦うのは、ただの自滅行為ではないだろうか。

敗北する未来が決まっているのなら、兵士たちの奮闘に、果たして意味はあるのだろうか?

深淵に落ちて行くフィテラは、最後の最後に答えを見つけた。

弱者を虐げても、結局は生きる屍に成り下がるだけだ。

生きるチャンスはきっと、信念や希望の先にあるのだ。

答えを見つけ出したフィテラは、迷いと恐怖を捨て、炎のように燃え続ける自信と誇りを手に入れた。

心に宿る炎は兵士たちの恐怖を払い除け、黄金に輝く鎧と髪は、部隊の者たちに勝利を確信させ、闘志を与えた。

フィテラは理解した。

人間の兵士たちは、個の力で戦っている訳ではない。

カタストロフに比べれば、ヒューマンの力なんて羽虫のようなものだが、幾千幾万の羽虫が力を合わせれば、邪悪を払うことだって出来るのだ。

数々の功績を立てたフィテラは、神に抜擢された。

神々に憧れる少年だった彼は、今や立派な戦神である。

そして子供の頃とは違い、今のフィテラは力について、自分の考えを持っている。

強大な力には、責任が伴う。

正義を守り、部隊を鼓舞し、ヒューマンを守る神。

そんな歌に出てくるような神様になることが、フィテラの目標である。

 

スキン【ブレイブストライク】

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧