ザスク

ページ名:ザスク

ザスク【蛇使い】

概要

呼称 蛇使い
陣営 ババリア部族

ストーリー

ザスクはとある古い蛇使いの集落で

生まれた。

この集落は毒沼の近くに位置し、

蛇たちと共存していた。

ザスクの性格は極めて残忍。

命あるもの、中でも特に人間を嫌っていて、

捕まえては飼っている蛇たちの餌に

していたのだった。

 

ザスクが見放された地にやってきて

賞金稼ぎをして間もない頃ーー

彼は依頼人から報酬を受け取った直後、

蛇たちに依頼人を襲わせ殺していた。

賞金稼ぎたちの間では暗黙のルールがある。

金のため以外で無駄な殺しはしない、

依頼人は殺してはいけないなど……

誰かに何かを言われたわけではないが、

皆これを守っている。

だが、ザスクは違った。

ルールなど無視して、ただひたすら

殺しを楽しんでいるようだった。

ザスクの残虐非道な行為を

崇拝している者もいたが、

周囲の賞金稼ぎたちはそんな彼を、

『イカれた老いぼれ』と罵っていた。

 

なぜ彼がルールを無視するのか、

なぜ彼が命を弄ぶのか……

その理由を知る者はこの見放された地に、

誰もいない。

ザスクと関わる者は、

彼に殺されているからだ。

そのため、噂だけが独り歩きし、

気づけばザスクはこの地で

恐れられる存在へと変わっていった。

彼がこの地にたどり着くまで見てきた、

『多くの知られざる物語』とは

いったいなんだったのか。

 

数十年前ーー

ババリア部族と人間の王国の

全面戦争が始まる。

戦争が激化すると、

それまで参戦していなかった種族も

駆り出されるようになった。

蛇使い族もそのひとつだ。

ザスクも仲間たちと一緒に

否応なしに戦場へ連れて行かれるも、

彼はほかの蛇使い族と異なり

目の前で起こる殺戮に興奮を覚えた。

飼っている4匹の蛇も同様だった。

人間を殺すことが楽しくて楽しくて

仕方がなかったのだ。

 

蛇使いに操られている蛇たちは、

硬い鱗をまとっているため、

王国の兵士たちに傷つけられることはない。

どんなに攻撃されても、

一度ターゲットを定めたら、

相手を殺すまで蛇たちは追い続ける。

標的にされたら最後、

蛇に毒を注入されて死に至るのだ。

このことがきっかけで、

今まで目立っていなかった蛇使い族が

一気に戦争の立役者となった。

蛇使い族はババリア部族の中でも

比較的長寿で、酷い見た目をしている。

そして長年蛇たちと暮らし、

ババリア部族の伝統と

かけ離れた生活をしていたため、

ほかのババリア部族の者たちから

一線を引かれていたのだ。

蛇使い族も日の目を見る時が来たと、

仲間たちは心を震わせていた。

だが、同じ手が何度も通用する

相手ではない。

王国の人間は次の手を打った。

蛇使い族への対策として、

解毒剤や蛇の口から吐き出される

毒の吸引を防ぐためのマスクを開発した。

さらには、蛇を捕獲し絞殺するトラップを

戦場のあちこちに配置したのだ。

蛇を失った蛇使いたちは、

戦場で最も弱い存在へと転じる。

蛇使い族はほかの種族と異なり、

強靭な体を持っていない。

そのため、肉弾戦には向いていないのだ。

種族の絆を重視する蛇使い族は、

仲間が殺されるたびに、

王国に対する復讐心を燃やしていった。

 

ザスクは仲間たちが次々と殺されていく

悲惨な光景を目の前で見てしまったが、

怒り狂う仲間たちとは違い、

この戦争に無意味さを感じていた。

蛇使い族が参戦しても、

大切な家族や一緒に育った仲間、

一緒に生活していた者を失い続けるだけで、

なんの利益にもならないと……

だが、仲間の蛇使いたちは

復讐心で理性を失っていた。

王国はこの機を逃さず、

蛇使い族の復讐心を利用して、

徹底的に壊滅させる作戦に出たのだった。

そして……

ついに、蛇使い族の首領が殺される。

仲間たちがその事実を受け入れられない中、

ザスクもまた想定外のことに

頭が真っ白になる。

彼が一番信頼していた飼い蛇のニューズが、

主人の命を守るため初めて命令に背き、

追手を断つためにトラップにかかり

絞殺されたのだ。

ニューズの犠牲により、

追手を振り切ることができたが、

一番信頼していた蛇を失ったことで、

大きなショックを受けてしまった。

ザスクは戦場に戻ることなく、

そのまま姿を消した。

 

生き残った飼い蛇のセトゥ、イルシュ、

ジスーを連れて、

ふらふらと当てもなく歩き続け、

ついにザスクは見放された地に

たどり着いた。

無法地帯であるこの地は、

少しでも気を緩めると

すぐに誰かの餌食となる。

だが、今のザスクは自分と飼い蛇以外、

誰も信じていない。

先の戦争で高まった警戒心と猜疑心は

この地での生存において有利に働いた。

 

時は流れてーー

末っ子だったイルシュは

ニューズと同じぐらいの大きさに成長した。

ザスクはサンドクローに加入後、

昔の記憶をほとんど思い出さなくなった。

だが、静かな夜が訪れると、

ひとりで骨笛を吹き鳴らし、

あの悪夢のような戦争のことを

思い浮かべた。

そのたびに彼は思う。

今はもう、ただ殺される対象ではなく、

自分の思うままに殺戮を繰り返す者と

なったということを……

 

ザスクの笛の音色は、

太陽を覆い尽くす砂嵐を呼び起こし、

タスタン砂漠のありとあらゆる場所に

鳴り響く。

この音色を聞いた王国の兵士たちは、

初めて毒蛇を見た時と同じ感覚に

襲われるという。

心の奥底に潜んでいる恐怖が、

蛇のように体中を這いまわるーー

 

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