ドレイス【サンドスティング】
概要
呼称 | サンドスティング |
陣営 | ババリア部族 |
ストーリー
荒野の用心棒ウォルクはこう語る……。
『誰かは生まれつき残忍で、
誰かは周りの環境がそうさせていく。
なにはともあれ、
ドレイスには近づかないことだ』ーー
ババリア部族の間でワーラットとは、
貧弱な体、短い四肢、臆病者と罵られ、
最底辺に位置する一族だった。
たとえ戦闘に参加したとしても、
直接戦いに加わることなく、
医療や工作などの任務を任されていた。
しかし、
ドレイスはそんなワーラットの
悪い印象を払拭するような特別な存在だった。
彼はワーラットでありながらも実力が認められ、
ウルサスのウィルソン率いる、
ハンター小隊に入隊し、大型の獲物を仕留める
エキスパートになったのである。
ワーラットがハンターになることは、
ババリア部族では珍しいことだった……。
臆病者で有名なワーラットとは違い、
ドレイスは冷静で肝が据わっていたのだ。
その昔ーー
ドレイスがまだ幼いある日、
いつもどおり狩りに出かけた両親だったが、
帰ってくることなく、死んでしまった。
身寄りのない小さなドレイスは、
過酷な生活を強いられることになり……。
ドレイスは生きていくために、
幼いながら苦しい戦闘訓練に参加し、
激しい実践で経験を積んでいったのだった。
そうして……。
敵の弱点を見つけては残忍な攻撃で敵を怯ませ、
最小限の犠牲で最大の戦利品を
得られるようになったのだった。
多数の獲物を相手にしている時でも、
ドレイスは臆することなく、
手に持っているボーンナイフで
敵の喉を切り裂く。
本来なら、
ワーラットの本能ですくみ上がるはずだが、
幼い頃から過酷な環境で生き抜いてきた
ドレイスに恐怖心はなかった。
こういった実績が積み重なり、
ドレイスはハンター小隊に入隊できたのだった。
ハンター小隊に入隊するまで、
ドレイスは単独行動を好んでいたが、
ババリア部族では大型の獲物を狩る時、
チームを組んで協力し合って獲物を仕留めるのが
しきたりである。
一匹狼だったドレイスも
入隊初期はぎこちなかったが、
すぐにメンバーと打ち解けたのだった。
ドレイスという優秀なハンターの入隊により、
その実力を増していき、
縄張りをどんどん広げていって……。
ついに、あの食物連鎖の頂点に立つ、
ファイアーイーグルに手を出したのだ。
ファイアーイーグルは、
エスペリア大陸ではとてもレアな獲物で、
燃え上がる羽はコレクターによって
高く買い取られる生き物だ。
だが、極めて危険な獲物でもあった。
狩りの当日ーー
ファイアーイーグルと対峙すると、
ドレイスは真っ先に獲物に向かって攻撃を仕掛け、
ターゲットの注意を引いたのだ。
ファイアーイーグルの視線が
ドレイスに向けられた直後、
仲間達は背後に回り込んで
捕獲のチャンスをじっと待っていた。
後ろがガラ空きになったその時、
仲間達は次々とファイアーイーグルに
槍を突き刺していく。
しかし獲物の羽はとても硬く、
槍は体に突き刺さるも、致命傷にはならず、
逆に怒らせてしまって……。
ファイアーイーグルはくちばしで岩を砕き、
ハンターたちの道を塞ぐ。
そして、羽で強風を起こし視界を奪うと、
鋭い爪で引き裂いたのだった。
ひどい怪我を負いながら、
ハンターたちは慌てて逃げ回る。
しかしーー
ドレイスだけは冷静だった。
周りが右往左往している中、
獲物の弱点を探っていたのだ。
それを見抜いた瞬間ーー
ドレイスは素早くファイアーイーグルの
羽をつかみ背中に乗り込む。
そして、首をめがけて
ナイフを突き刺したのだった……。
最初こそ必死にあがいていたが、
ドレイスは諦めずに
何度も首にナイフを突き刺すと、
ファイアーイーグルは力尽き、
やがて地上へと落ちていった……。
その巨体から天敵が存在せず、
食物連鎖の頂点に立つファイアーイーグル。
唯一の弱点は首だったのだ。
「やるな、ドレイス!」
仲間達がドレイスを褒め、
喜びを分かち合っている時だったーー
空から空気を裂くような鳴き声とともに
もう一羽のファイアーイーグルが
ドレイス達をめがけて急降下してきたのだ。
避けきれなかった仲間が一人、
体を引き裂かれその場に倒れてしまう。
生肉を好むファイアーイーグルは、
普段であれば血を流している者を狙うが、
なぜかこのファイアーイーグルは
ドレイスを執拗に攻撃する。
先ほど倒したファイアーイーグルの死体を
かばうように攻撃してくる様子から、
どうやらその二羽は夫婦だったようだ。
最愛のパートナーを殺され、
怒り狂っているファイアーイーグルを相手に
為す術もないドレイスは
仲間たちに助けを求めたが……。
狂暴なファイアーイーグルを相手に
誰もドレイスに手を差し伸べようと
しなかったのだった。
そして、ドレイスの耳を疑うような言葉が
聞こえてきた。
「ドレイス、すまない! 俺たちは撤退する!」
ウィルソンがこう叫ぶと、アイクも続いた。
「奴には構うな!
所詮ワーラットだ、すぐに逃げるぞ!」
そうして、撤退準備を始めたのだ。
(なんだと……?)
繰り出される攻撃をかろうじて避けるが
回避しきれず、頭部から血が流れ落ちた。
しかし傷の痛みよりも、
仲間だと思っていたハンター小隊の
メンバーたちが自分を見殺しにしていることに
ショックで頭がついていかない。
不運な事に、血の匂いを嗅ぎつけたのか、
さらに数羽のファイアーイーグルが
空を旋回していて……。
絶体絶命のピンチだったが、
かろうじて岩の下に隠れることができた。
だが、このままでは
やられるのも時間の問題だった。
仲間だと思っていたハンターたちは
自分の事をまるで使い捨ての道具のように
見捨てて逃げ出した。
どうするべきか……。
自分に残された力はもうない。
ぐるぐると考えを巡らせるも、
一つも良い案が思い浮かばない。
このままここにいても、
ファイアーイーグルに見つかってしまう。
逃げ場はない、
このままここで朽ち果てるのだろうか……。
その時だったーー
絶望の淵に立たされたドレイスの頭の中に
何かがよぎったのだ。
(ワーラットの習性を思い出せ!)
(隠密行動、忍耐、狡猾、待ち伏せ……
生き抜く底力!)
これまでに習得した全ての能力を使い切って
この危機を乗り越えてみせようと
ドレイスは立ち上がり……。
その後ーー
ドレイスはどうやってあの場所から
生還したのか、誰も知らない……。
だが、再び皆の前に姿を現した時には、
ドレイスは流刑地で最も危険な人物の一人と
なっていたのだった……。
あの日から……。
ドレイスは決して仲間を作らず、
常に一人で行動している。
そして誰も信用することなく、
心も開くことはなかったーー
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