カレン【血と贄の支配者】
概要
呼称 | 血と贄の支配者 |
陣営 | グレイヴボーン |
身長 | 168㎝ |
趣味 | 生贄が消滅する姿をじっくり眺めること |
好きなもの | 新鮮な血液 |
嫌いなもの |
・裏切り者 ・活力を失うこと |
故郷 | ブライト王国のスレイド邸 |
現在地 | ブライト王国 |
現在の身分 | 血命教の主 |
関連人物 |
【血命教の共同組織者】 ・ベーダン |
ストーリー
ーー『公示』ーー
近日、スレイド邸で
異端の儀式が行われるという情報があり、
関連部門が調査中。
この件に繋がるような情報をお持ちの方は、
すぐに『異端裁判所』に報告を。
『ノーラの手紙』
急啓
公示を拝見してご連絡しました。
私の親友であるアンナ・カルデスは、
1年前からスレイド邸でメイドとして
スレイド子爵夫人に仕えてきました。
私たちはとても仲が良く、
ずっと手紙のやり取りをしてきたんです。
ところが昨日、
彼女が危険に晒されているという手紙を
受け取りました。
それ以来、彼女と連絡が取れません!
彼女から送られてきた手紙を
同封します。
調査のお役に立てたら嬉しいです。
もしアンナを見つけたら、
私はいつまでもあなたのことを
待っているとお伝えください。
追伸
私はこの事件が子爵夫人である
カレン・スレイドと
絶対関係があると思っています。
敬具
ーーノーラ・ヒル
『アンナの手紙』その1
大好きなノーラへ
最近忙しくて、
手紙送るの遅くなっちゃったわ。
最近どう? 元気にしてる?
私、スレイド邸にきて、
かれこれ1ヶ月過ぎたわ。
以前あなたにも話したけど、
私はスレイド子爵夫人である
カレン様のメイドで
日常生活のお世話をしているの。
カレン様はスレイド家の
由緒正しい血筋の方で、
一家の財政管理をしているわ。
カレン様は博識で、
多くの言語をマスターしてるのよ!
それに、私に対しても
すごく優しく接してくれて……
こんなに素敵な主に仕えることができて
嬉しい!
でもカレン様は体が弱くてね……
お医者様の話によると、
来年まで持つかどうかわからないそうよ。
もしそうなったら、
スレイド家はどうなってしまうのかしら。
今のカレン様の状態はすごく悪いの。
以前は綺麗な絵画を描くくらいの元気は
あったんだけど、今は……はぁ。
だからね、残された時間を
できるだけ楽しく過ごせるように、
しっかりケアしてあげようって思うの。
だってそれが私の仕事じゃない?
あ、そうそう!
執事の話によると、
来月には子爵様が
お屋敷に戻ってくるそうなの。
イワン様とカレン様は、
もともと幼なじみだったみたいなんだけど、
イワン様がスレイド家に入るかたちで
ご結婚されたって聞いたわ。
どんな方なのかしら……
この手紙と一緒に送った包みは、
あなたへのプレゼントよ。
気に入ってもらえると嬉しいわ!
ーーあなたを愛するアンナより
『アンナの手紙』その2
大好きなノーラへ
プレゼント気に入ってもらえた?
外もだんだん寒くなってきたから、
出かける時にはマフラーを忘れずにね~
ねぇ、聞いて!
以前の手紙で話したイワン様が
お屋敷に戻ってきたの。
イワン様はすごくハンサムで、
メイドの私にも
すっごく優しくしてくれるのよ。
イワン様とカレン様は本当にお似合いなの。
カレン様がお元気なら、
きっと子供を授かることも
できたでしょうに……
でもね、イワン様が帰ってきてから
カレン様の容態が
かなり良くなったみたいなの。
カレン様は、イワン様と2人で
森の中を散歩していた時のことを
楽しそうに話してくれたわ。
でも私……
カレン様の昔話を楽しく聞くことが
できなくなっちゃったの。
こんなこと、あなたにしか言えない。
誰にも言わないでね!?
この間、イワン様に偶然会って、
少しだけお話したの。
イワン様はカレン様のことを
愛しているけど……
病気で寝たきりの今の姿を見て
すごく悲しいみたいで。
イワン様は、若くて美しかった頃の
カレン様のことを懐かしそうに
私に話してくれたわ。
実は最近ね……
カレン様って早くお休みになるから、
寝静まったあとに私……
たまに、たまによ!?
……内緒でイワン様に会いに行くの。
イワン様ったらね、
昔の話をたくさんしてくれて……
もちろん、
カレン様には悪いと思っているのよ?
でもね……私のこと、
昔のカレン様に少し似てるって
言ってくれて……
もしも、もしもよ!?
カレン様が亡くなったら、
私、イワン様と!
…………私ったら、
なんていけないことを。
これまでカレン様に
あんなに良くしてもらったのにね。
手紙はここまでだけど、
本当に、本当に誰にも言わないでよ!?
ーーあなたを愛するアンナより
『アンナの手紙』その3
大好きなノーラへ
最近起きた出来事を話すわね。
いつものようにカレン様の部屋を
掃除している時のことなんだけど……
イワン様が部屋にきて、
カレン様の近況を聞いてきたの。
私、イワン様と話せることが嬉しすぎて!
だっていつもはこっそり夜に会って
話してたから……
こんな昼間から堂々と会えたのが
嬉しかったのよ。
だからね、
私ちょっと舞い上がっちゃって……
いつもと同じように、
ついイワン様の耳元に顔を寄せて
話してたら、運悪くカレン様が
目を覚まして見られちゃったの。
あの時のカレン様の目は
今でも忘れられないわ。
カレン様はすごく怒って、
私のことを尻軽女って罵って……
そのあと、癇癪を起こして
ずっと怒鳴り散らしててね。
そのせいか、血を吐いてしまったの。
幸いイワン様が止めてくれたから
良かったけど。
カレン様は、私とイワン様が
こっそり会ってること、
知ってたんだと思う。
それ以来、
カレン様は人が変わったように
冷たくなってしまったわ。
話を聞いてほしいって言っても、
ぜんぜん聞いてくれなくて。
謝る機会も与えてくれなかった。
イワン様が帰ってきて、
容態が良くなってたのに、
日に日に悪くなっていって……
カレン様はイワン様に対しても
同じように冷たくしてたんだけど、
それでもイワン様は
カレン様のそばにいたわ。
こんなに優しくていい方なのに、
妻が死んでいく姿を見ていることしか
できないなんて残酷よね……
カレン様は、スレイド家の後継者として
素晴らしい能力を持っているのに、
今はただベッドの上で
窓の外を眺めているばかり。
運命って本当に残酷。
でも、来週新しいお医者様が
カレン様の診察に来るらしいの。
知人の紹介のようだけど、
以前もかなり有名なお医者様に
診てもらったのに治らなかったから……
カレン様の病気は本当に治るのかしら?
もしカレン様が元気になったら、
今の生活は大きく変わると思うの。
でもそんな日が来るなんて、
私、想像できない……
ーーあなたを愛するアンナより
『アンナの手紙』その4
大好きなノーラへ
最近、お屋敷で働いている人たちが
日に日に減っていくの。
別邸に異動させられているのかしら?
もしかすると私もいつか、
このお屋敷を離れる日が
来るかもしれないわ。
そうそう、以前の手紙にも書いたけど、
カレン様のもとに例のお医者様が来たの。
そしたらね、カレン様がすごい早さで
元気になっていって……
今なんて車椅子なしで移動できるまで
回復したんだから!
ついこの間まで寝たきりだった方とは
思えないくらい。
どんな医療技術なのかしら?
カレン様、見るたびに回復していって
すごく喜ばしいことなのに、
イワン様はあまり喜んでないみたい。
青ざめた顔して地下室から出てくる
イワン様の姿を何度か見たのよ。
地下室にはいったい何があるのかしら?
たしか、カレン様の治療も
その地下室でやっていたような……
そうそう……
カレン様は私に対してまだ冷たいの。
まあ、当然といえば当然なんだけど。
でもね、あんなに優しかったのに、
すごく気性が荒くなったのよ。
怒ってすぐにお皿とかグラスを
床に叩きつけるから、掃除が大変で……
こんなこと言っちゃいけないと思うけど、
病気だった頃のカレン様のほうが
よかったわ……
だってあの頃のほうが
ずっと楽だったんだもの。
ねえ、ノーラ。
カレン様の病気が完全に治ったら、
お屋敷のこと含めて、
何もかも良くなると思う?
あのね……
カレン様はもうイワン様のことを
愛していないかもしれない。
だから……
私もう自分の気持ちに嘘を吐きたくない。
私こそ、イワン様に相応しいのよ。
今、いろいろと計画を立ててるの。
もしすべてが上手くいったら、
その時はすべて話すわ。
だから今はまだ何も聞かないで。
ーーあなたを愛するアンナより
『アンナの手紙』その5
ノーラへ
もう何もかも手に負えなくなったわ。
執事から通達があったの。
全員、屋敷から離れるようにって。
カレン様の指示だと言ってたけど、
その理由については教えてくれなかったわ。
カレン様はもうすっかり回復して、
美しかった姿も取り戻したの。
きっと私の計画は、
カレン様にバレていると思う。
でももう後戻りできないの……
だって彼のことを愛しているんだもの。
カレン様の病気が
どんどん治っていくのを見て、
私、正直すごく焦ったわ。
だから……カレン様が前のように、
病弱に戻ってくれたらって
考えちゃって……
カレン様の飲み物に毒を入れたの。
だけど、それを飲んでも
ぜんぜん反応がないし、ピンピンしてて。
それどころか、飲んだあと、
薄気味悪い笑顔を私に向けたのよ。
毒を入れたことがバレたんだって思ったわ。
ノーラ……
私、罪人になってしまった……
とんでもないことをしたって思ってる。
でも、止められなかったの。
彼を愛してるから。彼と結ばれたいから。
でもでも、聞いて?
毒を入れたことでわかったのよ。
カレン様の病気を治したのは、
医術なんかじゃないわ!
あれはきっと、邪悪な魔術よ!
だって、カレン様の体に、
何かの印みたいな奇妙な血痕が
現れ始めたの。
もう、あの頃のカレン様じゃない。
カレン様は変わったの……
きっとひどい仕打ちを受けるに
違いないわ……
なんとかしてここから逃げないと。
でもどうやってここから逃げたらいいの?
ーーアンナ
『スレイド邸死霊魔術事件調査報告』
調査によると、
スレイド邸に発生した一連の怪事件は
死霊魔術と関わりがあると推測する。
以下はその調査結果である。
【調査結果】
スレイド邸には死霊魔術を
使った痕跡があり、
数日前から外部との連絡が途絶えている。
スレイド家はブライト王国の
機密を握っていることもあり、
『異端裁判所』は今回、
ブライト聖堂の許可を得てから、
屋敷の強制調査に入った。
屋敷内部で生存者は確認されず、
死者はイワン・スレイド子爵、
その他執事やメイドを含め、
合計37名が確認された。
地下室で死霊魔術の儀式を
行ったと思われる祭壇を発見。
ブライト聖堂の調査協力によって、
地下室には大量の死霊魔術に使われた
道具が見つかった。
今回の調査で確認された死者の中には、
屋敷の主であるカレン・スレイドは
確認されなかった。
彼女は16歳の時に難病を患い、
王国の医者から不治の病と診断されている。
平民のノーラ・ヒルが提出した
アンナ・カルテスとの手紙と
その他関連証拠を照らし合わせた結果、
以下のことが推測される。
カレン・スレイドがバンティスと共謀。
スレイド邸の人間37名を
自身の延命措置のための生贄として殺害。
その後、グレイヴボーンに成り果てる。
よって、
カレン・スレイドをブライト王国の
凶悪犯として指名手配。
領土内で目撃された場合、
直ちに捕らえ処刑するものとする。
ドリーのコーナー
ずっと昔......
スレイド邸にカレンという高貴で美しい女性が住んでいることを人々は知っていた。
一族の後継者であるカレン・スレイドは、幼い頃から邸の運営を引き継いだ。
彼女は博識多彩かつ優雅な身なりで、使用人に対しても決して威圧的と取らなかった。
しかし、それも長くは続かず、病魔が徐々にカレンの生命力を弱らせ、寝たきりの状態が続くと、使用人たちもだんだん怠慢になっていった。
幸い新しく邸にやってきたメイドのアンナは、かなり有能で、二人は年齢も近く、よくカレンの話し相手をしてくれた。
変化はイワン・スレイドが邸に戻ってきた頃から始まる。
イワンはいつも優しく彼女に接していたが、それでもカレンは二人の間に溝ができ始めたことに気づいた。
カレンのベッドの前には小さなベルがあり、それを鳴らすとアンナがやってきて彼女の身だしなみを整えてくれた。
だが次第にベルを鳴らしてもアンナが部屋に来ないことが多くなり、一人でベッドから降りることができないカレンはよく一日中ベッドの上で座ったきりになっていた。
ある日、カレンはアンナがイワンと近距離で接しているのを目の当たりにする。
その光景を見たカレンはひどくアンナを𠮟りつけ、怒りのあまり吐血する始末だった。
しかしイワンは自分ではなくアンナに気を使い、カレンを𠮟咤した。
病魔、孤独、愛する人の裏切りによってカレンはすべてに絶望した。
友人の紹介によりカレンは血の儀式に関する秘密を知ることとなり、自らの体を使って血の儀式を行うことにした。
邸の使用人は日に日に減っていき、それに伴い、カレンは若さと美貌を取り戻すこととなるが、彼女はそれだけでは満足できなかった。
血命教が誕生することとなり、永遠の命の秘密は多くの信者を誘惑し、そのほとんどが血と贄の支配者から逃れられず、永遠の命へと向かう彼女の糧となった。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧