フィン【監獄処刑官】
概要
呼称 | 監獄処刑官 |
陣営 | グレイヴボーン |
ストーリー
フィンは小さい頃、
屠殺場である『楽しみ』を
見つけてしまった……
フィンの叔父は家畜屠殺業を営んでいる。
物心がついた時からフィンは、
叔父と一緒にバンティス帝国の港にある
野外の屠殺場で仕事をしていた。
この港は、アンダドス島で捕れた魚が
山のように水揚げされたり、
牛や羊などの家畜が溢れるほどに
運ばれたりする場所だった。
バンティス帝国の肉類は、
すべてこの港にある屠殺場から出荷される。
そのためここで働く者は、
朝から晩まで毎日大量の肉をさばいていて
大忙しだった。
時に捕らえられた亜人が戦利品と称して、
闇ルートでこの屠殺場へ
流れてくることもある。
『亜人』……
人間のように言葉を話すが、
牛や羊のように、『家畜』と同類な生物。
フィンの亜人に対する認識だ。
彼は亜人を前にすると、
心が躍り興奮を隠せなかった。
フィンはどんな『家畜』でも綺麗に
解体処理できる才能があった。
牛や羊と同様に、亜人の皮でさえも
ほぼ完璧に剥ぎ取ることができるのだ。
この時がフィンにとって、
無上の幸せに感じる瞬間だ。
彼の楽しみは、様々な方法で亜人たちを
『解体処理』していくことだった。
例えば……
縄をわずかに緩めてあげると、
亜人は縄を解こうとしてもがく。
まるで蜘蛛の糸にすがるように、
生き延びようと足掻くのだ。
だが、亜人がもがけばもがくほど、
生にすがればすがるほど、
この上ない優越感がフィンの中で
湧き上がっていく。
それが最高潮に達した時、
喉を思いっきり切り裂いてやるという
方法だ。
フィンが考えたこの『解体処理』は、
快感が波のように押し寄せ、
幸せに浸ることができるという。
一度この感覚を味わうと、
もうあとには引けない。
気づけば、フィンの悪名は各地に
広がっていた。
同じ港で仕事をしている者は、
誰もがこの『皮剥ぎ職人』と
目を合わせることを避けていた……。
ライヌ人が起こした戦争が
まだ続いている中、
フィンはモーダン将軍に呼ばれた。
港での仕事ぶりがここまで届いたらしい。
捕虜の尋問を専門に行うという
フィンに最も似合う仕事を任された。
この牢獄では、
港にある魚臭い下水道や、
ハエがたかる腐った肉はない。
人々の蔑むような目もなかった。
あるのは、絶え間なく響く捕虜たちの
苦痛と恐怖と哀願が交じり合ったような
声だけだった。
ここでフィンは、自分の才能を思う存分に
発揮していった。
ある時ーー
牢獄に見覚えのある人が縛られていた。
モーダン将軍だった。
国に忠誠を誓った将軍だったが、
敵とグルになり皇室に謀反を企てている
という疑いをかけられているらしい。
「疑い……
それは決して消えることのない
恐ろしい敵のようなもの。
そうだろう、将軍?」
フィンは真っ白な刃を
将軍の下顎に突き立て、尋問をし始めた。
だが、どんなに拷問を繰り返しても、
無数の戦場を駆けた歴戦の将軍からは
何も『情報』を得られなかった。
さすがは老将軍。
やわな貴族たちとはわけが違う。
頑なに口を割らない
モーダン将軍を見つめながら、
薄気味悪い笑みを浮かべた。
(どうやったら将軍は
もがき苦しんで死んでくれるんだ?)
拷問器具を満足そうに片付けている時、
フィンはあることを思いついた。
将軍に拷問を続けて数日後、
牢獄で暴動が起きた。
この騒動に紛れて、
地下深くに収容されていた囚人が
逃げ出してしまったのだった。
逃げた囚人は、皇室にとって
最重要人物だった。
皇帝に呼び出されたフィンは、
暴動について問いただされるも、
落ち着き払っていた。
こうなることはわかっていたのだ。
彼はモーダン将軍の尋問報告書を
皇帝に渡した。
そこには、モーダン将軍と獄長は
親しい関係であること、
2人がこの暴動の首謀者であるという
証拠が詳細に書かれていた。
2人はすぐさま処刑され、
フィンが獄長の座につくこととなる。
獄長とは、この牢獄の最高権力者だ。
フィンが今一番求めているものだった。
トーランがフォールンキングとして
舞い戻り、再びバンティスを統治し始めた。
そしてフィンが獄長となったこの牢獄は、
トーランへの服従を拒んだ亡霊、
『怨生者』を拷問する黒鉄の牢獄となる。
グレイヴボーンとなったフィンにとって、
ここは自分の欲求を満たす
最高のステージだった。
彼がかぶっている冠の正面には、
エメラルドグリーンの邪眼がある。
この邪眼はトーランの力を現すものだ。
トーランはこの邪眼を通して、
薄暗い地下牢のすべてを見ることができる。
それゆえ、フィンはフォールンキングの
手下の中で、最も残忍な番犬として
知られるようになったのだったーー
「死の世界は今じゃ滅茶苦茶だ。
もっと楽しまなきゃな」
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧